【映画レビュー】『ラストナイト・イン・ソーホー(2021)』
映画『ベイビー・ドライバー』の監督さんの作品です。今作では、サスペンス系の映画でしたが、やはり「音楽」がかなりよかったです。映像を邪魔せず、シーンの雰囲気やストーリーのアップダウンがよくわかる音楽構成でした。
タイムトラベルなのか、見えないものが見える系なのか不思議なタッチですが、最後まで目が離せない展開で、好印象です。私自身たくさん映画をみましたが、類似作品は多くないように思えて、アイデアが詰まった作品でした。
サムネイル画像の出典:
ラストナイト・イン・ソーホー : 作品情報 - 映画.com (eiga.com)
不思議な設定と人物像
主人公のエロイーズは眠ると、60年代の同じ場所います。ただ、周りからは認識されず、ある一人の女性と感覚がシンクロします。目覚ましで目が覚めると、現代に戻っていますが、夢と現実が交差するようになります。
タイムトラベルと、幻覚の中間のような設定で、物語が進行します。
これが面白い。見えている側は、展開に振り回されてしまいますが、サスペンスとして成立しているので、飽きがきません。
一方で、主人公・エロイーズの人物像もしっかり描かれています。片田舎からロンドンの専門学校にきて、周りとなじめない悩みがありました。
設定の説明に時間を費やすのではなく、人物像がわかるシーンがたくさんあって、好印象です。初日に目を付けられると、そのあとが大変ですね…
また、現実パートで脇役たちのキャラ付けもしっかりされています。主人公を気に食わない人、仲間になる人、逃げ場になる人、、、
キャラクターの説明をするのに、どの組織に所属しているのか(今作であれば、ファッションの専門学校)がかなり重要な要素のようです。
専門学校の学生という説明がされるから、バイトが必要で、、とかファッションが好きで、、のような情報がスッと入っているのでしょう。
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60年代の主人公・サンディも魅力的に映りました。
夢を追いかける人物像は、かなりイメージが湧きやすいです。夢の代償と葛藤が暗い雰囲気を作っていて、後半の伏線になっています。60年代のソーホーと現代がどう組み合わせるのかが魅力です。
先の展開を見えないようにして、ラストで回収するのは1つのサスペンスパターンです。「ああ、そうなるのね!」という感想が、そのまま高評価になりますね。
展開が予測しづらいので、サスペンス系好きな方ははまりそうです!
最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。
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