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「差別化」って、いるの?

ビジネスの現場や、あとは就活の場面などで、よく「あなた(たち)だけの強みはなんですか?」って、聞かれることがあります。

似たようなサービスがいくつもあるなかで、御社のサービスを導入する理由はなんですか?だったり、数ある就活生がいるなかで、我々があなたを採用する理由はなんですか?だったり。


ただこれ、前から思ってたんですけど、

「じぶん"だけ"の強みなんてなくね!?!?」


もうめっちゃ甘ったれな意見だなとは、書いていてじぶんでも思うんですが、ぶっちゃけ「じぶんにしかない強み」なんてものを持ってる人やサービス、この世に一握りすぎませんか??

その人やサービスにしかないものを持っている者しか選ばれないのなら、どの業界も1つ、多くて2つか3つくらいのサービスや人しか、生き残ることしかできません。

まだあんまりこのモヤモヤをうまく言語化できないんですけど、きょう、本田圭佑さんのインタビュー記事を読んでいたら、ぼくのモヤモヤを少し言語化してくれていて。


>本田圭佑が読みたい「サッカーマンガ」とは?直撃インタビュー


サッカーも起業も、自分の競合優位性は考え抜かなければいけない。一方で、他の人と自分を比べてばかりいると、どうしても縮こまってしまう。身も蓋もないことをいうと、いつか「優位性なんか、ないやん!」って気づくんですよ(笑)。

ーー自分より優れている人がいるのは、当たり前だと。本田さんでも、そのように思われるんですね。

本田:起業の際、「似たビジネスモデルの企業は他にもあるけれど、あなたたちだけの強みは?」と聞かれることは、あるあるです。マンガの話に置き換えるなら、「あなたの作品だけのオリジナリティは何?」といった問いになるでしょうか。

けれど、差別化ばかりを気にしていると、ドツボにはまってしまう。ニッチな領域にシフトしていくうちに、当初の目的からだんだん逸れていってしまうんです。そうではなくて、自分が本当につくりたいもので堂々と攻めればいい。世の中には想像以上にたくさんの人がいて、そのうちの誰かには刺さるかもしれませんよね。
(記事中より引用)


本田さんも言っているように、まずはやっぱり大前提として「他者と比べて自分が優れているところ」について考えることは、大事です。

ただ、周りとの差別化を意識するあまり、じぶんが本来意図しない方向に進んでしまったり、人のいないところを狙って進んでいたら、気づいたときにはそこにはニーズもなかったなんてことになったりしたら、めっちゃ本末転倒だと思うんですよね...。

最後に本田さんが言ってくれている「自分が本当につくりたいもので堂々と攻めればいい。世の中には想像以上にたくさんの人がいて、そのうちの誰かには刺さるかもしれませんよね。」って言葉は、一見楽観主義過ぎる感じもありますけど、ぼくの感覚もこれにけっこう近いところがあって。


仮に機能や値段、能力が一番でなくとも、目の前のお客さんや相手に誠実に対応して、ひとつひとつ信頼を積み重ねていけば、某国民的アイドルの大ヒット曲じゃないですけど、それが結果的には「ナンバーワン」でなくて「オンリーワン」につながるのではないかなと。

それにこれからの時代は特に、「機能は標準化されてきて、哲学やストーリーが重視される」ってことが言われているなかで、機能や値段といった言語化・可視化されやすいもので勝負するのは、なんとなくナンセンスな気がしています。

このあたりがまだ、うまく整理できていないんですけど。


それよりも、「なんとなく気持ちがいいんだよな」とか「その誠実な感じが応援したくなる」とか、極論すると「たまたま知り合いにいたから」とか「近所にあったから」とかきっかけからの導入や採用でも、全然アリなんじゃないかなって思ってます。

人によっては「甘すぎだろ」って思うかもしれないんですけど...。


大前提として「他と比べたときに勝っているところ」を戦略的に練っていくことは大事ですが、そのうえで、最後はやっぱりじぶん自身に最大限できることやりたいことを貫いて、そのなかでたまたま相性の良かった人たちと愚直に信頼関係を築いていくやり方もアリなんじゃないかなという話でした!

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藤本 健太郎 / 編集者
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