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ブランディングに失敗する会社の8の特徴(その2)

これまで沢山の会社のブランディングを行なってきて、「うまくいく会社」もあれば「うまくいかない会社」もありました。
(もちろん会社ごとに目指すゴールも違うので一概には言えませんが...)
でもそこから導き出せる"共通項"を8つの特徴としてまとめてみました。

▼ブランディングに失敗する会社の8の特徴
1)業績が悪い状態で取り組もうとする
2)現社長と後継ぎとの関係性が微妙
3)リーダーのリーダーシップが弱い
4)成果主義の報酬体系になっている
5)コストを全て自社で賄おうとする
6)目立つことを危惧し二の足を踏む
7)社内の反対勢力を抑え込めてない

そして8つめは、
"ブランディングの意味"を理解していない

では今回は、「現社長と後継ぎとの関係性が微妙」を解説します。

ブランディングに取り組む”タイミング”

ブランディングに取り組む”タイミング”は、各社それぞれではありますが「代替わりを具体的に考え始めたとき」がとても多かったりします。

…が、
 
「ブランディングに取り組むべきだ!」…と“どちら”が言い出すか、によって社内の状況が異なります。
 
a.「現社長」が言い出した場合
基本的に「反対勢力」が生まれにくく、社内全体を巻き込みやすいので理想的なカタチです。

※反対勢力とは...
何かを変えたり、新しく始めることに必ず反対する「変わること」が怖い(面倒臭い)人たち。「業務外の仕事が増える」や「本業に差し支える」など自分の作業だけが仕事だと思い込んでいる人たち。どこの会社にも必ず一定数いる。

しかし、事業承継のタイミングとなると現社長はおよそ65〜75歳くらいが多く、自ら「これからブランディングがとても重要」と認識し、基礎的なことを理解(勉強)してくれるケースは少ないのが現実。
 
b.「後継ぎ」が言い出した場合
基本的に「反対勢力」が出てきます。多くの場合、古株社員は「社長についてきた」のであって、後継ぎとの信頼関係(絆)がないので表立って反対しないまでも、水面下で妨害するケースは実は少なくありません。

※稀に表立って大々的に反対してくる場合もあります。
酷いケースだと自分の部下などにも圧力をかけて「そんなことやるくらいだったら、俺たちは辞める。競合の会社へ移ってやる。」と騒ぎます。(完全にパワハラと脅迫です)そこまで「変わること」が嫌なのです、一部の人は。

結局、後継ぎの息がかかっている若手社員しか巻き込むことができず、ブランディングがうまくいかず失敗することも…
 
なので、結論としては、「現社長と後継ぎが二人三脚で行う」のが正解なのですが、それも、そううまくはいきません…

経営者親子の関係性

これまでの実例からいうと、以下のような割合だと思います。

【25%】
それなりに仲が良くて、「ブランディングに注力する」という
意思疎通が親子で図れている
ケース
【25%】
関係性は微妙だが、「ブランディングが必要である」という共通認識を親子で持っているケース
【50%】
関係性がそんなに良くなくて、「ブランディングに注力する」という
意思決定をどちらかが押し通している
ケース

そう、だいたい仲が悪いのです…
いや、言い直します。

なんでこんなに、親子の関係性が微妙なのー?(笑)

意思疎通がうまくいっていないだけで根本は同じ

しかし、そうなっている原因は、

【親】
まだまだ息子/娘は未熟だから心配。経営者経験が圧倒的に少ないのだから、今はまだ親経営者の言うことを素直に聞けばいいのに。…と言う感じ。
【子】
自分なりにしっかり考えているし、足りない部分はあるけれどもっと任せてほしい。時代も変わっているのだから、やり方もある程度は変えなくてはいけないのに、親は聞く耳を持たない。…と言う感じ。

もちろんどちらも、「会社を良くしたい」という根本的な想いは同じ

そこで、僕がよく提案するのは、代替わりのタイミングからの逆算で(だいたい1年前〜1年半前くらい)「代替わりブログ」というのを親子で書いて発信してもらいます。

ヘッダーの画像も2人が写っている写真を使い、共通のテーマで交代で書いていきます。

例えば週に3テーマ。
(…をそれぞれが書くので計6回記事アップ)
 
これを代替わりまでの「カウントダウン」の形式でやっていけたら最高です。
 
このブログの目的は、テーマに合わせてそれぞれに「経営者としての考え」を書いてもらいます。もちろん似た意見が出るときもあるし、まったく正反対の意見になるときもありますがそれが狙い。
 
テーマは広範囲に渡りますが、
例えば「よくいくカフェは?」がブログテーマだったら、

【親】
「私の世代は喫茶店」
「代表的な喫茶店といえばルノアール」
「もっぱら商談で使う場所」
「コーヒーの味なんて二の次で」
「パッと入って、パッと商談をまとめる場」

…という感じで、「喫茶店は商談の場」という価値観が意見として出てくるとします。

【子】
「よくいくカフェはスタバ」
「タバコやうるさい会話などのストレスが少ない」
「行くのは主にひとりで」
「自分の仕事に没頭したいときや考え事をする場」

…という感じで、「スタバは自分のクリエイティブスペース」という価値観

これを「営業マン」に聞いたら、半数以上が「喫茶店/カフェは仕事をサボる場」と答えるでしょう(笑)

同じ質問に答えてもらうからこそ「価値観」がわかります。それを経営者として大切なこと、変わらなくてはいけないこと、として上手に魅せていくのです。

経営者の価値観としては、「仕事のために活かす場」が共通していますが、
「目的」がそれぞれ違う

この「世代間で共通した経営者としての価値観」「世代ごとに異なる時代感」をこのブログを通じて発信していってもらいたいがためのブログです。

で、これをブログとして発信することで、「こっそり社員が読みはじめる」ことと、「協力会社や顧客へ伝えていく」ことを同時に行えます。

この他にも「代替わりブランディング」は色々なことをやる必要があるのですが、実際の代替わりのタイミングの2年前くらいから始められたら理想的。そこまででなくとも、1年前くらいからやらないと、直前で急いでもうまくいきません。

実際、ブランディングだけに限らず「事業承継」専門のコンサルもいっぱいいますからね。それだけこの時期の準備は大切というわけです。

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