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【マーケット分析💹】今週の為替レート、長期金利動向の考察:日経新聞解説📰 2023/07/31


日本経済新聞の記事で
注目したい内容がありましたので
記事にしたいと思います💖

長いですが、目次をご活用いただきまして
どうぞ最後までご覧ください!

〈為替〉円高進行は限定的か(ThisWeek)

 今週の外国為替市場で円相場は上値が重い展開か。前週に日銀が金融政策を修正したことで、1㌦=145円を超えるような円安・ドル高は進みにくくなったとの声は多い。
もっとも相場変動が落ち着けば日米金利差に注目した円売り・ドル買いも入りやすく、方向感が出にくい展開となりそうだ。

 岡三証券の武部力也シニアストラテジストは「日銀の政策修正を受けて米国債利回りが上昇し、ドル高が進みやすくなっている。
日銀の政策修正を受けた円買いも重なり、円・ドル相場は膠着しやすい」と指摘する。8月4日には7月の米雇用統計が発表される。インフレにつながる米雇用情勢の底堅さが再確認されれば、円安・ドル高につながる可能性もある。

 外為市場では日銀が国内長期金利の上昇を抑えるための施策を打つかに注目が集まる。国債買い入れの増額など金利抑制姿勢を強めれば、円安・ドル高が進みそうだ。

2023/07/31 日本経済新聞 朝刊 13ページ

〈金利〉国内10年債、水準探る(ThisWeek)

今週の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは落ち着きどころを探る展開か。
日銀が変動許容幅の上限を事実上1%に引き上げ、前週末28日には長期金利が一時0.575%まで上昇(債券価格は下落)した。

 もっとも、「利回りが上がったところで買いたい投資家が多かった」(野村証券の中島武信チーフ金利ストラテジスト)とみられ、前週末も0.54%まで低下して取引を終えた。
市場参加者の需要動向を見極めるうえで、8月1日に財務省が実施する10年債入札と同2日の日銀の国債買い入れオペに注目が集まる。

 米債券市場では長期金利は4%前後での推移となりそうだ。
日銀の政策修正による日本国債の利回り上昇を受けて、国内勢が米国債から日本国債に資金を移す可能性が意識されている。
前週には2週間ぶりに一時4%を付けたが、4%超では投資家の押し目買いも強まりそうだ。

2023/07/31 日本経済新聞 朝刊 13ページ

記事に対するコメント📝

経済学部を卒業する以上、周囲よりも
金利や為替レートといった
経済のファンダメンタルズについて正しく
理解しておかなくては、経済学部での
知識習得は意味がありません🥲

経済の仕組みや重要な変数の動向を
正しく理解することができれば
きっとビジネスでも活用できる
チャンスが増えると思います

何より金融リテラシーが求められる
時代ですから、このような取り組みは
将来に繋がると信じています

資産価格とマクロ経済の関係性

資産市場は債券や株式などの証券や
銀行預金などさまざまな資産を取引する市場の総称になります

この市場のプレイヤーは投資家と呼ばれてます

個々の資産価格は、投資家の売買によって
決められていますが、その価格は取引の状況によって絶えず変化することになるのです

為替レートの基礎まとめ🌟

日本の通貨は円ですが、海外と財・サービスの取引をする場合、延をそのまま使うことは難しいです

例えば、アメリカで食事をするときは、現地通貨であるドル💵が必要となります
そのためには、円とドルを交換する必要があるのですが、この円とドルとの交換比率が「為替レート」です👍

為替レートは、通貨の交換比率でありますから、自国の通貨を基準にした交換比率と外国の通貨をベースにした交換比率の2種類が存在します

ここで、自国通貨建てレートは、外国通貨1単位と交換される自国通貨の単位数となります

その反対に、外国通貨建てレートは、自国通貨1単位と交換される外国通貨の単位数となるのです
例えば、1ドル=100円は自国通貨建てレートの表記でありますが、同じことを外国通貨建てレートで表記すると、1円=0.01ドルということになるのです

通貨は、外国為替市場で取引されているのですが、株式のように特定の市場が存在するわけではありません

通貨の売買は、中央銀行や民間銀行、海外と取引をする企業などの間で、コンピューターなどを使っていつでも取引できる市場が形成されています
このような市場参加者によって成り立つ市場を、インターバンク市場と呼ぶのです📝

名目為替レート(e)

為替レートには、①名目為替レートと②実質為替レートの2種類の為替レートが存在します

まず、①名目為替レート(e)の定義を確認しましょう
これは、外国(自国)通貨1単位と交換される自国(外国)通貨の単位数であります
この定義を見ると、異なる通貨の交換比率として説明される為替レートは、名目為替レートであるということがわかります

ここで、円安・円高の基礎理解を整理しましょう
例えば、日本とアメリカにおいて、日本にとっての自国通貨建てレートの場合「1ドル=100円」と表現されます

ここで、1ドル=110円になったときは、どうなるでしょうか?
これは、1ドルを手に入れるために100円から110円へと円が必要になっているということです
すなわち、円の価値がドルに対して減価したということで「円安」となるのです📝(円安・ドル高)

対照的に、1ドル=90円になったときはどうなるでしょうか?
1ドルをゲットするために、必要な円が100円から90円になりました
よって、円の価値がドルに対して、増価していると言えますね
すなわち、円高・ドル安ということです📝

名目為替レートの動き:2020年:100

実質為替レート(ε)

名目為替レートに対して、実質為替レートは以下のように定義されます
実質為替レートは、外国(自国)の財1単位と、交換される自国(外国)財の単位数、となります

つまり、名目為替レートが外国と日本の通貨の交換比率であったことに対して、実質為替レートは、外国と日本の財の交換比率を表しているということになるのです

実質実効為替レート指数 2020年=100


名目為替レートと実質為替レートの関係性🌟

以下では、名目為替レートと実質為替レートはどのように関係しているのか、を確認していくことにしましょう

日本の代表的な財バスケットの価格をP¥
アメリカの財バスケットの価格をP$とします
そして、自国通貨建ての名目為替レートを e
実質為替レートを ε と表記することとすると、以下のような関係式が成立します💖

$$
\epsilon=\frac {e\times{P^{\$}}}{P^{\yen}}\cdot\cdpt\cdpt➀
$$

ここで、外国をアメリアとして考えると、上記の➀式は、アメリカ財を一単位売ると、P$(ドル)が手に入ることになります
これを円に交換すると、e×P$(円)になります
したがって、日本の財は、e×P$/P¥ 単位手に入れることができるようになるのです

もし、①式において ε が1より小さいとすれば(ε<1)、日本の財の方が相対的に高いことになります
したがって、アメリカの財1単位は、日本の財1単位よりも少なくしか買えないということになるのです

反対に、εが1よりも大きいのであれば、日本の財の方が、アメリカの財と比べて相対的に安いということになるのです
しがたって、アメリカの財1単位は、日本の財1単位よりも多く買える状態であるのです

このような状況において、裁定取引が働いた結果
長期における為替レートの決定理論として、購買力平価が導かれます

これは、長期的な為替レートの均衡状態において、実質為替レート(ε)は、1に等しくなければならないという「一物一価の法則」が成立していることも示唆しているのです
すなわち、両国の財の価値が等価であるという状態です

$$
Law  of   One  Price\\
\epsilon^* = 1
$$

もしε>1であれば、割安な日本の財だけが、日米両国から需要されますし、ε<1であれば、相対的に割安なアメリカの財だけが、日米両国から需要されるのです
このような状態において、裁定取引が実施された結果として実現するのが、均衡実質為替レート ε*=1なのです

この関係から、均衡名目為替レート(e*)も算出できます

$$
e^*=\frac{P^{\yen}}{P^\$}
$$

したがって、財の移動コストに関わらず、代表的な財バスケットを1種類考えたときに、購買力平価によれば、均衡名目為替レートは両国の物価水準の比で決定されることになるのです🌟


本日の解説は、以上とします📝
名目為替レートにおける円安・円高といったメカニズムを基礎的な理論からご理解
いただくことができれば、経済のファンダメンタルズの動きを理解できますので、もっと世の中への知見を深めることができるのでしょう

ぜひ、これらの知見をベースとして
実際の世の中の経済動向に当てはめて考えていくという応用を効かせ経済の仕組みを基礎的モデルからご理解されることを推奨いたします💗

一緒に毎日インプットする習慣を身につけて、アウトプットの機会をたくさん創出できるように取り組んでいきましょう

関連記事のご紹介🔖

付録:私の卒論研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています

決して学部生が楽して執筆できる簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥


本日の解説は以上とします
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように努めてまいりますので、今後とも宜しくお願いします🥺


マガジンのご紹介🔔

こちらのマガジンにて
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠に有難うございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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今後とも何卒よろしくお願いいたします!

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