LiLiCoさん「健康とはちゃんと生きること。1分たりとも無駄にしない」
キラキラ輝く大きな瞳、知性と愛に満ちた言葉の数々、周囲の人を元気にするビッグスマイル。いつだって裏表のない「LiLiCoらしさ」は、今回のインタビューでも健在です。
読むだけであなたもきっと元気になる、そんなLiLiCoさんのパワフルトークをお届けします。
さて、LiLiCoさんにとっての「健康」とは?
最善を尽くして生きる
それが私の「健康」
健康について話してくださいと言われましたが、私、健康って体のことだけじゃないと思うんです。最善を尽くして仕事をすること、さまざまな人とご縁がつながること、その日食べたいものを食べること、ストレスから1秒でも早く抜け出すこと、自分の中にある幸せに気づくこと……。
そういうこと全部が「健康」なのだと思っているんです。
私はスウェーデン人の父と日本人の母の間に生まれました。日本のアイドル歌手にあこがれて、18歳のときに祖母を頼って来日。芸能事務所に入ったけれど全然売れず、ホームレスになった時期もあります。だから、今手にした仕事を本当に大事にしています。
私、めちゃくちゃ働いていますよ。起きた瞬間から寝る直前まで、最低18時間フルで働いています。映画宣伝会社との連絡もヘアメイクもスタイリングも、基本は全部自分で。
テレビ収録や雑誌の取材の合間に映画を何本も見て、家に帰ったら料理、掃除、洗濯。家事は100%私が担当なので、家でも動きっぱなし。去年の夏に買ったソファに、ちゃんと座れたのは年が明けてから。それでも家にいるのが一番リラックスするので、食事も自分で作ります。
親しい人には「LiLiCoの1日って本当に24時間?」って聞かれますが、24時間です(笑)。1分たりとも無駄にしていないだけ。
更年期とひざのけが
つらくても今は我慢
そんな私ですが、実はバリバリの更年期です。この3年間はホットフラッシュに苦しめられました。生理も「もう終わったかな?」と思っていると「えぇ?いまぁ?」みたいなタイミングでやってくる。ミュージカルの初日とかにね。
でも専門家の方に「更年期は単に期間のこと。だからいつか必ず終わるんです」って言われて納得しました。その期間が終わるまで粛々と待つ覚悟です。
更年期よりもっとキツいのは、2年半前に転んで骨折してひざの皿を割ったこと。完治はしないそうです。「大丈夫?」って聞かれますが、全然大丈夫じゃない。
口は動くので仕事はできるけれど、プロレスは引退、大好きなスポーツも全部奪われました。この前2年半ぶりにジョギングしてみたら、最初の1歩でひざから崩れました。全然治っていません。
しかも、今までは週8日(夜7回、昼1回)お酒を飲んでも肝臓ピッカピカだったんですが、最近の健康診断で脂肪肝と診断されました。運動不足のせいですね。お酒は週1回にし、カテキンの錠剤と、水溶性食物繊維の多い「藻茶(もちゃ)」を毎日飲んでいます。あとはウォーキングから運動習慣を取り戻していくつもりです。
落ち込みましたけど、できることからやっていきます。健康って、ちゃんと生きることだから。
「できない」のではなく「やらない」だけです
以前、オノ・ヨーコさんにインタビューさせていただいたとき、彼女はこう言いました。
「私、やりたいことがたくさんあるのよ。あと50年かかるわ」って。
そのとき彼女は75歳。昔は「無理じゃん」って思ったけど、彼女はそう思っていない。世界を駆けまわり、したいことを全部やろうとしていました。カッコイイです。健康です。
あなたには、やりたいことがありますか?「あるけど、自分には無理」「年だし」「今さら」って言い訳してませんか?それは年齢のせいでも能力のせいでもない。やらないことを、自分で選んでいるだけのこと。やりたいなら、やればいいんです。
「途中で挫折したら恥ずかしい」と思う必要もない。それは挫折じゃなく、したいことが変わっただけ。
日本人は周囲にどう見られるか、気にし過ぎていると思います。私なんて何度「その顔は朝の番組の顔じゃない」と言われたことか。でも今、出演する番組はほとんど朝です。他人の意見なんて何の役にも立ちません。
したいことができないなら、とりあえず何か始めましょう。私も歌手を目指していたのに映画コメンテーターになりました。そこで努力していたら、50歳でミュージカルの仕事がやってきた。人がご縁をつないでくれるんです。
幸運もラッキーも全部あなたの中にある
私ね、無駄話って本当に大事だと思うんですよ。そこから新しい仕事が生まれたり、別の人とのご縁がつながったり。黙っていたら誰にも気づかれないけれど、話せば誰かが覚えていてくれて、何かの拍子に縁をつないでくれる。
だから、できるだけたくさんの人に会います。特に会いたいのは人生の先輩方です。私には90代の友人が何人かいて、みんなカッコイイの。すてきな人の話を聞いて、いい映画を見て、全部ちゃんと消化して自分の栄養にしていきたいですね。
私ね、結婚したとき「幸せそうですね」って何度も言われたんですが、結婚する前から私はずっと幸せなんです。幸せもラッキーもすべての人は全部持っています。あとはそれを引き出すだけ。
花見と同じですよ。桜は日本中どこにでも咲いていて、通勤途中の電車の窓からでも、スーパーの前の道端でも花見はできる。足を止めて「ああ、美しいなぁ。幸せだなぁ」って感じられるかどうかの違いなんです。
あとね、幸せを感じたらそれを誰かに話しましょう。幸せは伝染します。あなたも「歩くパワースポット」になれますよ(笑)
LiLiCoさんの癒やしタイム
LiLiCoさんおすすめ映画
「また、あなたとブッククラブで」
個性的で魅力的なオバちゃん4人がセクシーな小説を読み始めるところから物語が始まります。何歳になっても恋はすてきだし、キラキラ輝くんだなぁってうれしくなります。豪華な女優陣にも、室内のインテリアにもときめきます。
「アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生」
「年相応のファッション」って何?何歳だって好きな服を着ればいいじゃない?この映画を見れば「よし、自分も好きなことをして生きていう!」って前向きになれます。みんな背すじがシャンとしていて、見習いたいですね。
■Profile/LiLiCo(りりこ)さん
1970年生まれ。スウェーデンストックホルム出身。18歳のとき単身で来日。演歌歌手の下積み時代を経て、2001年『王様のブランチ』の映画コメンテーターに大抜擢。以来、マルチタレントとして幅広く活躍する。14年からプロレスラーとしても活動するが、ひざのけがが原因で22年に引退。17年には純烈(当時)の小田井涼平さんと結婚して話題に。
撮影/松木 潤(主婦の友社)
取材・文/神 素子
本記事は『健康』2023年4月号を転載したものです。年齢などは取材時点のものです。
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