ビジョンを語る採用ブランディングは、混み合っている
昨日に引き続き、hey佐藤さんとクラシコム青木さんの対談記事を取り上げます。
昨日の記事:ビジネスで気にするべきことは、「需要があるか」じゃなくて「供給できるか」
取り上げる記事↓
昨日の記事では、heyのコーポレートブランディングは「サービス需要の喚起」ではなく、「人材の確保」として行われている側面が大きいという話を書きました。
今日のnoteでは、そのあたりの意図や戦略について、深く掘り下げていきたいと思います。
まずは、クラシコムの青木さんが、hey社に抱いている印象や、その背景にある意図や戦略の推測について話します。
青木
「heyというビジネスは何をするつもりなのか?」と。正直、今をもってもよくわからない。
現状としてコイニーとSTORES.jpを統合しようという世界観はわかるけれど、「その先に何を考えているか」は、意識的にそれほど明らかにされてないのではないでしょうか。(中略)
「heyが何をするかもわからないのに入りたい」「この店は買いたい物がないんだれけど買いたい」という状況を作ることが、ブランディングなんだろうと思うんです。
「何をするつもりなのか、よくわからない」と、かなりストレートに印象を伝えています。
ただ正直、ぼく自身もheyに対して同じような印象をもっています。
すごい人たちが集まって、なにかすごいことをしようとしているのはなんとなくわかるんだけど、具体的にどういったことをやるのか、イマイチ実像がつかめない。そんな印象です。
でも青木さんは、それは「意識的に」やっていることだと推測しています。
それに対して佐藤さんは、いまやっているブランディングは、求職者と友達みたいな関係を築くところか始めようとしていると答えました。
佐藤
求職者とのつながりとして「会社の行く末」や「ビジョン」が重要と言われますし、たしかに実際そうなのですが、そもそも長期のキャリア計画や夢を聞いて友達になることって、あんまりないじゃないですか(笑)。(中略)
過剰に高待遇を用意したり、壮大な夢を語ったりする方法は非常に混み合っていますから。
ここらへんでようやく、取り上げた対談記事のタイトルである『マッチョな競争から降り、「コーポレートブランディング」を楽しむと何が起きるか?』の意味が見えてきました。
優秀な人と出会うこと、採用することはとても難しいという話は前回の記事でしましたが、ではどうすればそういった人たちを採用できるのか?
参考資料がなくて恐縮ですが、いまの20~30代であるいわゆるミレニアル世代は、あんまりお金に執着がないと言われています。
仕事においては、「目先の給料」よりも「どんなことがやれるのか」や「どんな人と働けるのか」といった「やりがい」に重きを置くということです。
つまり、会社は求職者に対して魅力づけをするにあたり、「これからどういったことをやっていきたいか」といったビジョンを伝えたり、裁量のあるポジションを用意するなどの手段を講じます。
しかし佐藤さんは、求職者と「友達みたいな関係」を築くにあたっては、「長期的なビジョン」はあまり適さないとし、そしてそういった採用ブランディングは、いまの時代においてはレッドオーシャンすぎると言います。
そういったマッチョなブランディングとは違ったアプローチで、『「heyがなんとなく気になる、なんか応援したい、なんか好き」という気持ちを抱いてくれる人との関係を、このマーケットで作れるかということにトライ』するため、チャーミングな会社にしようと、そして見せようとしているのだそうです。
と、今日はここまでにしておきます!
まだまだ対談記事からの学びは続きそうです。
★昨日の記事はこちら↓
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