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【焦点はどこ??】日銀政策委員会による金融政策決定会合の内容を推察する:日経新聞解説📰 2023/07/25

日本経済新聞の記事で
注目したい内容がありましたので
記事にしたいと思います💖

長いですが、目次をご活用いただきまして
どうぞ最後までご覧ください!

日銀会合、焦点は金利操作 物価高、伸び率3.2%で米国と逆転/賃上げ、今春交渉で30年ぶり水準

 日銀は27、28日に金融政策決定会合を開く。植田和男総裁の就任後3回目の会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を修正するかが焦点だ。
2022年12月の修正時にみられたイールドカーブ(利回り曲線)のゆがみはほぼ解消した一方、長びく物価高と当時より円安に振れた為替も市場の修正観測につながっている。

 「前提が変わらない限り、全体のストーリーが不変であることは申し上げられる」。
18日、インドで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の終了後、記者団から7月会合での対応を問われた植田総裁は、こう述べた。金利操作修正の有無には直接言及しなかった。

 日銀は昨年12月に長期金利の変動許容幅を拡大した。
当時は日銀による多額の国債買い入れの影響でイールドカーブが大きくゆがんでいた。
内田真一副総裁は7月の日本経済新聞とのインタビューで「緩和の効果が高まる一方、債券市場の機能の面で副作用が大きくなっていた」と変動幅見直しの理由を語っていた。

 政策修正に踏み切った結果、イールドカーブのゆがみは解消している。日銀の調査(5月)でも、債券市場の取引の頻度や円滑さを示す指数はマイナス46と2月調査(マイナス64)から改善した。
ただマイナス圏は続き、政府関係者には「コントロールすること自体が市場機能に影響を与えている」との見方がある。

 修正する場合の具体策は主に①変動許容幅を現在の0.5%程度から1%などに再び拡大(2)操作する金利の対象を現在の10年より短い年限に変更(3)長期金利の誘導目標引き上げ(4)YCC自体の撤廃――が想定されている。

 物価高は12月の修正時より弱まったものの、現在も継続する。総務省が6月発表した5月の消費者物価指数(生鮮食品を除く=コアCPI)は前年同月比3.2%の上昇だった。22年12月(4.0%)を下回るものの、政府・日銀が目標とする2%は22年4月から超えている。
生鮮食品を含めた「総合」では5月の伸び率が6月の米国(3.0%)を逆転した。

 20日には内閣府が23年度の消費者物価の総合指数について、前年度比2.6%の上昇とし、従来見通しから引き上げた。

 日銀は4月時点の展望リポートで23年度を1.8%、24年度を2.0%、25年度を1.6%としていた。
足元では企業がコスト高を商品価格に転嫁する動きが続き、モノだけでなくサービス関連の値上げがみられるようになった。
日銀は23年度の物価見通しを引き上げる公算が大きい。24、25年度も見直すか慎重に検討するとみられる。

 明確に広がったのは賃上げだ。連合の集計結果によると、23年の春季労使交渉での賃上げ率は平均3.58%、中小も3.23%とそれぞれ約30年ぶりの水準だった。
植田総裁も6月の決定会合後に「価格や賃金の設定行動に変化の兆しがみえている」と認めている。

 20日の東京外国為替市場は一時1㌦=139円台で推移し、22年12月に日銀の政策修正を発表した直前の137円台より円安にふれる。
円安は輸入物価上昇から物価高につながる側面がある。政府内には「140円台を超えてくれば、水準としては行き過ぎだ」との見方がある。

 植田総裁は6月の欧州中央銀行(ECB)フォーラムで円相場の水準について「日銀の政策以外のさまざまな要因から影響を受けている」と述べた。ただ金利を低く抑え込むYCCは欧米との金利差拡大につながり、円安を招く側面がある。

 「日銀が否定してもYCCは為替に影響を与える」とみる関係者は多い。ロシア政府がウクライナなどとの黒海穀物合意の停止を表明し、食料価格の上昇懸念が強まる。物価高を助長しかねないYCCを現行通り続けることにもリスクは伴う。日銀は海外の情勢も見極めながら政策修正の是非を慎重に判断することになる。
(小野沢健一)

2023/07/21 日本経済新聞朝刊 8ページ 1581文字

記事に対するコメント📝

日銀は27、28日に金融政策決定会合を開く予定ですので、どのような議論がなされるのか、ということを一緒に考えていきたいと思います

植田和男総裁の就任後3回目の会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を修正するか、が焦点となります

修正する場合の具体策は主に①変動許容幅を現在の0.5%程度から1%などに再び拡大、これは「実質的な金融引き締め」を認識せざるを得ない金融情勢であると思います

(2)操作する金利の対象を現在の10年より短い年限に変更

(3)長期金利の誘導目標引き上げ
これは、将来的な金融引き締めのアナウンス、ということになるので、長期的なマーケット予想などに多少の変化がありそうですよね

(4)YCC自体の撤廃――が想定されていますが、どのような議論がなされるのか、はその本文や議事録などは10年後に開示されることになるのです

私が着目すべきポイントは、やはり為替レートの動きです
20日の東京外国為替市場は一時1㌦=139円台で推移し、22年12月に日銀の政策修正を発表した直前の137円台より円安にふれる、という状況です

また、円安は輸入物価上昇から物価高につながる側面があることは、消費者物価指数のインフレが2%を超えている、という状況から推察されます

政府内には「140円台を超えてくれば
水準としては行き過ぎだ」
との見方があると
いうことは、また為替介入政策が実施される
可能性は0%ではないのです

2023/07/21 8:56 閲覧

金融市場調節方針の変遷

私たちは、現在の金融政策の動向をどのようにしたら、より

かつて日本銀行は、準備預金制度における準備率や、公定歩合を変更することにより、金融の緩和や引締めを実施していました。

その後、1994年(平成6年)に金利自由化が完了し、1995年(平成7年)からは、短期市場金利を誘導するオペレーション(公開市場操作)を通じて金融市場調節を行うようになりました。

特に、1998年(平成10年)以降の金融市場調節方針では、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、平均的にみて○○%前後で推移するよう促す」などと、誘導目標を具体的に定めるようになりました。

このうち、1999年(平成11年)から2000年(平成12年)にかけては、いわゆる「ゼロ金利政策」が実施され、金融市場調節方針は「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、できるだけ低めに推移するよう促す」などとされました。

2001年(平成13年)には、「量的緩和政策」が開始され、金融市場調節の主たる操作目標は、無担保コールレートから日本銀行当座預金残高に変更されました。

この時期の金融市場調節方針は、「日本銀行当座預金残高が○○兆円程度となるよう金融市場調節を行う」などと定められました。
2006年(平成18年)に量的緩和政策が解除されると、金融市場調節の操作目標は、再び無担保コールレート(オーバーナイト物)となりました。

2010年(平成22年)に開始された「包括的な金融緩和政策」のもとでは、金融市場調節方針は「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」と定められました。
加えて、日本銀行は、こうした金利の操作目標とは別に、「資産買入等の基金」を通じて、資金の貸付(固定金利方式の共通担保資金供給オペレーション)および資産の買入れ(長期国債、短期国債、CP、社債、ETF、J−REITなど)を行いました。

2013年(平成25年)には、「量的・質的金融緩和」が開始され、金融市場調節の主たる操作目標は、無担保コールレートからマネタリーベースに変更されました。

金融市場調節方針は、「マネタリーベースが、年間約○○兆円に相当するペースで増加するよう金融市場調節を行う」などと定められました。

また、併せて、資産買入れの方針が定められ、例えば長期国債の買入れについては、「保有残高が年間約○○兆円に相当するペースで増加するよう買入れを行う」などとされたほか、CP、社債、ETF、J−REITなどの買入れも継続されました。

2016年(平成28年)1月に導入された「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとでは、こうした金融市場調節方針や資産買入れ方針が維持されたほか、補完当座預金制度が改正され、政策金利として、日本銀行当座預金のうち「政策金利残高」に-0.1%のマイナス金利を適用することが決定されました。

同年9月の金融政策決定会合において導入された「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」のもとでは、金融市場調節方針は、長短金利の操作についての方針を示すこととなりました。

同会合では、具体的に、短期の政策金利については、「日本銀行当座預金のうち政策金利残高に-0.1%のマイナス金利を適用する」と定められました。

また、長期金利の操作目標について、「10年物国債金利が概ね現状程度(ゼロ%程度)で推移するよう、長期国債の買入れを行う。
買入れ額については、概ね現状程度の買入れペース(保有残高の増加額年間約80 兆円)をめどとしつつ、金利操作方針を実現するよう運営する。」などと定められました。
このほか、CP、社債、ETF、J−REITについては、引き続き、資産買入れ方針が定められています。

2018年(平成30年)7月の金融政策決定会合においては、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の持続性を強化するため、金融市場調節や資産買入れをより弾力的に運営していくための措置が決定されました。

金融市場調節方針や資産買入れ方針は、それまでと基本的に変わっていませんが、例えば、長期金利の操作方針については、「10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、長期国債の買入れを行う。
その際、金利は、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるものとし、買入れ額については、保有残高の増加額年間約80兆円をめどとしつつ、弾力的な買入れを実施する。」と定められました。

2020年(令和2年)4月の金融政策決定会合においては、新型コロナウイルス感染症への対応として、「金融緩和の強化」を決定しました。
その中の措置の一つとして、債券市場流動性が低下しているもとで、政府の緊急経済対策により国債発行が増加することの影響も踏まえ、債券市場の安定を維持し、イールドカーブ全体を低位で安定させる観点から、当面、長期国債、短期国債ともに、さらに積極的な買入れを行うこととしました。
これに伴い、長期金利の操作方針については、「10 年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う。
その際、金利は、経済・物価情勢等に応じて上下にある程度変動しうるものとする。」と定められました。

2021年(令和3年)3月の金融政策決定会合においては、より効果的で持続的な金融緩和を実施していくための点検 [PDF 4,217KB]を行いました。
その結果、2%の「物価安定の目標」を実現するため、持続的な形で、金融緩和を継続していくとともに、経済・物価・金融情勢の変化に対して、躊躇なく、機動的かつ効果的に対応していくことが重要であると判断し、いくつかの政策対応を決定しました。

その中の一つとして、長期金利について、「10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う。」という操作方針のもとで、平素は柔軟なイールドカーブ・コントロールの運営を行うため、その変動幅は±0.25%程度であることを明確化しました。

2022年(令和4年)12月の金融政策決定会合においては、緩和的な金融環境を維持しつつ、市場機能の改善を図り、より円滑にイールドカーブ全体の形成を促していくため、長短金利操作の運用を一部見直すこととしました。
具体的には、「10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債の買入れを行う。」という操作方針を維持したうえで、国債買入れ額を大幅に増やしつつ、長期金利の変動幅を、従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大することなどを決定しました。

https://www.boj.or.jp/about/education/oshiete/seisaku/b42.htm

何事も「主体的に」調べて、理解しようとする姿勢が大切なように思います
始めは、よくわからなくても、何回も知識を繋げるように学習しておけば、きっと理解度も高まってくるはずです💚


日本銀行:歴代総裁の功績

速水氏は、平成10年3月20日に就任されています
1998年(平成10年)以降の金融市場調節方針では、「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、平均的にみて○○%前後で推移するよう促す」などと、誘導目標を具体的に定めるようになったと言えます

このうち、1999年(平成11年)から2000年(平成12年)にかけては、いわゆる「ゼロ金利政策」が実施され、金融市場調節方針は「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、できるだけ低めに推移するよう促す」などとされました
速水氏が総裁の期間に、ゼロ金利政策を実施&開始されたということになると

2001年(平成13年)には、「量的緩和政策」が開始され、金融市場調節の主たる操作目標は、無担保コールレートから日本銀行当座預金残高に変更されました📝

この時期の金融市場調節方針は、「日本銀行当座預金残高が○○兆円程度となるよう金融市場調節を行う」などと定められました
速水総裁は、かなり積極的に金融政策を実施したり、その施策を調整することによってマクロ経済にインパクトを与えようと尽力されたと思いますね📝

福井総裁は、平成15年3月20日から着任しています
2006年(平成18年)に量的緩和政策が解除されると、金融市場調節の操作目標は
再び無担保コールレート(オーバーナイト物)となりました

この時代、前総裁が実施した量的緩和政策が
解除されるといったことから
非伝統的金融政策から、金利を操作するような伝統的金融政策に転換した時期であったような気がします

第30代、白川総裁は平成20年4月9日に着任しています📝

2010年(平成22年)に開始された「包括的な金融緩和政策」のもとでは、金融市場調節方針は「無担保コールレート(オーバーナイト物)を、0~0.1%程度で推移するよう促す」と定められました

加えて、日本銀行は、こうした金利の操作目標とは別に、「資産買入等の基金」を通じて
資金の貸付(固定金利方式の共通担保資金供給オペレーション)および資産の買入れ(長期国債、短期国債、CP、社債、ETF、J−REITなど)を行いました

これらの政策は、白川総裁の期間に実施されたということになるのです

2013年(平成25年)には「量的・質的金融緩和」が開始され、金融市場調節の主たる操作目標は、無担保コールレートからマネタリーベースに変更されました
再び、非伝統的金融政策の領域へと転換していく時期であったように思いますね📝

皆さんがご存じだと思われる、黒田総裁は、平成25年3月20日~10年間日本銀行でお勤めになりました💚

黒田総裁の期間で、最も重要な施策はマイナス金利政策ではないでしょうか?

2016年(平成28年)1月に導入された「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」のもとでは、こうした金融市場調節方針や資産買入れ
方針が維持されたほか、補完当座預金制度

改正され、政策金利として、日本銀行当座預金のうち「政策金利残高」に-0.1%のマイナス
金利を適用することが決定されました📝
ここは、きっと期末試験で出題されると思います😂

また、2018年(平成30年)7月の金融政策決定会合においては、「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の持続性を強化するため
金融市場調節や資産買入れをより弾力的に運営していくための措置が決定されたのです

しかしこのようななかで新型コロナウイルス感染拡大という未曾有の出来事が襲いかかります

また、ロシアーウクライナ紛争が勃発することで、世界経済情勢が乱れるなど
かなり政策意思決定が難航するような時期であったと思われます🥲


2020年(令和2年)4月の金融政策決定会合においては、新型コロナウイルス感染症への対応として、「金融緩和の強化」を決定されました

そして、2022年(令和4年)12月の金融政策決定会合においては、緩和的な金融環境を維持しつつ、市場機能の改善を図り
より円滑にイールドカーブ全体の形成を促していくため、長短金利操作の運用を一部見直すことが実施され、長期金利の変動幅を、従来の「±0.25%程度」から「±0.5%程度」に拡大するなどYYCの点検がなされました

このような歴史をたどるなかで
植田総裁を始めとする日銀政策委員会がどのような意志決定を行っていくのか、非常に着目すべきポイントなのかもしれませんね💚

実態経済が回復してきたとき、非伝統的金融政策から政策金利を操作するような伝統的金融政策へとシフトチェンジするときの「出口戦略」への対応が肝心となります

今後の金融政策ならびに日本経済は
どのような方向へと進んで行くのでしょうか?

マガジンのご紹介🔔

こちらのマガジンにて
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています

今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚

最後までご愛読いただき誠に有難うございます!

あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏

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