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精神障害者本人の思考、回復と力

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2014年7月の記事一覧

行為と経験の立ち現れ

夢は行為と経験の脳産物である。立ち現れる行為と経験の脳産物は過去に行為し、経験したことの対象が変わったにすぎない。

そこで立ち現れる行為や経験は過去に現実に行為した、経験した記憶を脳産している。しかし、その脳産した行為、記憶は思いもよらないことに応用される。

それでも、現実に人を殴ったことのない人は、夢で殴ろうとして、手が意志に反して動かないことがある。スローモーションのようになる。殴った経験

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脳産物のプライオリティー

統合失調症では、脳産物と現実を分けることが難しくなる。

それは、統合失調症では脳産物のプライオリティーが1番になり、現実のプライオリティーが2番になるからだ。

現実の立ち現れのこちら側に、脳産物が立ち現れる。

しかし、何度も脳産物を経験するうちに、このプライオリティーを本人は無視できるようになる。それが病識があるということだ。

カクテルパーティー効果のように、現実社会のこちら側に重ね描かれ

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脳の即答の傾向

脳が即答する。即答にはある傾向がある。その傾向が強まった状態をうつ病、躁病と呼ぶ。

脳が外部からの情報に対してある傾向の即答をくり返す、それが脳そのものの即答の傾向そのものを強める結果になりうる時がある。

強めてしまった脳の即答の傾向を修正すれば、うつ病、躁病の状態は正常に近づく。

この場合の正常とは、共通の現在の現実に共通に対応できる傾向である。

脳の即答を修正するには、情報が入った瞬間

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脳産物

だれも、脳産物を拒否して生きてはいけない。

夢も脳産物だ。見間違いも、聞き間違いも、脳産物の一種だ。ありとあらゆるところに脳産物があるのだ。

脳産物vs現実という構造は、ある時本当の現実と嘘の現実があるということになってしまう。

脳産物は共通の現在の現実ではないとしても存在しないわけではない、世界と私の間には言語がある。言語によって私は世界から分離されるわけではなく、世界につながっていける。

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