【推定値を徹底考察🔥】「Effects of the Bank of Japan’s intervention on yen/dollar exchange rate volatility」:先行研究解説 No.5 2023/08/31
Introduction:卒業論文は早めに仕上げたい💛
私もいよいよ卒業論文の執筆に
取りかかる時期がやって参りました👍
何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました
これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍
論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
卒業論文の進捗は滞ってしまうと思います
だからこそ、この「note」をフル活用して
卒業論文を1%でも
完成に向けて進めていきたいと思います
私の卒論執筆への軌跡を
どうぞご愛読ください📖
今回の参考文献📚
今回、読み進めていく論文は
こちらのURLになります👍
Effects of the Bank of Japan’s intervention on yen/dollar exchange rate volatility
Toshiaki Watanabe (a), Kimie Harada (b)
(a)Faculty of Economics, Tokyo Metropolitan University, 1-1 Minami Ohsawa, Hachioji-shi, Tokyo 192-0397, Japan
(b)Graduate School of International Accounting, Chuo University, 42-8 Honmura-cho, Ichigaya, Shinjuku, Tokyo 162-8473, Japan Received 18 September 2002; revised 13 February 2004 Available online 21 November 2004
読み終えた先行研究📚
『日本の為替介入の分析』 伊藤隆敏・著
経済研究 Vol.54 No.2 Apr. 2003
前回の内容📢
Effects of the Bank of Japan’s intervention on yen/dollar exchange rate volatility
Watanabe, Toshiaki, and Harada, Kimie
3. An analysis based on the GARCH model
前回の投稿では、GARCHモデルの応用ならびに構築したモデルについて解説しました
今回は、このモデルを推定した結果を見ていくことにします
$$
\\
GARCH Model \\ \\r_t=a + b(i_t-i_t^*)+c_1I_t+c_2I_t^*+\epsilon_t\cdot\cdot\cdot(1)\\ \\\epsilon_t=\sqrt{h_t} z_t, z_t\backsim i.i.dN(0,1)\cdot\cdot\cdot(2)\\ \\h_t=ω+\beta h_{t-1}+\alpha\epsilon^2_{t-1}+\theta_1|I_t|+\theta_2|I_t^*|\cdot\cdot\cdot(3)
$$
3.2. Estimation results
GARCHプロセスから構成されるモデルを推定した結果は次のとおりになります👍
(1)~(3) を以下の表2に示していますので、一緒に確認していきましょう
円/ドル為替レートの水準に対する日銀とFRBの介入の影響は、回帰式の係数においてそれぞれc1とc2で表されます📝
もし、c1>0(c2>0)であれば、ドル(円)協調介入がドル(円)高をもたらすという意味で、日銀(FRB)の介入が効果的であることを示唆しています
表2の推計結果より最初の期間(=前半)は、c1の推定値はゼロを大幅に下回っていますが、2番目の期間(=後半)ではゼロを大幅に
上回っていることがわかります📝
この結果より、日銀の介入は1990年代初期
にはその有効性が見出せなかったのですが
1990年代後半から2003年までは
効果があった!ということを示唆しています
<要点整理>
円の水準に対するマイナスの影響は、ドルを
支持するとドルが下落することを示しています
しかしながら、この結果は、介入は
効果的であるものの、その効果が間違った
方向にあることを示しているため、直感的な
解釈による説明ではとはなりません💦
過去の研究結果からも考察すると
Ito(2002)とHillebrand and Schnabl(2003)も、1994年から1995年を含む同様の期間中に同じ効果を得ていますことがわかっています
Ito(2002)によれば"度重なる介入にもかかわらず円高が進行した"ことという、1994年と1995年の介入の失敗は、強すぎる力によるものである可能性があることを示唆しています
またc2の推定値がゼロを大幅に上回っているため、FRB の介入は両方の期間で効果的であるという解釈ができるのです
加えて、日銀とFRBの協調的な同時介入の
総合的な効果は、回帰式の係数において
c1+ c2の和で測定されます
日米同時介入は、最初の期間では
結合係数は -0.2720 < 0であったことより
効果がなかったと解釈されますが
観察期間の後半は、結合係数が 0.7190 > 0であることから介入政策の効果が有効であることが判明しました🌟
また日米翌日物金利差 (it − i*t) については、米国金利と比較して日本の金利が上昇すると
円高につながるため、b < 0 となることが予想されます
なお、b の推定値は負であり理論と整合的と
言えますが、どちらの期間でも統計的に
有意ではないという結果になりました
非常に持続的なボラティリティ・ショック🌟
<要点整理>
次に、式(3)の推定結果に移りたいと思います
円/ドル為替レートの変動に対する日銀とFRBの介入の影響は、θ1とθ2で捉えられることがわかります📝
なお、サンプル期間の前半のθ1の推定値は
プラスですが、この値が重要ではわけではありません
これは、前半では日銀の介入によりボラティリティが増大することを意味しているという解釈になることを心得ておきましょう
ただし、その効果は顕著ではありません💦
逆に、最初の期間のθ2の推定値は
マイナスですが、これもこの符号の意味事態が重要ということではありません
これは、FRBの介入により日々の為替レートにおけるボラティリティが減少しますが
その規模は無視できることを示唆しています
同様に、後半のθ1とθ2の推定値は
統計的に有意ではありません
また、ボラティリティの持続性の程度は、GARCH過程に従うモデルの係数において"α+β"の値で測定できます👍
前半のαとβの推定値の合計は
0.9382と少し低いですが
後半では0.9912となっています📝
これらは、ボラティリティ・ショックが
非常に持続的であることを示していることがわかります
これはGARCHモデルを使用した文献と
一致しているそうですね👍
総じて、ボラティリティに対する介入の効果はそこまで重要ではないということになるのです
本日の解説は、ここまでとします
このような歴史や先行研究をしっかり理解した上で、卒業論文執筆に取り組んでいきたいです
今回、私が卒業論文執筆において取り上げる
24年ぶりの「円安是正」介入は本当にレアな
経済政策ということを再認識できたような気がします💖
私の研究テーマについて🔖
私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝
日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)
経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します
だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています
決して学部生が楽して執筆できる
簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています
ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥
本日の解説は、以上とします📝
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように
努めてまいりますので
今後とも宜しくお願いします🥺
マガジンのご紹介🔔
こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています
今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので何卒よろしくお願い申し上げます📚
最後までご愛読いただき誠に有難うございました!
あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏
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