なぜか、落語入門の本を読みました。
本を選ぶときは、「はじめに」と「もくじ」と「作者紹介」を見て買うかどうかを決まています。特に、この本は、目次をみて買おうと思いました。落語の歴史や、噺の構成、有名な噺の紹介、日本の伝統芸能の紹介など、一冊に詰まっていて、おもしろそうだと思って、購入しました。
発見!-落語って室町時代ではなくて、江戸時代から
なんとなく、落語って江戸時代より前の時代ー室町時代とかーからあるものだと思っていました。能と似たような歴史をもっているのかなって。全然違っていたことがこの本でわかり、知識をアップグレードしました。
落語の起源は江戸時代初期につくられた『醒酔笑』という笑い話を集めた作品集だそうです。話にオチがついており、今に伝わる噺のもとになっているものも多いようです。へぇー。
ここがおもしろさ!ー失敗図鑑
落語は人間の本質を教えてくれます。私の師匠だった故・立川談志(7代目)は「落語は人間の業の肯定だ」と看破しました。平たく言うと、「人間とは所詮”どうしようもないもの”なのだ」という意味です。そんな彼の主張を裏付けるかのように、落語には”どうしようもない人”ばかりが登場します。(p9)
いくつか本書の中に、噺が紹介されていますが、だらしがない人、優柔不断な人、欲張りの人が登場します。でも、そんな人でも「本気で憎めない」ということも含めて、「どうしようもない人」なんだと思いました。失敗を笑い話にしてしまうところに、「陽気さ」を感じました。人が死ぬシーンを直接話に取り入れない、ってところもいいなと思いました。
失敗って共感しやすいから、笑いやすいのだと思います。そして、オチがわかっていても笑ってしまうのは、「共感」と、「臨場感(話し手のうまさ的な意味も込めて)」と、「つくりのうまさ」なんだろうと考えました。歴史的背景や専門用語が必要でない話であれば、海外の人でも楽しめるのでは?
知らなかった!よく出てくる登場人物
落語には定番メンバーがいるそうです。落語を聞いたことがなかった私には、初耳でした。たしかに、ある程度キャラを知っていた方が、聞きやすいです。紹介します。
与太郎:愛されキャラ。いい年なのに、ニートでおっちょこちょい。たまに本質を突く発言もする。
一八:売れないフリーの芸人。金づるを探す。
若旦那:金持ちの道楽息子。
権助(ごんすけ):田舎者で、庶民代表。 (p57~68,一部改変)
ドラえもん的な雰囲気を感じるのは私だけですか笑。登場人物でなんとなくストーリーがわかる安心感もあると聞きやすくなると思われます。
ちなみに、本書では「ニュースや会話によく出てくる名作古典落語」として以下の、落語は紹介されています。
・「寿限無」
・「まんじゅうこわい」
・「時そば」
・「目黒のサンマ」
・「芝浜」
「時そば」と「芝浜」は題名だけ知っていて、中身を知らなかったので、新鮮でした。芝浜について、「高輪ゲートウェイ駅」の駅名のときに、聞いたことがあって、その取り上げられた意味が、今、わかりました。教養ある人ってすごい!
実際にYouTubeで落語を聞いてみました。
「時そば」を聞いてみました。めちゃおもしろかったです。本書で紹介されいた落語の基本構成「枕」「本題」「オチ」がしっかりわかりました。「枕」の部分でこんなに盛り上がるんだ!って思いました。本題に入る前に、すでに「爆笑」でした。「コロッケの気持ち」でこんなに笑えるんだ!って思いました。
そばをすする表現や、登場人物を演じ分けるところなども魅力だと思いました。すぐに、この世界観に入っていって、YouTubeでも臨場感を味わうことができました。
本を読んだら、実際に落語を聞いてみたくなって、実際に聞くところまでたどり着きました。この本で、知らないことに気づかせてくれて、面白そうの気持ちを盛り上げていただき、実際に聞いてみるきっかけになりました。
とてもいい読書体験でした。
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。