今週のパン!107 講談
えぇ いっぱいのお運びで御座いまして
お馴染みの講談
材木屋吉兵衛
の序で、ございます
寛永の年間に江戸で 一番の材木商
材木屋 吉兵衛と云う人がおりまして
大変な商いの上手い人でございますが
江戸は深川 木場に 居を構えます
それは それは豪華な家でございまして
屋根はと云うと金銀銅の赤瓦!
屋根の両側には
天を睨んだ鮟鱇が二匹
金で造ってございます
門はと云うと!
檜の一枚板に 斤斗雲に跨ったキツネが
空高く舞い上がるところを
左甚五郎とん平に彫らしました名作でございます
茶室と云うのが凄い
千宗室の弟子で
千年晩夏と云う人がおりまして
この人の設計になります茶室
中に入りますてぇっと 金の茶釜に銀のクラ
豪華な中にも侘びを感じさせる
当代きっての囲炉裏でございます
その横の格子戸を開けて庭に入りますてぇ-とぉ
小堀遠州が造ったと言われる
枯山水のステレオの庭
その裏手に 二十畳と云う部屋
これが材木屋吉兵衛の寝室でございます
まぁ大変な物でございまして
どデカい布団に寝ております
この布団と云うのが
東北は仙台から取り寄せました
三山流れの紅葉模様 金糸銀糸に綴られた
よんやくたびのまくら
当時の江戸 広しと言えども
これだけの金持ちは居ないと云うくらい
豪華を極めておりまして
下男の数三十七人 下女百六十二人を使いまして
豪勢な生活を誇っております
寛永の三年 その春に
振袖火事が起こるわけでございますけども
大火の前にはそれを知らせるがの如く
小さな火事があちこちで
起こると云う事がございました
まぁこの 今の東京辺りでいくと
119番なんかにかけりゃスグね
消防車が飛んで来て
この間なんかアレですよ
消防車同士がぶっつかったなんて
珍しい話がありましてね
で!
この火事の時に
材木屋吉兵衛の三軒隣りが焼けまして
反物屋八兵衛!この家が丸焼けになりまして
吉兵衛も朝早くから起きまして
下男下女を従え
消火にあたったわけでございます
それもようやく収まりまして
吉兵衛 自分の屋敷に帰りました
「驚いたね どうもえっ?番頭さんゃぇ
こう火事が続いたんじゃアータ
恐ろしいじゃないか安心して夜も眠れない
町方はなにをしているんだろうか」
と云う事になりまして お茶を飲もうと思い
ふっと台所の方を向きますと
もう そこは真っ赤に燃え上がっておりまして
大八車は走るは 火消しは飛んで来るは
半鐘は鳴るは
真っ昼間みたいな騒ぎでございまして
まぁ それもようやく落ち着きまして
番頭 それぞれの部屋に帰ります
「あれで収まったからいいようなもんの
このウチが燃えたんじゃアタシの立場がない
あ〜ぁ今日もこれでおしまいか」と言って
お茶漬けの茶碗の中を見ますってぇと
もう そこは真っ赤に燃え上がっておりまして
大八車は走るは 火消しは飛んで来るは
半鐘は鳴るは
真っ昼間みたいな騒ぎでございまして
それもようやく落ち着きまして
下男 一同が部屋に集まります
「今日も一日ありがとうございました
明日も精を出して働きます」と
ふっと頭を下げて畳の目の間を見ると
もう そこは真っ赤に燃え上がっておりまして
大八車は走るは 火消しは飛んで来るは
半鐘は鳴るは
真っ昼間みたいな騒ぎでございまして
「あぁ 驚いたね大番頭さん
あ〜よく燃えるもんだね どこを見ても真っ赤だね
アタシも長い間この商売をしてきたけども
こんな真っ赤な青春とは初めてだね」と思いまして
自分の過去を振り返りますと
もう そこは真っ赤に燃え上がっておりまして
大八車は走るは 火消しは飛んで来るは
半鐘は鳴るは
真っ昼間みたいな騒ぎでございまして
これを契機に材木屋吉兵衛が
大儲けをする訳でございますが
この話しの続きは
またこの次でございまして
材木屋吉兵衛の序に代えさせて頂きます
【タモリ2】より 一部変更
黒ごまとチーズの蒸しパン!
パンと全然関係なくなっちゃたよ💦
今週のパン!107 講談 は
ここまで!それでは!
adiós!Goodbye!Auf Wiedersehen!
Au revoir!Arrivederci!再见!مَعَ ٱلسَّلَامَةِ!
ειά σας!Farvel!sampai jumpa!ばいちゃ!
さよなら! んじゃまた来週!
ここまで読んでいただきありがとうございました。