成長したい若者は「無駄なく、効率よく」なんてマインドは捨てていい
社会にでて1ヶ月あまり、さっそく様々な葛藤に悩まされているであろう新社会人のみなさんに大切なことをアドバイスしたい。
みなさんが一人前のビジネスパーソンになるために考えるべきことは、集約すれば2つしかない。
1. 経験を積み、学習し、仕事力と人間力を高める
2. 素晴らしい仕事をして、チームに貢献する
この2つを追求するだけでいい。ただし、どちらかでは絶対ダメで、これらを同時に追求しなければならない。
逆に、これ以外のことなんて考える必要がない。以上が結論だ。
「100の仕事を50の労力でやる工夫」より「100の仕事しかできないのを500にするための努力」を優先しろ
いま100の労力で100の仕事をしているところから、60の労力で100の仕事をしたり、100の労力で125の仕事をするように工夫するのが効率化の文脈だ。
個人の仕事、の観点で見れば、時間を作り出す方法としてそれは有効なのだが、中身スッカラカンでなんでも吸収できる若者がそんな細かいことばかりに時間とエネルギーを割いているようでははっきり言って問題だ。
繰り返すが、まだ中身はスッカラカンだ。いまあなたが提供できる価値なんかより、新しく吸収できることのほうが軽く見積もっても5兆倍くらいは多い。まもなく齢35になる自分ですらまだ900億倍くらいはあるだろう。
100の労力かけても100しか仕事ができない現状から、500とか1,000とか10,000の仕事をできるようになるには何が足りないのかを考え、埋めていく作業が成長のための努力だ。
その努力とは何か?と言えば、経験を積むこと、考えること、学習すること、それを実践することだ。結局はそれしかない。
ネットの耳障りのいい内容の記事を「これは良記事」とか言ってシェアすることでもなければ、かっこいいこと言ってる人のツイートを引用して「自分もまったく同じようなこと考えてた」とかやることでは決してない。
顧客はあなたの「働き方」に興味はない。つまりそんなものは好きにすればいい
「働き方改革」などと叫ばれて久しい。人生における仕事の位置付けは人それぞれであり、働き方の選択肢が世の中に増えることが歓迎すべきことなのは間違いないだろう。
しかし、肝心のビジネスにおける顧客は、多くの場合、あなたがどんな働き方をしているかに興味はない。どうすべき、とも思っていない。
大事なことは、あなたがどんな「仕事」ができるか、それだけだ。
どれだけの時間会社にいたとか、どこで働いたとか、ほかの会社で副業してるのかとかは、「仕事」そのものには関係ない。
仕事したいなら許される限りやればいいし、仕事以外のことを優先したいならそうすればいい。
仲間と顔を合わせて仕事したいならそうすればいいし、場所を選ばず働きたいならそういう環境を選べばいい。
そしてそれらは二者択一の話などではなく、両極端の間のグラデーションだ。
時代の流れがどうだ、とか、法制度の変更が、とかはさておき、働き方については「色々あるから好きにしろ」以外の結論にはならない。議論しても、ポジショントーク以上の話にはならない。気にしなくていい。
繰り返しになるが、大事なことは最初に挙げたこの2つだけだ。
1. 経験を積み、学習し、仕事力と人間力を高める
2. 素晴らしい仕事をして、チームに貢献する
長時間働くことがそれらの保証であるわけでもないし、かといって適当に「自分なり」の仕事をしながら周囲を凌駕しようと思うなら人並以上の才能や工夫、運も必要になるだろう。
そういうのも含め「好きにしろ」ということだ。
多くの人は「すごい人になりたい」から「自分なりに効率よくやれればいい」に変化する
多くの人が、高みを目指す途中で「自分はやっぱり普通でいい、できる範囲で効率よくやろう」のように姿勢が変化していくということも事実だと思っている。
その理由は、普通じゃなくすごい人は総じて「もとから強いやつが桁違いに頑張りまくる上に、それをずっと継続してる」みたいな人たちだということを体感として知るからだ。
つまり、だいたいの場合、「すごい人になるのはとても大変」なのだ。そういう努力をしなければ、普通の人は、普通の人にしかなれないのだ。
正直「うるせえよ」と思ったが、競技はもちろん、おそらく仕事においてもこれは事実だ。1万時間かどうかは知らないが、スゴイやつはだいたい、とにかくやってるのだ。
そういう人を目にすると、「ここまでやれれば及第点」のような感覚がどれだけこじんまりとした考え方なのかを思い知らされる。
若者は「無駄」かどうかすら自分で決められる。最初から最短距離で行こうとしなくていい
「何も決まらない、生産的でない会議に出席した」ことを想像してみよう。
例えば自分がその場にいたら「こんな会議やめるかやり方変えろ」とするだろう。なぜそれが無駄なのかをこれまでの経験から判断できるからだ。
一方、若者にとって「なぜこんなに不毛な場になったのか」「自分が主催者なら何をどう変えるか」など考えたり想像することは決して無駄ではない。
それをきっかけに本を買って勉強したり、会議が上手な先輩にアドバイスを求めるかもしれない。それを自分主催の会議で実践し、参加者から有意義なフィードバックが得られるかもしれない。
それが経験を積み、学習するということだ。こういうことの積み重ねによって、仕事力は高まっていくものだ。
これは、特別な機会でなくても、なんでもいい。飲み会の幹事でも、電話応対や来客対応でも、議事録係でもいい。経験がないのだから、逆に言えばやった先からなんでも吸収できるのだ。
部署の飲み会の幹事を「ただの雑用」とだけ捉えているようでは先が知れている。同じく、「これは自分がやるべき仕事じゃない」とか「あの会議、無駄だよね~」とか言いながらそれをやっているなら、確かにそれは無駄だ。
無駄にするかどうかすら、自分で選べるのが若者の特権だ。
自分の手持ちスキルのやりくりで仕事するようになったときに成長が止まる
似たようなことを別の記事にも書いたが、成長が止まるのは「自分にできる仕事はこれ」と線引をし、その範囲内でしか仕事をしなくなったときだ。年齢など関係なく、本人の意志の問題だ。
今は若いうちから、好きなようにやりたいとフリーランスとして独立したり、好きな仕事をしたいとキャリア選択するのも珍しくない世の中だ。
個人の人生なので勝手にすればいいのだが、大した手持ちがない中でそれをやりくりする仕事に終始しないだろうか、のような心配は出てくる。
「もうだいたい仕事のイロハはわかったんで」とか言ってても、多くの場合、周りから見ればこういう状態だったりする。
©和月伸宏 / 集英社
るろうに剣心ー明示剣客浪漫譚ー 13巻 より
何度でも繰り返すが、成長に向けて大切なことはこの2つだ。
1. 経験を積み、学習し、仕事力と人間力を高める
2. 素晴らしい仕事をして、チームに貢献する
どうあるべき、どうするのが正しい、ではなく、自らの意志と、仕事に対する姿勢が合致していることが重要なのだ。それは、誰かが強要するようなものではなく、自分でどうするか決めるべきことだ。
※noteはですます調に統一しようっていうマイルールを忘れてた