読書メモ20年6
概要
(題)大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
(著)ニール・ラッカム
(翻訳)岩木貴子
おすすめ度
★★★★☆
サマリ
初版2009年だが1987年に「SPIN式販売戦略」という題で出版されており、古くから読まれている名著。全盛期のマイクロソフト、IBM、AT&Tに研修としても採用されてきたセールス・テクニックが書かれた本。これまで良いとされていたセールステクニックを調査によって分析。その調査の中で整理されたSPINモデルについて説明がされている。分かりやすく営業バイブルとして利用されそう
抜粋
全ての商談が4つの段階に分かれている。
①予備段階:商談の初めのウォーミングアップ
②調査段階:事実や情報、ニーズを見つけ出す
③解決能力を示す段階:あなたの商品価値を示す
④約束をとりつける段階:商談を先に進めるための合意を得る
本書では、質問数が多い方が成約数が高い調査結果があり、②調査段階が最も大事であると伝える。また昔から言われる「オープンクエスチョン」「クローズクエスション」は大型商談には有効ではないと説く
②調査段階では、大きく4つの質問がテクニックとして活用できる
①状況質問
なるべく少なく苛つかせない程度に質問する事が大事
②問題質問
問題点や不満を聞く質問であり、潜在ニーズを理解する事ができる。小型商談では非常に重要ではあるが、大型商談では大きく成約率に影響がなかった
③示唆質問
顧客が潜在的に感じている問題を深刻であると把握させるよう仕向けるものである。問題の与える影響や結果についての質問
④解決質問
問題を解決することの価値や効用について聞く質問
②はイメージしやすいが③、④を活用し、顧客ニーズを発展させる質問を見に付けたい。
また、③解決能力を示す段階では、
「利益」>「利点」>「特徴」の分類を理解し、「利益」を語る必要がある
特徴は、価格の心配を
利点は、反論を
利益は、支持・賛成を
顧客に感じさせる。
④約束をとりつける段階、この章では「推定承諾法」「二者択一法」等のクロージングは大型商談では逆効果になると分析する。大きなお金が動く商談になり、その焦らせがプレッシャーとなり気持ちを下げるからである。よって、懸念事項をチェックし、利益を丁寧にまとめ、現実的な約束を提案。このアクションを積み重ねる事でしっかり成約まで持っていくという思想が必要である