繋ぎ、巡らせてゆく。
2022年。
みなさんはどんな年にしたいですか?
僕は今年はどっしりと岡山の土を踏み締めながら、「繋ぎ、巡らせてゆく。」をテーマにして活動していきたいと思っています。
「繋ぎ手」
僕は去年の暮れから「キノシタショウテン」という、岡山ではそこそこ有名なお店で働いています。メインは珈琲豆の販売と喫茶なのですが、姉妹店それぞれに個性があって面白いです。
今までの僕を知る人からすれば、「何で飲食なの?」と思うと思います。でも実は飲食には前からちょこちょこ携わっていて、他人と関わることが苦手な自分としては、人生の基盤となるこの時期に、きちんと“食”や“人”に向き合うことを真剣にやってみたいと思ったのです。
学生の頃、別府でたくさんの素敵な飲食店の方々に出会いました。そんな恩師たちの言葉や仕事がいつの間にか僕の中で大きくなり、学生の頃必死に単位をとった勉強よりも、別府の街に出て、色んな生き方から学んだことが自分の中でとても大切なものになっていました。
多様な生き方を知っていく中で見つけた“自分らしい生き方”を模索した結果、今は飲食業界で働いています。
僕は「繋ぎ手」になりました。生産者さんと色んな人を“食”で繋ぐ。そうして命が明日へと繋がれていく。
でも、僕が本当にやりたいことはその先にあります。
巡らせてゆく。
僕がこれから先、瀬戸内の真ん中でやりたいこと。それは「巡らせてゆく」ということ。ただ繋ぐだけではなくて、それがより大きな数珠繋ぎとなって、最後には大きな流れになっていく。それが“巡る”ということだと思っています。
あえて「巡らせる」という表現にしたのは、僕の意志の表れです。今までは何も知らずに、良くも悪くも大きな巡りの中の一部でしかなかった自分が、今度は自分が軸となって巡らせていけるような人間になれたらと思ったのです。
ここで言う「巡る」の対象には、様々なものが当てはまります。
社会、経済、命、時間、知恵。
何も知らずとも生きていくことができるこの世界で、どんどん考える必要がなくなっていくこの世界の片隅で、懸命に生きていきたい。そう祈っています。
風
では具体的にはどうするか。僕の中では去年の春からずっとやりたかったことがあります。それは、『瀬戸内の風』というプロジェクトです。このプロジェクトを通して、「瀬戸内」というアイデンティティを次世代に残すこと。
僕の中で、岡山は瀬戸内の真ん中。では両端はどこかというと、僕の地元である「神戸」と、僕の第二の故郷「別府」なのです。
僕は知らず知らずのうちに瀬戸内で人生の大半を過ごし、どこか懐かしさを感じながらも、これからもこの海と山の恵みを肌で感じながら生きていたいと思うようになっていました。
これからは「風の時代」と言われています。でもこれは単に社会の風潮とか流行り言葉で終わらせたくないと思っています。
“風”というのはつまり、”僕ら”のことを指しているのではないかと思っています。
海の上を駆け巡り、山の間をすり抜け、木々を揺らし、光と影を生き生きと踊らせる「風」。そんな「風」のように僕らが瀬戸内を繋ぎ、健康的な巡りを生み出していく。そんなプロジェクトになればいいなと思います。
これは僕1人のプロジェクトではなく、風の時代を生きるこれからの世代みんなで作りあげていきたい。そして次の世代につなげていけたら。
(220105)
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