【財政政策 完全理解🌈】経済の安定化に欠かせない財政政策の役割❤️:経済学理論解説 2023/07/13

Introduction:マクロ経済学を修めたい💛

経済学部に通う私も
いよいよ大学「学部」最終年になり
学問に全力を注ぐ時間も限られてきました👍

「知は力なり」という言葉を信じて
残りの大学生生活を満喫したいと思います

学部レベルのマクロ経済学は
個人的によく理解できたつもりです

しかしながら、本当の経済の動向を理解するには、学部レベルの知識ではお話になりません😥

実際の経済動向や政治と結びつけながら
応用できる能力がなければ
知識を持つ意義も小さくなってしまいます💦

何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました

これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍

先行研究の論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
学習の進捗は滞ってしまうと思います

だからこそ、この「note」をフル活用して
自分の知識を1%でも、定着させ
誰にでもわかりやすい解説をアウトプットできるように努めていきたいと思います

私がこれからアウトプットする
経済安定化の実現おける財政政策の果たす役割
についての要点整理
をどうぞご愛読ください📖

本投稿作成における参考文献は以下の通りです

財政政策の機能と目的🌟

まずは、基礎概念から一緒に
整理していきましょう📝

一般的に、財政政策が有する3つの機能は以下とされています
1:経済安定化機能
2:効率的な資源配分機能
3:所得再分配機能

以下では、閉鎖マクロ経済における市場均衡を分析する過程で財政政策が経済にもたらす効果を考えます
したがって、簡略化のため海外取引は
モデル内で考慮しないことにします🙏

基本的な理解になりますが
市場において需要(Demand)と供給(Supply)が一致する点で、均衡価格ならびに均衡取引数量が実現されます

今回の解説に使用する記号は以下の通りです

$$
Y^S: Supply \\
Y^D:Demand\\
Y^S=Y^D : Market  Equilibrium\\     \\
C:Consumption\\
I:Investment\\
G:Government  Expenditure\\
T:Lumpsum  Tax\\  \\
c_0: Basic  Consumption\\
c: Marginal  Propensity  to  Consume \\
where, 0≦c≦1  \\ (estimated,  0.7≦c≦0.8)\\ \\
r : Interest  rate(Rea)\\
i:Interest  rate (Nominal)\\π^e: Expected  Inflation\\    \\
I(r): Investment  Function\\
where, \frac{\partial{I}}{\partial{r}}<0\\   \\M^S:Money  Supply \\P: Price \\ Liquidity  Demand:L^D(Y,i)\\   \\where,\frac{\partial{L(Y,i)}}{\partial{Y}}>0,\frac{\partial{L(Y,i)}}{\partial{i}}<0\\  \\
Fisher  Equation: r = i - π^e\\however,π^e =0 \\
So,  we  consider  as [i =r]
$$

このような記号を使って説明しますね
c は、限界消費性向です

この定義は、所得(Y)が1単位追加的に増えたとき、消費(C)がどれだけ限界的に増えるのか、ということを表す指標となります

例えば、あなたが100円をゲットして
その日に80円の消費を行ったとしたら
限界消費性向は、0.8(=80/100)ということになります

また、後々のIS-LMモデルやAD-ASモデルに登場する投資関数や流動性選好に基づく貨幣需要関数、フィッシャー方程式による実質利子率と名目利子率、ならびに期待物価上昇率の関係も記述しておきますね💖

なお、今回は静学的な経済分析なので
期待物価上昇率は0となります🙏🏻

定式化による説明は以下の通りです

$$
At  the  Market   Equilibrium\\
Y^S = Y^D = C + I + G …(1)\\  \\
Consumption  Function\\ C=c_0 +c\times{(Y_{income}-T)}…(2)\\   \\
for the formula, (1) and (2)  \\
solving  for  Y^{S=D}\\   \\
Y = c_0 +c\times{(Y-T)} + I + G \\
(1-c)Y = c_0 +I +G -c  T\\    \\
Y= \frac{1}{1-c}\times{[c_0+ I +G -c  T]}…(3)
$$

(3)式は、マクロ経済における財市場の均衡を表す重要な方程式であることをぜひご理解いただきたいです

これは、ケインズが提唱した「45度線分析」というマクロ経済学を理解するうえでファーストステップとなる考え方であることをご理解くださいね💖

図解:ケインズの45度線分析

このような基礎を確認した上で、マクロ経済における市場均衡から「財政乗数」ならびに「租税乗数」を導出することを試みることにします💖
なお、Δという表記は、差分を表していますので、ご留意くださいね

$$
Y= \frac{1}{1-c}\times{[c_0+ I +G -c  T]}…(3)\\     \\
Fiscal  Multiplier:\frac{1}{1-c} \\
if  the  ΔG > 0\\and   other   variables  are  not  changed.\\   \\
\\ from  the  formula(3)\\    \\
ΔY = \frac{1}{1-c} \times{ΔG}…(4)\\    \\
Taxation  Multiplier: \frac{-c}{1-c}\\   \\
the  case  when  ΔT <0 \\    \\from  the  formula(3)\\    \\
ΔY = \frac{-c}{1-c} \times{ΔT}…(5)
$$

(3)式より、財政(政府支出)乗数:(4)ならびに、租税乗数:(5)を導出することに成功しました

ケインズモデルにおける財政政策

以下では、図解を用いながら
ケインズモデルにおける財政政策に効果について解説していくことにしましょう

これは、マクロ経済の基礎理論において
IS-LMモデルと言われることが多いです

縦軸に利子率(r)と財市場と貨幣市場の均衡を
分析し、そこから均衡利子率ならびに均衡
産出量(GDP)を求めていくモデルになります

$$
IS-LM  Model \\
IS  curve: Y= C +I(r)+G…①\\  \\
LM  curve: \frac{M^S}{P}=L^D(\frac{M}{P},i)…②\\    \\
\\at  Equilibrium ①=② \\
Finally, we  get  (Y^*,r^*)
$$

以下の図解を用いて
拡張的財政政策(ΔG>0)の効果
一緒に考察して行きましょう

政府支出が増えることによって
IS曲線①式が右へシフトすることになります

これは、上記で示したケインズの45度線分析より、拡張的財政政策の効果によって所得(Y)が拡大していることより示されます(ΔY>0)

ケインズの45度線による財市場の変化

次に、財政政策の効果が、「財政乗数」を
通して所得の拡大をもたらした結果、貨幣市場にも変化があることを確認します

拡張的財政政策による貨幣市場への波及効果

財政政策の効果によってもたらされた産出量(国民所得)の増加は、取引的動機に基づく
貨幣需要を増加させますから、貨幣需要曲線の右シフトへ繋がるのです(図解②の変化)

しかし、金融政策は実施されていませんから
貨幣供給量(M^S/P)は一定です

したがって、金融市場で、貨幣に対する超過需要が発生することになります

この結果、名目利子率が i1 から i2 へ上昇することになります(図解③の変化)

これら、財市場(ケインズの45度線分析)と金融市場(貨幣市場)の2つを考慮した結果
以下のような図解に議論を展開させることができます

縦軸に、実質利子率(r)、横軸に産出量
(国民所得)であるYを取っていることにご留意くださいね👍

IS-LMモデルによる拡張的財政政策の分析

上記で学習したように、財政乗数による
マクロ経済への乗数効果が作用してIS曲線は
右シフトした結果、一時的にオレンジの点までシフトすることになります

しかしながら、このオレンジの点は
IS-LMモデルにおける均衡点ではありません

なぜならば、金融市場における利子率の上昇は、借入コストの増加となりますから
民間投資のクラウディング・アウトを招くことに繋がります💦

この結果、拡張的な財政政策による
GDPの増加(ΔY)を一部相殺することになってしまう
のです

この結果、最終的な均衡点はE1点になり
均衡利子率(r*1) と均衡産出量(Y*1)が求められるのです👍

しかし、結果としてIS-LMモデルより得られるインプリケーションは、以下のようになります

拡張的財政政策ΔG>0は、乗数効果を通して
国民所得ならびに産出量を増加させることに
大きく貢献しているということですね📝

総需要-総供給モデルによる分析⭐️

次に、IS-LMモデルの一歩先にある発展的な
モデルとして一国経済の総供給の側面を考えたモデルとされる総需要・総供給モデル(AD-ASモデル)について解説することにします😊

このモデルでは、長期的な視点(Long Run:LR)と短期的な視点(Short Run:SR)が考慮されている点が面白いと思います

物価水準が伸縮的な状態である
長期的総供給曲線は垂直となります

逆に、物価が硬直的な状態である
短期的総供給曲線は、水平となります📝

また、長期的に経済で実現される均衡は
「自然水準」と呼ばれ、労働市場においても
完全雇用が実現されている状態です

よって、分析対象となる一国経済に存在する
全てのリソースがフル活用されたときの産出量という事になる点をご理解くださいね

考察の前提として、民間消費の低迷や投資不足の場合にGDPギャップ(Yn-Y0)が生じている状態から経済がスタートするとしましょう
要するに、対象分析となる国の経済情勢は
デフレ状況にあるということですね

経済理論より、民間需要の低迷は
物価水準の低下(デフレ)を招きます

この結果、物価水準の低下が、国民所得の減少もしくはデフレマインドによる消費意欲の減退を通じて、貨幣取引に対する需要減少をもたらすため、貨幣需要曲線が左方向にシフトしてしまいます

デフレ下における金融市場で発生する
貨幣需要&金利の低下

これは、金融市場で貨幣の超過供給が起こっている状態ということですね💦

が発生し利子率が低下することになるのです
この結果、利子率の低下が民間需要を喚起し、一国経済の産出量も増加、経済が完全雇用産出量へ繋がる可能性もありますが👀

このようなデフレ下において経済安定化を図るのは、財政政策による有効需要の創出が
最も効果的である
と私は考えています📝

したがって、利子率低下による投資の増加に繋がる「拡張的財政政策による有効需要の創出」という観点から、総需要・総供給モデルを活用した財政政策の効果を分析します

総需要・総供給モデルにおける
デフレ回復のメカニズム

GDPギャップが発生している時点t=0の状態において、政府が経済の安定化を図るべく
拡張的財政政策を実施したとします

拡張的な財政政策が、短期的なデフレ対策として、あくまで一時的な処方箋のような場合
「ケインズモデルにおける財政政策の効果」と同じく、硬直的な物価のもとで
産出量の増加のみになりますから総需要曲線は、右シフトしてAD0の水準、そして均衡点E1を実現することになります😊

その一方で、長期なスパンで持続する公共事業等の拡張政策が実施されたり
時間が経過し、デフレ対策として実施された
短期的な景気刺激策による効果が
実態経済影響を及ぼすことが認識されたりした結果として総需要曲線は右シフトすることでAD1の水準となります

また、長期総供給曲線AS^LRとの交点E3に到達することになるのです📝

このような長期均衡では物価水準はE1(P1)よりも高くなるのです

この過程P1⇒P2において
物価上昇=インフレが実現されているのです💖

結果、長期的な物価水準はE2(P2)となり
かつてデフレ下で存在していたGDPギャップも解消し、一国経済における完全雇用ならびに
自然率水準での産出量が実現すると考えられているのです

しかし、政府が完全雇用水準を上回る水準まで政府支出や減税策を継続すると、産出量は増えない一方で物価水準は完全雇用物価水準(P2)を上回ることになることがあります
※経済の異様な過熱もしくは、ハイパーインフレの可能性ということですね

財政政策の主たる目的は
経済ならびに物価の安定化です

決して、10%のインフレを引き起こそうとしているわけではないのです
だからこそ、マクロ経済の安定化を実現するためには適切な財政政策手法ならびに意志決定が求められるのです💖


財政政策の効果、ならびにを理解するうえで
マクロ経済学における基礎的な議論になりますがケインズの45度線分析、IS-LMモデル
総需要総供給モデルについて解説しました🌸

ぜひ、これらの知見をベースとして
実際の世の中の経済動向に当てはめて考えていくという応用を効かせて
経済の仕組みを基礎的モデルから
ご理解されることを推奨いたします💗

関連記事のご紹介🔖

付録:私の卒論研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています


決して学部生が楽して執筆できる簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥


本日の解説は以上とします
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように努めてまいりますので、今後とも宜しくお願いします🥺

マガジンのご紹介🔔

こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
国際経済学🌏の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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考え方の引き出しが増えた!
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