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【ドル高・元安の進展💵】人民元安に対峙する中国経済の動向と膨らむ懸念💦:日経新聞解説📰 2023/09/15

日本経済新聞の記事で
注目したい内容がありましたので
記事にしたいと思います💖

長いですが、目次をご活用いただきまして
どうぞ最後までご覧ください!


中国人民元15年9カ月ぶり安値 対ドル、米との金利差拡大で 過度な変動阻止へ

 中国の通貨、人民元が約15年9カ月ぶりの安値を更新した。中国人民銀行(中央銀行)は、外貨預金準備率の引き下げなどで過度な元安の阻止に動くが、米ドル上昇の勢いが勝る。
米利上げが打ち止めとなるまで、人民銀と為替市場による我慢比べの攻防が続く見通しだ。

 人民元は売り圧力が高まっている。7日に一時1ドル=7.3294元と約15年9カ月ぶりの安値を更新。8日は日中取引で7.3510元とさらに安値を切り下げる場面があった。

 主な要因は米中金利差の拡大だ。中国と米国の10年物国債(ベンチマーク債)の利回り差は足元で1.57%と、月次ベースで07年1月以来の水準に拡大している。利回り面で米国債の相対的な優位性が高まっており、中国から米国に資金が流れやすい。

 円安と人民元安は構図が似通う。日銀は世界の主要国で唯一マイナス金利政策を続け、中国は景況感の悪化から事実上の政策金利である最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)を引き下げるなど金融緩和姿勢が鮮明となっている。
欧米が2024年も高い政策金利を維持する可能性が高まる中、円と人民元はともに売られやすい地合いとなっている。

 中国の貿易黒字の縮小も元安の一因だ。貿易黒字が減ると、貿易会社が外貨を売って人民元を買う動きが弱まるためだ。輸出の落ち込みが大きく、8月の貿易黒字は4カ月連続で減少した。
UBSの汪濤・首席中国エコノミストは「23年通年の輸出は前年比5%減る見通し」としたうえで、23年末の人民元相場見通しを1ドル=6.95元から7.15元に見直した。

 ドル高・元安は輸出企業にとっては採算改善につながる一方、ドル建て債務が多い企業は返済負担が増す。
経営再建中の中国恒大集団は23年1~6月期決算で41億4000万元(約830億円)の為替差損を計上した。

 一段の元安観測は、富裕層など中国マネーの海外流出を加速させるリスクもあり、人民銀は「人民元の基本的な安定を合理的な均衡水準に保つ」ことを通貨政策の目標としている。

 人民銀は15日から市中銀行から強制的に預かる外貨の預金準備率を6%から4%に下げるほか、毎朝公表する「基準値」の調整で元相場の過度な変動を防ごうとしている。

 人民銀は上海市場での人民元相場の1日あたりの変動幅を基準値から上下2%までとしており、基準値の設定が市場参加者の取引に大きな影響を与えるためだ。
 一方、外貨準備の消耗を回避するため、為替介入には現状では慎重姿勢を続ける。
 今後は8月末に発表した頭金比率の引き下げや、2軒目の住宅ローン金利下限引き下げなどの不動産支援策の効果が焦点となる。
 開源証券の何寧アナリストの試算によると、支援策による「不動産販売面積の押し上げ効果は23年通年で5%」という。国家統計局によると1~7月の販売面積は前年同期比4.3%減で、一定の効果は見込める見通しだ。

 ただ、足元の不動産不況は長期的な人口減少懸念が要因となっており、過去とは様相が異なる。
野村国際の陸挺・中国首席エコノミストは「中国経済の最大のセクターである不動産分野を安定させて初めて中国経済は安定する」と話している。
(上海=土居倫之、佐藤俊簡)

2023/09/09 日本経済新聞 朝刊 11ページ

記事に対するコメント📝

円安と人民元安は構図が似通うという点に私はもっとも着目することが大切なように思いました
なぜならば、国際金融の構図をより理解することができると思うからです

日銀は世界の主要国で唯一マイナス金利政策を続け、中国は景況感の悪化から事実上の政策金利である最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)を引き下げるなど両国に共通するのは、金融緩和姿勢が鮮明となっていることです📝

欧米が2024年も高い政策金利を維持する可能性が高まる中、円と人民元はともに売られやすい地合いとなっていることは、金利平価や投資家の行動を踏まえると理論との整合性があります👏

また、ドル高・元安は中国サイドからの輸出企業にとっては採算改善につながる一方で、ドル建て債務が多い企業は返済負担が増すことになります

「中国経済最大のキーファクターである不動産分野を安定させて、初めて経済の安定化は実現する」という意見も見受けられるなか、今後どのような発展を遂げていくのか、ということから目が離せません
そして、アメリカと中国の間にある日本は、いったいどのようなグローバル経済の潮流に直面していくことになるのでしょうか?

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