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肩関節のリハビリテーション③

・挙上制限に対し思うこと
肩甲胸郭関節における肩甲骨下角の前上方偏位不足例が多い。これに関しては、広背筋が硬いのか、activeでの可動性が制限されているのか。
特に骨折例で術後初期より肩甲胸郭関節のmobilityを出しきれていない場合もある。
術前、受傷前の肩甲胸郭関節周囲の筋力が低下している場合も多い。足腰の筋力が大切と言われ久しく、テレビなどでも転倒予防、ダイエットに対してなど様々な筋力トレーニングの方法論が出ている。
良し悪し、合う合わないはあるにしろ、どんな方法でも筋力トレーニングを意識的に行なっていることに違いはない。
徒手療法時の上腕骨に対し肩甲骨のアシストが必要であり、上腕重量をセラピストが上手くコントロールできるかが重要である。

セルフエクササイズとして、120度付近での肘関節屈曲例では同挙上角度での肩甲骨外転上方回旋をactiveで行うような運動が望ましい。
単純なカフエクササイズにおいても、肩甲胸郭関節の固定性や上腕回旋角度など注意する点は多い。運動のみのイメージで実施してしまうと、運動可動域が不十分である。またこれはどの運動にも言えることであるが、運動自体は可動域を確保したいが、対象としている筋が十分に活動出来る可動域かが重要。例えばスクワットとしゃがみ込み(蹲踞)は異なるが、足底全接地で蹲踞姿勢まで行けばフルスクワットかと言われれば、それが違うことが明白である。しかし、単関節運動において全可動域を動かそうとした場合、それがどの範囲であれば適切で、その可動域以上は過可動域となっているか、その部分の理解が必要だと感じている。
関節可動域と筋力訓練時の可動域はイコールではなく、ただし、必要な可動域を確保する必要もあるということ。特に肩関節において可動域制限が存在する場合、可動域制限範囲のどの角度までの動作を行うかが、ただ漫然と筋トレを行うこととは違うことである。

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