【近道なんてない】合理的は実は合理的じゃないお話 #1044
おはようございます。
一歳の娘に睨まれるようになってしまった森下ことヒエラルキーの底辺です。
目標を達成するためにはなるべく無駄を避けて最短距離を行きたいですよね。でもそれは短期的な視点で見ていくのか、長期的な視点で見ていくのかによって変わってくるんです。というお話です。
<実は合理的じゃない?>
みなさん「合理的」と聞いてどんなことを思いますか。
僕はなんとなく「計算高い」とか「裏がある」とか「なんか冷たい」とかそんな感じのイメージを持ってたりしました。(完全な偏見だね)
辞書を引くと「目的に合っていて無駄がない」「理にかなっている」というようなことが出てきます。
なるほど、確かに無駄があるのと無駄がないのでは無駄がない方がいいよね、と思ったりします。
無駄を極端に嫌う人は目的地までの最短の道を進もうとします。ちょっとでも遠回りや近道は時間の無駄。
いい大学に行くために勉強を優先するから、友達と遊ぶこともテレビを見ることも一切断つ。勉強オンリー、超集中だぜ。みたいな感じです。
僕も20代真ん中頃のイキってた頃は、そんな感じだったっけ。笑
確かに目的地に着くには最速、最短で向かう方がいいかもしれません。
でもよく考えてみて欲しいのが、その目的地がほんとうの目的地なのかということ。
例えば、めちゃくちゃ何かを犠牲にしてスポーツに打ち込んでたとしても、いつか必ず引退という終わりはきます。
そしてお気づきかもしれませんが、だいたいは引退してからの人生のほうが長いわけですね。
ほとんどの人はプロには行かない(いけない)ので、真剣に競技に取り組むとしたら学生のうちです。
そうすると、「スポーツにかける時間以外無駄じゃ」と取り組んでしまうとスポーツだけしか出来ない人間になってしまいます。
その競技の指導者になるという選択肢はあるかと思いますが、選手よりも指導者の方が人数的な需要は少ないわけですから全員が全員、その道で食っていけるわけではありません。
とすると、「スポーツしかできない」という状況は選手のうちにはいいのですが、引退をしたあとに悲惨な状況になってしまう可能性が高いわけですね。
あくまでもスポーツは人生を豊かにするための「手段」であり「目的」ではありません。(受験とか就職もそう)
手段と目的を履き違えてしまうと、合理的にやっているつもりが長期的に見て合理的にならないことがけっこうあったりするんです。
<無駄にこそ学ぶことがある>
スポーツが人生を豊かにするための「手段」だと捉えるならば、スポーツをするのは勝利を目指すことだけではなくなります。
引退をして、その先どんな仕事をしたいのか、どんな人生を過ごしたいのか、どんな人間でありたいのか、そのための成長ツールになるわけです。
そう考えると、全てを犠牲にして合理的に取捨選択をしながらスポーツに打ち込むのは少し目的とずれていってしまうわけですね。
もちろん、そこから学ぶことや得るものもたくさんあるとは思います。
ですが、スポーツだけでなくその他いろんなことを経験していたほうが人生の経験値としては高くなるし、自分の引き出しになっていきます。
だからこそ、「おれにはスポーツしかないんじゃ」ではなくて、現役の頃から先を見据えていろんな知識やスキルを身につけておいたり、いろんな人に会って関係性を作っておいたほうがいいわけです。
一見それがスポーツの上達とは関係なさそう(合理的じゃ無さそう)に見えたとしてもです。
だから僕は選手には「オン」と「オフ」のメリハリをつけることの大切さはけっこう伝えます。
友達と遊びにいくことも大切だし、テレビやマンガ、YouTubeを見ることも別にいいと思います。
ただし、その時間を優先してしまうとトレーニングの時間に影響出てしまうので、その辺りはセルフコントロールする必要がありますが。
僕はマンガやテレビ、ゲームが大好きだったのでたくさん読んで見てきました。
マンガやテレビなんて将来の役に立たないと思われることが多いと思いますが、いいマンガやテレビは知識を増やすし感性を豊かにします。
さらにコミュニケーションツールとしても大活躍です。ちょっと前に流行った「鬼滅の刃」なんかがまさにそれで、読んでないと話についていけないし、そこまで流行ってんなら読んでみようかなと思って読み出した人は多いはずです。
僕もONE PIECEをキッカケに仲良くなった人はたくさんいます。ありがとうONE PIECE。
一見無駄なように見えて、短期的な目標達成には必要のないことに思えるかもしれませんが、長い人生の目標(目的)から考えると決して無駄にはならないことが多いのです。
その時には「役に立った」と思えないことでも、数年、数十年経てば、「そういえば、あの時の無駄があったからこそ…」と思えることが増えてきます。
失敗も同じですね。多くの人が出来ることなら失敗はしたくないわけです。もちろん僕も失敗は嫌だし怖い。
短期的に見てしまうと失敗は「嫌なもの」「ダメなこと」と思いがちですが、それは短期的な結果を見てしまっているから。
長期的な視野で見てしまえば、その失敗は将来の自分の成長にとって必要で、成長しなければ長期的な目標にと届かないから、失敗が必要なものへと変わってくるんです。
つまりは合理的なタイプの人の中にも「長期的に合理的な人」と「短期的に合理的な人」がいるということ。
「自分の成長のために今はたくさん失敗していろんなことから学んでいこう」という人は長期的に見て合理的なタイプ。
「結果を出すためには無駄なことは一切やらないぜ」という人は短期的に見て合理的なタイプ。
人生は死ぬまで学びですから、長期的に合理的なタイプでいたいですよね。
<最短距離は必ずしも速いことではない>
「急がば回れ」という諺がある通り、近道が必ずしも速いということではありません。
トレーニングでいったら地道に基礎的なことをやり続けるのは一見、時間がかかるしめんどくさいし楽しくないですよね。
それよりもトリッキーなプレーや作戦を使って戦った方がすぐに結果にも繋がりやすいのは正直なところ。
でもどちらが大事かと言えば基礎的なところです。基礎がなっていなければ応用もできません。
この場合すぐに結果の出るトレーニングではなくて、地道な基礎トレのほうが長期的に見ると成長していく可能性は高いわけです。
ONE PIECEの中にこんなシーンがあります。
ルフィ率いる麦わらの一味は、次の目的地である「アラバスタ王国」へ急いで向かっていました。
というのも、途中で出会った王女ビビによるとアラバスタ王国が大変なことになってるので、助けにいかんとということなのです。(#ざっくり)
ですがアラバスタへ向かう途中、航海士であるナミが謎の病に倒れてしまいます。
ナミは自分は大丈夫だから急いでアラバスタへ行かないと、とそのままアラバスタへ向かうおうとしますが、ビビはナミの病気を治すことを優先します。
もちろん寄り道している時間はありません。最短距離を考えるなら、アラバスタへそのまま向かうということが合理的です。
でも、仲間のためを思うなら(それが自分のためにもなるわけだし)、しっかりと病気を治してから向かった方がいいわけで。
最短距離が必ずしも1番速いというわけではないということです。
とにもかくにも、目の前のこと、短期的な目標ばかりを見ていると、現時点ではうまくいってるように見えて、袋小路にはまってしまうことになるかもしれません。
そうならないためにも、長期的な視野で考えていくクセをつけていきたいところですよね。
<まとめ>
① 手段と目的を履き違えてしまうと、合理的にやっているつもりが長期的に見て合理的にならないことがある。
② 合理的なタイプの人の中にも「長期的に合理的な人」と「短期的に合理的な人」がいる。
③ 短期的な目標ばかりを見ていると、現時点ではうまくいってるように見えて、袋小路にはまってしまうことがあるので、長期的にものごとを見るトレーニングをしておくこと。
結果ばかり見ると短期的なことばかりに目が行きがちです。今やってることは将来の自分にとってどうプラスになるのかを考えられるようにしたいですね!
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森下健(もりしたけん)
1986/10/31 埼玉県三郷市出身。
学生時代は水泳に没頭。専門種目はバタフライ。現在はトライアスロンにハマっている。青春真っ只中。
奥様と息子(5歳)と娘(1歳)の4人家族。横浜在住。
メンタルトレーニングの情報を中心に書きたいと思います。
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