髙野健(理学療法士)

15年目の理学療法士として運動器リハビリテーションを行なっています 勉強したこや雑感を発信しています 私見も含め臨床で気になったこと、考えていることなどを皆様と共有出来ればと考えておりますので、是非よろしくお願いします。

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最近の記事

備忘録 頚部痛に対し頚部アライメント不良の場合、胸椎伸展+胸郭挙上の場合頭部伸展位が先行して出来ないと上手く行かない。視線誘導時に上方偏位すると頭部伸展がうまく出来ない場合が多いから下行性に作っていくのがベターな気がする。

    • 外側半月板断裂

      外側半月板根断裂(LMRT) Lateral Meniscus Root  Tear →若い患者に多く、ACLまたは複数の膝関節靭帯損傷を伴うことがよくある 内側半月板根断裂(MMRT) Medial Meniscus Root Tear →40歳以上の患者に多く、靭帯断裂はないものの軟骨変性を生じやすい 半月板損傷のLaPrade分類 Type 1:A stable and partial radial tear.             Found in 7% o

      • 人工膝関節全置換術における膝蓋下脂肪体

        膝蓋下脂肪体(Infrapatellar Fat  Pad:IFP)における健常膝と変形性膝関節症膝の違い ・線維症(Fibrosis) ・リンパ球浸潤 ・血管新生 IFPと滑膜が2つの個別の組織ではなく、単一の解剖機能単位であることが示唆される 現状(2019年論文)ではTKA時のIFP温存or切除について明確なガイドラインはない IFP切除、滑膜切除を受けたTKA術後症例では、膝関節ROM制限、大腿四頭筋の軽度の筋力低下、膝蓋腱の短縮を伴う膝前部痛の発生率の増加 TK

        • 「臨床のコツ」を教えるということ

          「同僚から尊敬される理学療法士になりたい」 「一目置かれるセラピストになりたい」 そうやって向上心を持って勉学に励むことは悪いことではないと思う。 モチベーションの理由はどうあれ結果として患者様に還元されるのであれば問題はない。それに私自身若手の頃は「誰よりも素晴らしい治療かでありたい」と思っていた。今現在もその野心を捨てたわけではないが、そこに向かうためのプロセスの考え方は変わったと思う。 特殊な技術、様々な資格、そういうものも必要だと思う。どんな有名な先生と仕事をして

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        • あとで読む
          5本
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          15本
        • 主観的考察
          7本

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          変形性膝関節症に対する運動療法の必要性

          関節外傷、抗重力筋萎縮、力学的ストレス によって 膝関節腔には軟骨の微細破片や細胞内分子が遊離する ↑ 自然免疫細胞によって除去される (DAMPs 障害関連分子パターン、PAMPs 病原関連分子パターン) タンパク質複合体のインフラソーマを形成し、炎症性サイトカインIL -1β、IL -18を放出し除去する。 しかし関節外傷時、抗重力筋萎縮時には軟骨微細破片や細胞内分子の増加 ↓ IL-1β、IL-18だけでなくTNF-α、IL-6、IL-8などの炎症性サイトカインが増加

          変形性膝関節症に対する運動療法の必要性

          疼痛に対する理学療法

          慢性痛への治療法リハビリテーション熱圧刺激に対する痛み →内因性カンナビノイドとオピオイドの関与  下行性疼痛抑制系の活性化 *下行性疼痛抑制:中脳水道灰白質が興奮性入力を受けると痛み信号を脊髄後角レベルで抑制・遮断する 骨格筋は分泌器官 BDNF、IGF–1、FGF–2:海馬の新生ニューロンを生育 IGF–1、FGF–2:骨芽細胞、破骨細胞の分化・機能促進 IL–6:膵からのインスリン分泌を増加、肝・脂肪組織、免疫機能 IL–4、IL–6、IL–7、IL–−5、LIF、

          疼痛に対する理学療法

          足関節不安定症(CAI)と理学療法

          CAIの進行予測因子・初回内反捻挫 2POW 40cm台からの片脚着地動作困難 Drop Vertical Jumpが遂行困難 →感度83%、特異度55% 受傷後6ヶ月 Star Excursion Blance Testにおける後外方リーチ距離の短縮 Foot and Ankle Ability  Measure ADL Scaleの低値 足関節不安定症 ・求心性外反筋力の低下 ・静、動的バランス機能の低下 ・腓骨筋反応時間の低下 ・遅い角速度(5°/sec未満)にお

          足関節不安定症(CAI)と理学療法

          肩関節のリハビリテーション③

          ・挙上制限に対し思うこと 肩甲胸郭関節における肩甲骨下角の前上方偏位不足例が多い。これに関しては、広背筋が硬いのか、activeでの可動性が制限されているのか。 特に骨折例で術後初期より肩甲胸郭関節のmobilityを出しきれていない場合もある。 術前、受傷前の肩甲胸郭関節周囲の筋力が低下している場合も多い。足腰の筋力が大切と言われ久しく、テレビなどでも転倒予防、ダイエットに対してなど様々な筋力トレーニングの方法論が出ている。 良し悪し、合う合わないはあるにしろ、どんな方法で

          肩関節のリハビリテーション③

          肩関節のリハビリテーション②

          腱板断裂端にみられた組織学的変性 ①膠原線維の最小化及び不整走行 Thining and Disorientation  of collagen fiber (TD) ②粘液変性 Myxoid Degeneration (MD) ③硝子化変性 Hyaline Degeneration (HD) ④軟骨化変性 Chondroid Metaplasia (CM) ⑤石灰化 Calcification (CA) ⑥血管増生 Vascular Proliferation (VP) ⑦

          肩関節のリハビリテーション②

          肩関節のリハビリテーション①

          肩峰下滑液包炎 85%で注射を実施 疼痛消失まで17.6週、注射の平均本数10.7本 ↓ 除痛目的での連続使用は腱断裂、ステロイド性関節症のリスク+ 病態 ①腱板断裂が小さく断裂経過時間を短く、発症年齢が比較的若い症例 ↓ 浮腫以外には著変がなく、わずかに断裂部に一致した発赤や充血がみられる →絨毛の増生はみられるが、滑液包の基本構造は保たれる ②中等度断裂、数ヶ月の羅病期間を有する ↓ 肩峰下滑液包の肥厚が著明 断裂部を中心とした腱板側の滑液包は充血しビロード状変化

          肩関節のリハビリテーション①

          足関節捻挫

          足関節捻挫に関してはスポーツ現場では軽症例から重症例まで、また急性期から慢性期まで様々な時期・症例に出会う。 しかし病院に勤めていると、捻挫自体が疾患別の算定が出来ないためリハビリテーションオーダーとして出てくることはほとんどない。そのため慢性的な足関節の不安定性からACL断裂や足関節骨折などより重度な怪我に繋がってしまっている症例も多い。 そのためにもスポーツ現場での初期対応、コンディショニングがとても重要であると考えている。 しかし実際スポーツ現場で見ていた時には、選手

          子供のスポーツ障害

          子供のレジスタンストレーニングの潜在的利益 1、筋力の向上 2、筋持久力の向上 3、運動能力の向上 4、身体組成の改善 5、骨ミネラル濃度のぞうか 6、傷害耐性の向上 7、競技パフォーマンスのこうじょう 子供のレジスタンストレーニングの目的 「最大到達点により早く到達する」 ではなく 「最大到達点を引き上げる」 が目的となる ガイドライン 1、最低年齢の制限なし 2、6〜15回、1〜3セット 3、6〜12種目 4、連続でない日に週2〜3回 5、トレーニング負荷は漸進させる

          子供のスポーツ障害

          自己紹介

          初めまして 以前同様の記事を書きましたが、ある程度時間が経ったので再度書き直しています 私は現在15年目の理学療法士です 総合病院で勤務していますが、新卒では整形急性期病院、その後スポーツクリニックを経て現在の職場で仕事をしています。 この場ではあくまで自身の学習した内容のアウトプットを主体にしています。 また日々の臨床業務で感じたこと、考えたことを含め書いています。そのため時間が経つと「この時はこう思っていたけど、今はこう考えてるな」とか「昔はこう言われてたけど、今は

          アキレス腱断裂のリハビリテーション

          スポーツに限らず様々な症例を見る機会が多い。 仕事中であったり、アマチュアスポーツレベルであったり、基本的に安静度内では予防的観点で進めていくのが間違いないと思う。 背屈角度に関してはアキレス腱装具着用の場合、OFFになった後のテクニカルな部分も大切になってくる。 特にスポーツ復帰を考えた場合、これは競技レベルに問わず下腿三頭筋筋力と足関節の背屈角度がネックになる場合が多い。 まずはアキレス腱断裂における保存療法と手術療法の差異として調べうる限り最近の文献では 「アキレス

          アキレス腱断裂のリハビリテーション

          ACL再建術後リハビリテーション

          アスリートにおいて術後2年は大腿四頭筋の筋力低下、主観的な膝関節の機能低下、パフォーマンスの非対称性を経験する。 術後3年でも大腿四頭筋筋力は6〜9%低下する。 大腿周径差はなく、神経発揮の問題と考えられる。 ACLR後14年で変形性膝関節症リスクが3倍に増加(移殖腱による差はなし) アスリートの復帰 受傷前のレベルに戻った 65% 競技スポーツに復帰 55% 学生スポーツレベルでは80〜90%が復帰 女性<男性で復帰率高い 復帰率低下の要因 →年齢、性別、受傷前の活動

          ACL再建術後リハビリテーション

          「問診」という技術

          評価治療にセラピストは魅力を感じやすいが、「問診」はどうだろうか。 ただ何となく患者さんの訴えを聞く時間になっていないだろうか。 その時間を少し変えて、技術論としての問診を考えていきたい。 開かれた質問のスキル 1)沈黙 2)非言語的な激励 →ボディランゲージで相手の話を促す 3)当たり障りのない相槌 →短い曖昧な相槌を使う より焦点を絞る場合 1)オウム返し →言葉やフレーズを繰り返すことで更に詳しく話すよう促す 2)自由に回答するよう促す 3)要約と言い換え 時間のな

          「問診」という技術