「メリット」と「バリュー」の違い
ぼく、いま営業代行をやってる会社で、インターンをやってたことがあるんですね。
まあオンリーストーリーっていう会社なんですけど、いろんなクライアントのサービスを、「興味ありませんか?」って代わりに営業する事業です。
ぼくが最後いたときには、たしか100社くらいのクライアントがいたので、単純計算で100個のサービスを扱っていました。
それらのサービス内容を頭に叩き込んで、訪問した企業の社長に「こんなサービスがあるんですけどいかがですか?」と尋ねます。
ただぶっちゃけ、100個ものサービスの詳細を、全部覚えることは無理です。
にもかかわらず、クライアントのサービスは基本的に無形商材(≒webサービス)で実物がないので、現場で頼れるのは自分の記憶だけ。
(一応サービス内容をまとめたペライチの紙があるけど、そんなのイチイチ確認してたら、相手の社長さんとの空気が悪くなってしまう)
入社した当初は本当にサービスの内容が頭に入ってこなくて、アポでどれだけ相手の社長さんに営業したいサービスのことを説明しようと思っても、うまく説明できませんでした。
とある日、サービス内容を覚えきれなくて、現場でテンパってしまい、なかなか営業代行の仕事が個人的にうまくいかないことを、会社の先輩に相談したんです。
そしたら、その先輩は「大事なのは各サービスの内容を話すことじゃなくて、相手の求めていることを聞くことだ」と教えてくれて。
続けて、「ぶっちゃけ、経営者の求めていることなんて"売り上げを上げること"か"コストを下げること"か"いい人を採用すること"に集約されるんだから、いまその経営者がその3つのうち、どの課題を解決することの優先順位が高いかを知ることが先決。それさえできれば、あとはその課題にピッタリのサービスがありますと紹介すれば、自然と興味を持ってもらえるよ。細かい内容は、もっと後の話」と話してもらいました。
話してくれた先輩にとっては当たり前すぎて、ぼくに話してくれたことをもう忘れているかもしれないですけど、ぼく自身はいまでも、「これが商売の本質だよな」と思って、ことあるごとに思い出しています。
ぼくたちはついつい、話す側、というかプレゼンする側になるとそのサービスの内容(=メリット)を話しがちなんですけど、聞き手にとってみればそんなことは正直どうでもよくて、大事なのはそのサービスによって、どういう価値(=バリュー)が生まれるかその一点なんですよね。
サービスの内容は、バリューを出すための「手段」でしかありません。
きのうのnoteは、
というタイトルで書いたんですけど、本質的には同じことを言っているのかもしれません。
「バリュー(=顧客への価値)」という1階があってこそ初めて、「メリット(=具体的な内容)」という2階の部分を訴求する意味が出てきます。
でも逆にメリットは「手段」ではあるので、「相手の価値を提供する」という「目的」を達成するためには、なんらかの手段は必要なんですけどね。
ということできょうは、「メリット」と「バリュー」は違うよ、相手の求めているものを想像してコミュニケーションをとることを意識していきたいよねという話でした!