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【ARCH効果の検定🔥】条件付不均一分散ならびに系列相関に対する2つのアプローチ:計量経済学 No.35
今回は、計量経済学:時系列分析におけるGARCH(p,q)の残差に対する検定についてご紹介します
残差二乗にARCH効果があれば、条件付不均一分散が存在し、系列相関が存在してしまうことになります
このような問題が発生するかどうかについて、統計量を用いた検定のアプローチを2つご紹介したいと思います✨
Introduction:計量経済学への挑戦🔥
経済学部に通う私も
いよいよ大学「学部」最終年になり
学問に全力を注ぐ時間も限られてきました👍
「知は力なり」という言葉を信じて
残りの大学生生活を満喫したいと思います
学部レベルのマクロ経済学は
個人的によく理解できたつもりです
しかしながら、本当の経済の動向を理解するには、学部レベルの知識ではお話になりません😥
また、正しい計量経済学の知識やデータ分析のリテラシーを会得しなければなりません💦
現実の経済データを、理論モデルと当てはめ
正しい計量手法によって実証分析できる力を醸成したら
きっと将来どこかで活躍できる人財になれる可能性を高めることに繋がると思います
何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました
これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍
先行研究の論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
学習の進捗は滞ってしまうと思います
だからこそ、この「note」をフル活用して
自分の知識を1%でも、定着させ
誰にでもわかりやすい解説をアウトプットできるように努めていきたいと思います
前回のお復習いはこちらからご確認ください📑
それでは、私がこれからアウトプットする
計量経済学において最重要なパートである
時系列分析のモデル理論解説を
どうぞ最後まで、ご愛読ください📖
条件付不均一分散の有無に関する検定
前回の投稿でも学習したGARCH過程については以下のように定式化されていました
$$
GARCH (p,q) Process\\ \\y_t =a_0 +\beta x_t +\epsilon_t \\\epsilon_t =v_t \sqrt{h_t}\\ \\h_t =\alpha_0 +\alpha_1 \displaystyle\sum_{i=1}^q\alpha_i \epsilon_{t-i}^2 + \displaystyle\sum_{i=1}^p\beta_i h_{t-i}
$$
このモデルにおいて、条件付き不均一分散(Conditional Heteroscedasitic)の存在を確認するには、McLoed and Li (1983)が提案した以下のステップをたどります
ステップ➀
{yt}をARMAモデル(もしくは、回帰モデル)で推定し、残差の2乗を求めます
そして、その残差2乗を持ちて、以下のような標本分散を計算します
$$
\\Step➀\\
Sample Variance \equiv \hat{\sigma}^2=\frac{1}{T}\displaystyle\sum_{t=1}^T\hat{\epsilon_t}^2 \\ \\note,{\hat{ε_t}^2}:Squared Error
$$
ただし、Tは残差の数を表しています📝
ステップ②
次は、この残差2乗の標本自己相関を計算します
$$
Step② \\Sample Autocorrelation\\ \\r_s =\frac{\sum_{t=s+1}^T(\hat{\epsilon_t}^2-\hat{\sigma}^2)(\hat{ε}_{t-s}^2-\hat{\sigma}^2)}{\sum_{t=1}^T(\hat{\epsilon_t}^2-\hat{\sigma}^2)^2 }
$$
ステップ③
ここで、残差の2乗がホワイトノイズならば、標本自己相関の標準誤差は、以下のような値に近似できます
$$
If, \hat{ε_t}^2\backsim White noise\\
\Rightarrow SE of r_s \fallingdotseq T^{-1/2}
$$
ただし、それぞれの標本自己相関の絶対値が、以下の値を超えている場合には、ARCH効果(残差二乗には系列相関が存在する)を示唆しています
$$
case when\\Each of |r_s | > 2T^{-1/2}\\\Rightarrow ARCH effect !!
$$
修正Q統計量を用いたARCH効果の検定
修正Q統計量を用いて、自己相関がグループで0かを検定することが可能です
なお、帰無仮説H0は、残差二乗に系列相関なし、であり、このもとで修正Q統計量は以下のように定式化されます
$$
Q(s)=T(T+2)\displaystyle\sum_{k=1}^s \frac{r_t ^2}{T-k}\\ \\ \\\rho_k :Autocolleration\\H_0 : \rho_1=\rho_2 =\cdots =\rho_s =0\\ \\\Rightarrow Q Statistic \backsim \chi^2 (s) ※s:Degrees of Freedom\\
$$
このQ統計量は、自由度sのカイニ乗分布に従うことがわかります
なお、帰無仮説が棄却されると、誤差項はARCHまたはGARCHモデルで推計されます
ARCH効果に対するラグランジュ検定(LM Test)
また、EngleはARCH効果があるか、どうかを検定するために次のラグランジュ検定(LM Test)を提案しています
残差二乗のLM検定は、次の2段階で実施されます
第一段階では、適当なARMAモデル(回帰モデル)を推定し、残差2乗を求めていきます
そして、第二段階では、この残差2乗を用いて、以下の回帰式を推定します
$$
ARCH LM test\\ \\\hat{ε_t}^2=\alpha_0 +\alpha_1 \hat{ε}_{t-1}^2+\alpha_2 \hat{ε}_{t-2}^2+\cdots +\alpha_q \hat{ε}_{t-q}^2
$$
もし、ARCH効果(残差二乗に系列相関が存在する)が存在しないのであれば、この回帰式の係数αiはすべて0となります
したがって、この回帰式は何の説明力を持たないため、決定係数R^2は低くなります
逆に、ARCH効果があれば、この式は高い説明力を持つため、決定係数は高い値となります
なお、この回帰式のすべての係数が0という帰無仮説のもとで、決定係数R^2 に残差の数であるTをかけた統計量TR^2 は、自由度qのカイニ乗分布に従うことが知られています
もし、この統計量(TR^2)が十分に大きければ、帰無仮説は棄却され、ARCH効果があることになります
逆に、TR^2が小さければ、帰無仮説は採択されるので、ARCH効果はないということになります
なお、サンプル数が小さいときには、回帰式のすべての係数を0としたF検定の方がカイニ乗検定よりも優れていることが知られています
この場合は、F分布表の自由度(q,T-q)からF検定の臨界値を見ればOKです💗
計量経済学モデルの特徴をしっかり理解して、卒業論文を書き進めていきたいと思います💖
本日の解説はここまでとします🔖
なお、本投稿作成における参考文献は以下の通りです
なぜ、計量経済学を学ぶのか??
計量経済学が時系列解析法を「理論なき計測」として退けるところからスタートしたことでよく知られているのです
1930年に創立された計量経済学会の規約第1条では、計量経済学は「理論的数量的アプローチと経験数量的アプローチの統一」と定義されていました📝
また、R・フリッシュによる『エコノメトリカ』創刊の辞では、「統計学、経済学、数学の三者の統合」と定義されているのです👍
このような定義においては、当時のハーバード景気予測に代表される時系列解析法への批判が強く意識されていたとされています
すなわち、それが29年の大恐慌の予測に失敗したのは,経済理論を無視し、 時系列データの形式的な解析のみに終始したからであったということです
今後はそうした「理論なき計測」の立場を退け、「理論に基づく計測」を重視していかなければならない、という見解の重要性が増しています
このような歴史を経て、計量経済学はスタートをきったのでした
そして、何よりマクロ経済変数は
その多くが互いに影響を及ぼし合う相互依存の関係にあり、また過去の変化の影響が持続するという傾向を持ちます
これらの動向を分析したり、将来を予測したりできるようになるためには、計量経済学、ひいては「時系列分析」に対する理論や正しい実証手法への理解が必要不可欠となります
「計量経済学」シリーズの投稿では、こうしたマクロ時系列変数の実証分析に必要な計量理論と手法を習得することを目的とします
これから私がアウトプットする
時系列マクロ経済分析に関する内容について
どうぞ最後までご愛読ください💖
付録:私の卒論研究テーマについて🔖
私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝
日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)
経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します
だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています
決して学部生が楽して執筆できる簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています
ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように努めてまいりますので、宜しくお願いします🥺
おすすめマガジンのご紹介🔔
こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
国際経済学🌏の基礎理論をまとめています
今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚
また、こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです
改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました🍀
だからこそ、ご縁を大切に
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥
最後までご愛読いただき誠に有難うございました!
あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏
この投稿をみてくださった方が
ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば
大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
お気軽にコメント、いいね「スキ」💖
そして、お差し支えなければ
フォロー&シェアをお願いしたいです👍
今後とも何卒よろしくお願いいたします!