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5歳のころ乗ってる車が爆発しそうになった話(エッセイ)


 わたしが5歳ぐらいの頃、父が腕を骨折してしまい、手術•入院をすることになった。
骨折の原因は多分趣味の草野球で、外野フライ取り損ねてボールが腕に当たったとかだったと思う。(うろ覚え)


 そんなある日、
 父の見舞いのため、ペーパードライバーの母が父の車でわたしと兄(8歳くらい)を連れて父の元へ訪れた。


 父がどんな状態だったかは正直全然覚えていないが、包帯巻いててなんか痛そうだった気がする。
ある程度雑談したあと、そろそろ帰るね〜と会話したのは覚えている。我が家族にしては微笑ましい会話をしている。

 本題はここからだ。

 見舞いが終わり、あとはもう自宅に帰るだけ。 

 しかし、車のガソリンが少なかったので、途中、ガソリンスタンドに寄ることになった。


↓以下、あとから聞いたガソスタの従業員と母の会話


ガソスタのあんちゃん「お客さん!!!!お客さんの車の給油口のキャップついてないみたいです!!!!!」

母「え??????????」

ガソスタのあんちゃん「給油口のキャップをしないまま車を走らせると爆発する可能性があります!!!満タンまで入れると危ないんで半分ぐらいにしときますね!!!」

母「え??????????????」


といった会話があったらしい。

 ツッコミどころしかない。

 給油口のキャップが無いとかそんなことある?????????なんなん?????

 そんなこんなで、ガソスタから自宅まで20分。20分のデスドライブが始まったのである。


 母は取り敢えず、車が爆発するかもしれないという旨をわたしと兄に話してくれたのだが、わたしは5歳ということもあり、爆発=死の概念をまっっっったく理解できなかった。
 なんなら死の重みがわからず、爆発という単語を聞いてちょっとワクワクしてテンション上がってた気がする。

 兄は8歳だったため、なんとなく死の概念を理解していたようで泣きながら母にしきりに、

「なあなあもし爆発したらみんな死ぬん???」

と壊れたラジオのように延々と母に質問していた。無理もない。
 ただでさえペーパードライバーで車の運転に慣れてないのに、2人の子どもを乗せた車が爆発の危機に瀕している。(しかも子どもは片方は騒ぎ、もう片方は泣き叫んでいる)

 普通に地獄絵図である。

 母はもはやガンギマリ状態で車を運転していたそうだ。大人になってから考えると、本当に母がかわいそう。あのとき助手席から見えた母の表情は

 ゼロシコの安室さんばりだったと思う。

↑助手席から見えたガンギマリマム

 


 結果からいうと、車は爆発せずに無事に自宅まで辿り着くことができた。本当にまーーーじで生きててよかった。

 のちに父は母から給油口のキャップの件でガン詰めされるのはまた別の話。
 これ以降、人生で爆死の危機に瀕することはいまだにない(ないと信じたい)。

 そして車を運転するようになった今、わたしは給油口のキャップに対して畏敬の念を感じている。いや、でも車種によると思うが、大体は給油口の蓋とキャップが繋がってるはずなのに、まじでなんで父はキャップを無くしたのだろうか??????本当にいまだに謎である。

 もし、この話を読んでいる人がいたら、くれぐれも給油口のキャップを無くさないように気をつけて欲しい。


 よいカーライフを!!!!!



終わり

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