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【一般向け】体幹トレーニングについて考える


当ブログへ訪問していただきありがとうございます。

福岡県で理学療法士をしてますkenkenです*

日々のちょっとした疑問や曖昧なことに、"しっかりと向き合い"皆さんにとって有益な情報発信ができるようにお役にたてればと思います。


本日は、テレビや雑誌、ニュースなどでよく特集される「体幹トレーニング」について、溢れる情報を整理し基本的な内容を見直しながら、まとめていきたいと思います。


はじめに

まず、「体幹トレーニング」と聞いたら皆さん何をイメージされますか。


こんな感じですか。



それともこんな感じ。。


なんとなく四つ這いで手足をあげたり、腹筋をしたりと、身体の中心を鍛えるようなイメージではないでしょうか。


それでは、以下に体幹についての基本事項とトレーニングについての紹介をしていきたいと思います。

🔲 体幹とは

・解剖学的には頭部と手足を除いた胴体部分のことを言います。

・脊柱(頸椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨)、胸郭(肋骨や肩甲骨)、骨盤(寛骨)をまとめて指す場合が一般的です。


身体の場所でみると、鍛える部位は自体は当たっていそうですね。


ですが、体幹本来の機能を考えたときには、

「鍛える 🟰 筋肉をつける(固くする)」と一概に捉えてしまうと、動きの滑らかさや柔軟性の少ない身体となる可能性が考えられます。


🔲 体幹の機能

《体幹の3つの機能》

①内蔵を所定の位置に収める

②身体を安定させる(姿勢保持)

③身体を動かす(運動)

   などがあります。


特に、動作を行う際に土台となる体幹が安定しない状態では、上下肢(手足)を思うように動かすことができません。


また、体幹が不安定な状態にあると、その上には頭も乗っかっているため、上半身全体がふらふらし、それを支える足腰にも負担が大きく、疲れやすさや痛みを引き起こす可能性があります。


一見矛盾しているようにも聞こえますが、体幹筋を鍛えて(固くして)安定させるのではなく、「身体の中心を安定させるように鍛える」ことが滑らかな動きを作りだす土台となるといえそうです。


では、「身体の中心を安定させるように鍛える」とは一体どんなことをすればよいのでしょうか。

🔲 筋肉の特性

筋肉には、たくさんの種類があり、その体表に近いところから表層筋(インナーマッスル)、深いところを深層筋(アウターマッスル)と呼びます。

その機能を簡単に説明すると、表層筋は主に身体を大きく動かすときに働き、深層筋は身体を支える働きをしています。



左から右の順で、腹筋群の表層から深層を図で示しています。

筋肉の特性上、姿勢保持筋としての機能を高めたい場合には、インナーマッスル(深層筋)を鍛える必要があります。

ここで言うと、腹横筋がインナーマッスルに該当します。

🔲 体幹のインナーマッスルを構成するもの


体幹のインナーマッスルは、腹横筋だけでなく全部で4つあります。
※インナーマッスルは体幹だけでなく、上肢や下肢にもあります(今回は体幹に着目)

《体幹のインナーマッスル》
・横隔膜
・腹横筋
・多裂筋
・骨盤底筋

見てお分かりになるように、上記4つのインナーマッスルは胸郭と骨盤を上下・前後・左右で挟み込むように繋がっています。

その挟み込まれている部分を「腹腔」といって、体幹の機能のところでもお話したように、内臓を所定の位置に収める役割を果たしています。


 ここから体幹トレーニングの本質について、さらに考えていきたいところになりますが、、

その「腹腔」には、骨がなく体壁や筋肉が内臓や身体を支えています。

つまり、体幹のインナーマッスル(横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋)によって囲まれ、内臓を支えるために腹圧を高めることで脊椎を支えています。


🔲 腹圧について


正しくは「腹腔内圧」と言い、腹部内部にかかる圧で腹部の安定には非常に重要な機能です。

イメージはお腹の圧が風船だとすると、空気がたくさん入っている場合が腹圧がかかっている状態です。反対に空気が少ない場合は、体の重さを支持できずに傾いたり、ぐらぐらしてしまいます。



🔲 腹圧が低下する要因


加齢、日常的な不良姿勢、仕事などのストレス、身体への外傷、病気や怪我、手術歴など

腹圧の低い姿勢が日常的に繰り返されると、
身体全体のバランスが崩れてしまい、関節や筋肉に偏ったストレスをかけたり、痛みを引き起こしたりとパフォーマンスが低下する要因となることもあります。


それでは、腹圧を高めるためにできるトレーニングはどのようなものがあるでしょうか?


さきほど、体幹のインナーマッスル(横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋)によって腹腔が囲まれ、内臓を支えるために腹圧を高めると述べました。


一般的な体幹トレーニングでは、「ドローイン」といって以下の内容が一般的です。



このような内容を見たり、指導を受けたりすることが多いのではないでしょうか?


この場合は、腹横筋をターゲットにしておりますが、単にお腹をへこませても横隔膜や骨盤底筋群などの力が弱ければ、弱いところから圧力が抜けて腹腔内圧が高まりにくいことが考えられます


今回は腹圧トレーニングの一例だけ紹介して、長文ブログの〆とさせていただきたいと思います。

🔲 腹圧向上トレーニング


《ブレーシング》
お腹を膨らませて体幹を安定させる運動で、お腹周りの筋肉全体を働かせて腹腔内圧(IAP)を高めることができます。

(方法)
①仰向けになり、膝を立てる。

②息を吸いお腹の中で風船を膨らませるようなイメージで腹部をふくらませる。

③お腹がしぼまないように呼吸をする。
💡ここがPOINT💡
 360度膨らませるイメージで行うと効果的です。

④ブレーシングをしながら腹筋に力を入れることで腹圧が高まる。
※肋骨が開かないように閉じるイメージ

おわりに

本日は体幹トレーニングについての情報を整理し、優先順位や意味を考えながら、本質的な内容について考えてみました。

大きく激しい運動は一見すると効いている感じもしますが、基本的なドローインに加えてブレーシングといった腹腔内圧(腹圧)を高めるトレーニングの重要性について少しでも理解が進んでいただけると幸いです。


皆さんの日常生活に少しでもお役にたてたら光栄です🦥🍃

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