20年で変わる私達、変わらない私達
親友から珍しく電話がきた
お互い色んな経験を経て、
今は地元を離れている私と、地元に戻った彼女
私は彼女のことを家族のように大切に思っているが、思っているからこそ、帰省する時に連絡をして会うくらい
普段からマメに連絡を取り合ったりはしない
数年前、彼女が知らない間に入籍していたことを知った時にはさすがに驚いたが(報告しろ!祝わせてくれ!)
それぐらい表向きはアッサリと、心の中では常に愛し合っている不思議な関係
そんな彼女から珍しく連絡がきた
絶対何かあったやん。と思いつつ電話を取る
案の定、低めのトーンでちょっと相談〜から始まった
私は東洋医学の思想が好きで、普段からその類の発信をしている
別ルートから東洋医学に興味を持った彼女は、
こういう時どうしてる?と
”答えを求める”というよりは、自分以外の人間はどうしているのか、を知りたくて私に連絡をくれたらしい
色々話を聞きながら私はとにかく
「相手に合わすより自分がどうしたいか」とか
「幸せは自分で選択する」とか
私自身が日頃意識している事を話した
だから、私が今言ってることも別に興味がなければ試さなくていい、と
そんなこんなで、「パートナーとの暮らし」「ホルモンに心を乱される」「職場での気まずい出来事」の3本立てで
”お年頃の女子あるあるトーク”を3時間ほど
彼女は少しスッキリした様子で電話を切った
久しぶりにゆっくり話せて楽しかったな。と思いながら私の頭に浮かんできたのは
高校時代、彼女に初めての彼氏ができた時の出来事
「彼の方からアプローチされて付き合ったものの
なかなかキスする気持ちになれない。
彼の優しさに甘えてるけど、少しプレッシャーやねん」みたいな話だったと思う
3人グループで仲が良かった私達
もう1人の友人は
「気持ちが追いついた時でいいと思うで〜」と優しく言う
でも、私は「そんな待たせて、彼がかわいそうやん」的な事を言って彼女を困らせて泣かせてしまった
本心であったとしても、意地悪な言い方をしてしまった
そんなバツの悪い感覚が、今も体に染みついている
今思えばとてつもなく甘酸っぱい悩み
35歳の私たちはお金を払ってでも味わいたいくらいウキウキする悩み
それでも当時の私達には恋愛のあれこれが、他の全てを差し置いて最重要事項だった
そんな彼女に
「相手に合わせるより自分の気持ちを大切に」とか言ってる今の私
20年近くも経つと180°全く意見が変わることもあるのだ
東洋医学では人間も自然の一部と考える
季節のように人生も流れる
春のような青春時代を過ごした16歳の私たちと
秋に向かって落ち着き始めている35歳の私たち
変わらない方が不自然なのだ
それでも変わらず、相談してくれる彼女と私の関係は
どんなに季節が流れても、多分ずっと変わらないだろうと思う
そう、変わらないものもある
それもまた自然界における遺産のようなもので
これからも大切に守っていきたい
キスに関して、今の私の意見は
「自然の流れに身を任せて」
20年後はまた違ったことを言うのかもしれない