【財務諸表 Part③】株主資本変動計算書の作成💹:エッセンシャル会計学 No.41
会計・財務についてもっと学びたい🔥
会計業務や経理、財務、簿記についての基本的な知識を持つことは、ビジネスパーソンにとって重要であると感じています。
今後、定期的に投稿していく【エッセンシャル会計学シリーズ】では、会計業務の重要性から経理や財務の役割まで、私が勉強したことをわかりやすくアウトプットしていきたいと思います🔥
さらに、経理業務の具体的な内容や財務業務の目的、簿記の種類と特徴についても詳しく掘り下げていきたいです💛
そして、日商簿記検定2級合格を最終的な目標として会計学を勉強していきたいと思います!
ビジネスにおける財務情報の管理や経営判断の基盤となる知識を身につけるため、ご一読いただけますと幸いです💖
前回のお復習い📑
株式会社会計 Part①~のお復習い📝
株主資本等変動計算書について📝
株主資本等変動計算書(Statements of Shareholders' Equity:S/S)とは、貸借対照表の純資産の一会計期間の変動を報告するための財務諸表です。
貸借対照表のうち、純資産(特に株主資本)の変動理由は、とても重要な情報です✨
貸借対照表(B/S)だけでは、純資産の変動理由がわかりません。
そのため、以下のような株主資本等変動計算書を作成するのです。
株主資本等変動計算書の3区分
株主資本等変動計算書は、「当期首残高:前期末貸借対照表計上額」、「当期変動額:当期に変動した理由」、「当期末残高:当期末貸借対照表計上額」の3つに区分されます。
ただし、株主資本等変動計算書において「当期首残高」という名称なのですが、その意味は「前期末計上額」ですので要注意です!
当期変動額には、「新株の発行」や「剰余金の配当」など、純資産項目が変動した理由が分かりやすく示されます。
※変動理由の詳細を記載する必要はありません。
株主資本以外の項目の変動理由については以下の通りです。
株主資本等変動計算書では、株主資本の各項目については変動理由を示します。
しかし、 それ以外の項目(その他有価証券評価差額金や非支配株主持分)の変動理由は示しません。
※後日、「連結会計」のパートで非支配株主持分については説明いたします。
よって、単に変動した金額を「株主資本以外の項目の当期変動額(純額)」に示すのみです。
このような処理となる理由は、情報としての有用性が低いためです。
株主は、自分の持分である「株主資本」の変動にしか関心がないのです…
以下では、例題をひとつ演習して「株主資本等変動計算書」について理解を深めていきましょう🔥
次の各資料に基づき、当期の株主資本等変動計算書を作成しなさい。※一部表記を簡便的に表しています🙏
1. 前期末貸借対照表計上額
資本金:500,000円
資本準備金:ゼロ
利益準備金:15,000円
繰越利益剰余金:320,000円
2. 当期中の取引
⑴利益剰余金からの配当40,000円を行った。
また、利益準備金を4,000円積み立てた。
⑵増資を行い、当座預金に400,000円が払い込まれた。
なお、資本金計上額は会社法が定める最低額とする。
3. 当期純利益は240,000円である。
$$
\\解答:株主資本等変動計算書\\ 株主資本\\
\begin{matrix}&資本金&資本剰余金&利益剰余金&利益剰余金\\&資本金&資本準備金&利益準備金&繰越利益剰余金&純資産合計\\
当期首残高&500,000&-&15,000&320,000&835,000\\ \\当期変動額&\\新株の発行&200,000&200,000& & &400,000\\剰余金の配当& & &4,000 &△44,000&△40,000\\当期純利益& & & &240,000& 240,000\\当期変動額合計&200,000&200,000&4,000&196,000&600,000\\ \\当期末残高&700,000&200,000&19,000&516,000&1,435,000\\\end{matrix}
$$
本問における当期変動額に対して、仕訳例題を演習しながら解説していきます。
⑴利益剰余金からの配当40,000円を行った。
また、利益準備金を4,000円積み立てた。
$$
\\当期変動額の仕訳\\(1)利益剰余金からの配当\\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\繰越利益剰余金:440,000&未払配当金:400,000\\&利益準備金:40,000\\ \end{matrix}
$$
⑵増資を行い、当座預金に400,000円が払い込まれた。
なお、資本金計上額は会社法が定める最低額(1/2)とする。
$$
\\当期変動額の仕訳\\(2)増資(新株の発行)\\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\当座預金:400,000&資 本 金:200,000\\&資本準備金:200,000\\ \end{matrix}
$$
問題文に、「資本金計上額は会社法が定める最低額」とありますので、資本金は払込金額の1/2となる点に要注意です💖
このように仕訳をしながら、適切な箇所に金額を記入していけばよいです💖
株主資本等変動計算書(S/S)を作成することもとても大切なことですので、しっかりマスターしていきたいですね!
月次決算特有の処理🌙
日商簿記3級では、減価償却のみが月次決算の対象でした。
しかし、日商簿記2級では減価償却以外の項目も月次決算の対象となります。
以下では、月次決算特有の処理について簡単に説明します。
売上原価対立法(プラスα)
商品売買の会計処理について売上原価対立法を採用している場合には、決算整理仕訳が不要です。
そのため、決算整理手続きが迅速に行えます✨
よって、月次決算を採用している場合、売上原価対立法を採用することがあります。
退職給付引当金の処理👛
通常、退職給付費用は1年分の金額を見積り、その金額を年度末の決算整理仕訳 で計上します。
ただし、月次決算を採用している場合、期首に当期の退職給付費用を見積も ったうえで、その見積額の1/12を毎月の退職給付費用とすることができます。
「退職給付引当金」に関する例題は、以下の通りです✨
当社の会計期間は、4月1日から3月31日であるが、月次決算を行っている。
今、4月の月次決算にあたり、退職給付費用を計上する。
月次決算における退職給付費用は、 年間の見積額を12で除した金額としている。
なお、期首に見積もった当期の退職給 付費用は24,000円である。
$$
\\退職給付引当金の月次計算\\\begin{matrix}\\借方:金額&貸方:金額\\退職給付費用:2,000&退職給付引当金:2,000\\ \end{matrix}
$$
前払費用の処理🔔
前払費用が生じる取引の場合、通常は支出時に費用として処理し、決算整理仕訳において翌期分を前払費用に振り替えます。
しかし、月次決算を採用している場合は、支払時に前払費用を計上しますので、月次決算において前払費用から費用に振り替える処理をします。
なお、この場合、経過勘定の処理はすべて月次の決算整理仕訳で行うため、翌月初の再振替仕訳はありません。
このテーマに関する例題は、以下の通りです。
⑴当社の会計期間は4月1日から3月31日であるが、月次決算を行っている。
4月1日に向こう1年分の家賃36,000円(3,000円/month)を支払った。
⑵4月末の月次決算において、当月分の家賃を費用に振り替えた。
$$
\\解答\\
月次決算を採用している場合の前払費用\\\begin{matrix}\\No.&借方:金額&貸方:金額\\(1)&前払家賃:3,000&現 金:3,000\\(2)&支払家賃:3,000&前払家賃:3,000\\ \end{matrix}
$$
今回のポイントは、以下の2点となります。
まず、①支払額を費用とはせず「前払家賃」勘定で処理すること。
そして、②月次決算において、「前払家賃」勘定から、費用に振り替えること、になります。
補足となりましたが、この論点も財務諸表に関連していますのでしっかりマスターしておきたいですね👍
本日の解説は、ここまでとします。
今後とも何卒よろしくお願いいたします✨
私が考える会計学を学ぶ意義💖
会計知識は、経理や会計士だけが理解していればいいというわけではありません🔥
なぜならば会計は、経理や監査法人の会計士だけではなく、営業や管理職、経営全般まで、会社に所属している全て人にとって必須の知識であると考えているからです!
ほとんどすべての会社は、営利団体であると思われます!
つまり、ボランティアではなく、利益を追求し、事業活動を行い、会社は成長していくことを本質的な目的にしていることでしょう。
私も株式会社に就職を予定している以上、利益の出る仕組み、お金の流れは確実理解をしておく必要があることを自覚しています。
例えば、営業マンだとしても、売上の目標や予算作成に関わることがあると思います!
そして、その予算の仕組みも、売上の処理も、全て会計が関係しているのです。
また、営業の売上は経理が処理をし、会社の利益がいくらになるかを算出していくことになります!
総じて、会計を知ることで、会社にどれほどのインパクトをもたらしているのかを把握でき、予算の作成においても精緻に行えるようになると言えますね💖
また、数字に強くなり、定量的な分析に基づく思考法やビジネスが行えるようになるでしょう。
そして、会計の知識を洗練していけば将来的に経営者の視点を手に入れることができると思いますので、新規プロジェクトにアサインされたり、昇格のきっかけにもなり得るかもしれません🔥
会計の基礎知識である「財務3表の理解」を中心に理解を深め、財務3表とは何か?
これを見て、何をどう判断するのか?などを考えていきたいですよね
この知識があるのとないとでは、今後の仕事の仕方が大きく変わることに間違いはないでしょう。
これからの時代はグローバルに活躍できる人材というのがより一層求められると思います!
私の投稿でも会計の基礎を身に着けるのであれば、英語も交えて知識をつけると、今後ますます活躍できるフィールドが広がっていくと考えていますので、グローバルスタンダードにも挑戦していくことにしましょう🔥
なお、参考資料は以下の通りです。
おすすめマガジンのご紹介🔔
こちらに24卒としての私の就職活動体験記をまとめたマガジンをご紹介させていただきます👍
様々な観点から就職活動について考察していますので、ご一読いただけますと幸いです。
改めて、就職活動は
本当に「ご縁」だと感じました🍀
だからこそ、ご縁を大切に
そして、選んだ道を正解にできるよう
これからも努力していきたいなと思います🔥
今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます📚
最後までご愛読いただき誠に有難うございました!
あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏
この投稿をみてくださった方が
ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば
大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
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