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【理論的背景からの考察💖】「The Effects of Japanese Foreign Exchange Intervention: GARCH Estimation and Change Point Detection」:先行研究解説 No.3 2023/09/16


Introduction:卒業論文は早めに仕上げたい💛

私もいよいよ卒業論文の執筆に
取りかかる時期がやって参りました👍

何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました

これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍

論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
卒業論文の進捗は滞ってしまうと思います

だからこそ、この「note」をフル活用して
卒業論文を1%でも
完成に向けて進めていきたいと思います

私の卒論執筆への軌跡を
どうぞご愛読ください📖

今回の参考文献📚

今回、読み進めていく論文は
こちらのURLになります👍

『The Effects of Japanese Foreign Exchange Intervention: GARCH Estimation and Change Point Detection』

Eric Hillebrand Gunther Schnabl Discussion
Paper No.6 October 2003

読み終えた先行研究📚

『日本の為替介入の分析』 伊藤隆敏・著
経済研究 Vol.54 No.2 Apr. 2003

『Effects of the Bank of Japan’s intervention on yen/dollar exchange rate volatility』21 November 2004

Toshiaki Watanabe (a), Kimie Harada
(b)

前回のお復習い🔖


The Effects of Japanese Foreign Exchange Intervention: GARCH Estimation and Change Point Detection

Eric Hillebrand Department of Economics, Louisiana State University

Gunther Schnabl Department of Economics and Business Administration, Tuebingen

2. Theoretical and Empirical Background①

The discussion on the effectiveness of foreign exchange intervention has been focused primarily on so-called sterilized intervention, which neutralizes the effects of official currency purchases on the monetary base and thereby the interest rate. 

Unsterilized intervention, which allows foreign exchange intervention to change the monetary base, is excluded from the discussion because it clearly affects the exchange rate as any other form of monetary policy.

Japan’s foreign exchange intervention can be assumed to be completely and instantaneously sterilized, as is generally the case for the central banks that issue the major international currencies (Federal Reserve, European Central Bank, Bank of Japan).

先行研究より

外国為替介入の有効性に関する議論は、マネタリーベース、ひいては金利に対する公的通貨購入の影響を中和する、いわゆる不胎化介入(Sterilized intervention)に主に焦点が当てられてきました👍

一方、マネタリーベースを変更する為替介入を可能にする非不胎化介入(Unsterilized intervention)は、他の金融政策と同様に為替レートに明らかに影響を与えるため、議論から除外されるはずなのです📝

主要な国際通貨を発行する中央銀行(連邦準備制度、欧州中央銀行、日本銀行)の場合と同様に、日本の為替介入は完全かつ瞬時に不胎化されると想定されているのです

  Since the so-called Jurgensen report (Jurgensen 1983) there has been a broad discussion as to whether sterilized foreign exchange intervention is capable of successfully targeting a certain level of the exchange rate.

The portfolio balance models—based on the assumption that foreign and domestic assets are imperfect substitutes—argued that sterilized intervention can effect the exchange rate by changing the relative supplies and thereby the relative returns of foreign and domestic assets (Rogoff 1984)

先行研究より

いわゆるユルゲンセン報告書(ユルゲンセン 1983)以来、不胎化された為替介入(sterilized foreign exchange intervention)が、レベルの為替レートをターゲットにインパクトを与えることができるかどうか、について広範な議論が行われてきました


外国資産と国内資産は不完全な代替品であるという仮定に基づくポートフォリオバランスモデルよれば、不胎化介入は、外貨の相対的な供給量を変えることで、それによって相対的な海外および国内資産の割合に対する収益率も変化する可能性がある (Rogoff 1984)というメカニズムから「為替レートに影響を与えうる」という主張があります

An empirical test of the portfolio balance model by Dominguez and Frankel (1993) supported this view for Japanese foreign exchange intervention between 1984 and 1990.

More recently Ramaswamy and Samiei (2000) argued that Japanese foreign exchange interventions in the yen/dollar market during the 1990s have been “at least partially effective” and that even sterilized interventions have mattered in the yen/dollar market.

Without examining the transmission channel, an extensive study by Ito (2002) concludes that Japanese foreign exchange intervention under “Mr. Yen” Eisuke Sakakibara have produced the intended effects on the yen/dollar rate during the 1990s.
Fatum and Hutchison (1999) find evidence for successful sterilized foreign exchange intervention of Japanese monetary authorities based on an event study approach.

Based on a broad variety of GARCH estimations Beine and Szafarz (2003) find Japanese foreign exchange intervention successful—in particular if coordinated with the US.

先行研究より

DominguezとFrankel (1993) によるポートフォリオバランスモデルの実証的テストは、1984年から1990年までの日本の為替介入に関するこの見解(=不胎化された為替介入政策がポートフォリオ・バランス・チャネルを通して為替レートに影響を与える)を裏付けています📝

さらに最近では、RamaswamyとSamiei (2000) は、1984年から 1990年にかけての日本の円/ドル市場への外国為替介入に対して次のように主張が述べられています

1990年代は「少なくとも部分的には効果があった」とし、不胎化された介入であっても円/ドル市場では重要な政策であったと結論づけています

為替介入政策による為替レートへの伝達経路(transmission channel)を調査することなく、Ito (2002) による広範な研究では、「ミスター・円」と称されている榊原英資氏の下で実施された1990 年代の日本の為替介入が、円/ドルレートに意図した効果をもたらしましたと結論付けています📝

また、Fatum and Hutchison (1999) は、イベント・スタディ・アプローチに基づいて、日本の金融当局の不胎化された為替介入が成功した証拠を発見しました👍

さまざまなGARCHモデルの推計に基づいて、Beine and Szafarz (2003) は、特に米国の通貨当局と調整した協調介入の場合、日本の為替介入は成功したという研究を残しています

In contrast, Sarno and Taylor (2001) argue that—at least among the currencies of the major industrial countries where capital markets have become increasingly integrated and the degree of substitutability between financial assets has increased—sterilized intervention does not affect exchange rates through the portfolio channel.

According to Dominguez (1998) sterilized foreign exchange intervention is by definition unsuccessful, as it leaves the domestic money supply unchanged.

If the official foreign currency transactions do not affect domestic interest rates—and thus do not trigger adjustments in the international investment portfolios— the intervention volumes are too small in relation to the huge international foreign exchange markets to have a sustained effect.

先行研究より

これまでとの議論とは対照的に、Sarno and Taylor (2001) は、少なくとも資本市場の統合が進み、金融資産間の代替性の程度が高まっている主要先進国の通貨では、不胎化された介入はポートフォリオバランスチャネル全体を通しても為替レートに影響を与えないと主張しているのです💦

また、Dominguez (1998) によれば、不胎化された外国為替介入は、国内の通貨供給量が変わらないままであるため、ポートフォリオ・バランス・モデルの定義上、このインプリケーションを正しく理解することは失敗であるということを主張しています

もし公的な外貨取引が、国内金利に影響を与えない場合、国際的な投資ポートフォリオの調整が引き起こされることはありません
したがって、巨大な国際外国為替市場と比較して介入量が少なすぎるため、為替レートにもたらす持続的な効果が得られなくなるということになるのです💦

本日の解説は、ここまでとします
このような歴史や先行研究をしっかり理解した上で、卒業論文執筆に取り組んでいきたいです

今回、私が卒業論文執筆において取り上げる
24年ぶりの「円安是正」介入は本当にレアな経済政策
ということを再認識できたような気がします💖

私の研究テーマについて🔖

私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝

日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)

経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します

だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています

決して学部生が楽して執筆できる
簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています

ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥

本日の解説は、以上とします📝

今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように
努めてまいりますので
今後とも宜しくお願いします🥺

マガジンのご紹介🔔

こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠に有難うございました!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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