狂言『二人袴』の六 ようやく三人対面でござる
和ろうてござるか~
これまでのお話は狂言『二人袴』としてまとめてござるによって
そちらをご覧くだされますよう願いまする
聟(弟)と兄の入れ替わりも三度をすぎるとそろそろ次の展開でござる
舅から二人一緒に出ないと盃事(聟入りの儀式)ができぬによって
二人一緒に出るよう云われた二人は・・・
袴が一つしかないため、弟も兄も自分が履くと云って引き合いまするところへ、舅に云われ太郎冠者が急かしにやってきて
「早う出させられいと申しまする!」
の声に驚く兄弟は互いに袴を自身の方へ強く引っ張り、結果
ここが演目名となってござる
兄が後ろ側、弟は前側を持ったまま
前後に引き裂いてござる
ここで兄はこの半分の袴をお互い前に当てて紐で縛り
後ろを見られぬように、と弟に注意して
ようやく二人揃って舅の前へでられたのでござる
みな揃うたことで三人で盃を酌み交わし
盃事もどうにかこうにか終わったところで、
舅は聟になにやらしてもらおうといたしまするが
今回はこの辺りにいたしとうござる
いよいよ次回は二人袴も最終回となる見込みでござる
またお目にかかれましたら嬉しゅうござる