読書感想:ワークマン式「しない経営」
ワークマン式「しない経営」(土屋哲雄、ダイヤモンド社)なる書籍を読んでみた。
ワークマンは、大手企業が参入して来ず、かつ、自社の規模や強みが発揮できる市場で戦う戦略をとっているとのこと。※1 高機能品を低価格で顧客に提供できるケイパビリティがワークマンにあったから、新たに切り開けた新市場(低価格高機能のアウトドア市場)なのだろう。
戦略で秀逸だと感じたのは、本のタイトルからも匂いたつ「捨てること」を徹底していることだ。マイケル・E・ポーターは、
「戦略とは捨てることである」
と言ってるけど、言うは易し行うは難し。「捨てること」はめちゃくちゃ決断力が必要。私のような凡人にはとてもできない。管理する側に回ると、業績伸ばすためにノルマの設定や短期目標設定なんかは設定したくなるはず。なのに、こんなことをワークマンは意図的にやってないらしい。(つまり捨てている。)「捨てること」を一貫して実行できているのがワークマンの本当の強みなのかな?とも思ったり。
そのほかにも、ワークマンが実践した市場分析からの新市場へのポジショニング、サプライチェーンマネジメント、さらには、チェンジマネジメントのエッセンスが書かれていて、とても参考になった。
次の図は、三谷宏治教授の「重要思考」※2と「As-Is To‐Be」を組み合わせて、ワークマンの変遷を分析したもの。
こんな感じかなぁ。他社と比べてコスト構造がどうなっているかとか、それぞれの打ち手がどの程度インパクトのある差なのかについて、定量的に分析できてません(まだまだ甘い)が、これはまた次の機会に。
と今日も徒然なるままに書いてみました。
※1 大手企業が参入してこないという意味ではニッチ戦略といってもいいのだろうか。同書56ページでは、低価格高機能のアウトドア市場について、「実際には、4000億円の「隙間とは言えない規模の市場」だった(知っていたら、自社の実力と市場規模を考え、参入を躊躇した可能性がある)」と述べられている。
※2 (https://www.youtube.com/watch?v=qCTSO1tsDyY)8:30あたりから。「重み✖差=インパクト 相手にとってダイジなところで差があるから凄いのだ ダイジでなければどうでもいい」
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