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「いまこの瞬間こそが命!」な現代

つまりデジタル時代の第三段階の基盤となるのは、流れとタグとクラウドなのだ。
※本中より引用


『〈インターネット〉の次に来るもの』を読んだ感想、第9回です!

第1回のnoteはこちら👇


きょうの話は、いまの世の中は『いま』というこの瞬間と、その連続によって成り立つ『流れ』が、より重要になってきているという内容です。


いまではコンピュータ化の第三段階に移行中だ。ページやブラウザーはもはやそれほど重要ではなくなった。現在の主要な単位は、流れとストリーミングだ。(中略)
リンクがタブへと置き換わり、流れの中のある瞬間に対してタグ付けしたり、「いいね!」や「お気に入り」を付けたりしている。
スナップチャット[Snapchat]、ウィチャット[WeChat]、ワッツアップ[WhatsApp]といったサービスが流すものは、現在の情報だけが対象で、過去も未来もない。
※本中より引用


もうちょっと身近な例を引用しましょう。


例えば映画をオンデマンドで鑑賞するには、映画が流れていなくてはならない。(中略)
ストリーミング視聴ができなければその映画は選ばない。
ネットフリックスのDVDのカタログには約10倍のタイトルが収容されていて画質も良いが、われわれは2日も待って高画質のDVDを見るより、少々画質は悪くてもリアルタイムで見る。
同時性が品質より優先されるのだ。
※本中より引用


あと、普段Kindleで本を読むぼくにとっては、次の引用箇所の例えが一番しっくりきました。


良い評価が付いた本に出合ったらその場で電子版を買っていた。
何と言ってもとても簡単だ!
クリックするだけで買えるのだから。(中略)
あとで読もうと本を買ったとしても、その本が置かれているのは買っていない他の本と同じ場所(つまりクラウド中)であって、その違いはお金を払った棚か払ってない棚かというだけなのだ。
※本中より引用


たまに『自分の冷蔵庫はコンビニ』っていう一人暮らしの若い人などがいますが、あれって実はすごく現代的な感覚を反映していたのかもしれません。

自分の家の中に冷蔵庫を所有しなくても、食べたいときに食べたいものだけコンビニで買って、すぐに使うなり食べるなりをする。

引用中のクラウドとはまさに、今回の話におけるコンビニの冷蔵庫です。

その違いはお金を払った棚か払ってない棚かというだけなのだ。


そして、ここまでのいくつかの具体例を踏まえたうえで、再度筆者の冒頭の引用箇所を再掲すると、『デジタル時代の第三段階の基盤となるのは、流れとタグとクラウドなのだ』と言っています。

『クラウド』に蓄積されていくいまの『流れ』をぼくたちは見て、気になるものは『タグ』を付けます。

そうして積み重なるいまの連続に埋もれないようにしたり、より自分に合った『流れ』を作り出すようにするのです。


これらの良いところのひとつは、常に『アップデート』され続けるところです。

例えば昔って、マイクロソフトのワードやエクセルって、買い切り型でした。

でもいまは、アプリのひとつになってサブスクリプション型になっています。

そうすることにって、常に最新版のエクセルやワードを使い続けることができます。

買い切り型だと、新しいエクセルやワードが発売されても、その新しいエクセルやワードを買わない限り、使うことができません。


あとはいまって、流れが大事になってきたことにより、『過程』そのものもひとつのコンテンツとして成立するようになりました。

例えば昔って、『本の購入』に関して、まあ当たり前と言えば当たり前ですが、本が完成してそれが書店に並べられ、そして読者がそれを購入して読んだときに始めて、その本がコンテンツとなりました。

でもいまは、本のコンセプト作りや原稿の段階から、読者と相談しながら作るなんてパターンもちょこちょこ見かけます。

これは本の内容に価値があることはもちろん、その本を作る過程そのものにも価値が生じています。

これもまた、クラウドと流れとタグが基盤となった、デジタル自体の第三段階ならでらではの現象です。


ということできょうは、結論はもう最初に言っちゃって、いまの世の中は『いま』というこの瞬間と、その連続によって成り立つ『流れ』が、より重要になってきているという話でした。

そしてそれによって、ぼくたちの生活習慣そのものにも変化が起きているという話でした!



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藤本 健太郎 / 編集者
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