小説【ツイン・プログラミング】その5「ニコのキラとの共同作業」
登場人物紹介
沢渡ニコ:とりあえず簡単なJavaScriptまでなら書けそうなところまで来た。成績優秀なのは妹の方だけど飲み込みの早さは?
沢渡キラ:ただレンタルサーバーを借りてアップするだけじゃつまらないと思って、クラウドを学習中。さすがにこれは毎月の自分のお小遣いで出している。
この少子化の時代、意外と双子の小学生なんてパターンもそれほど多いわけじゃないかもしれない。
じゃあ、最初は、ツインズのちょっとした自己紹介サイトを作るなんてのはどうかしら?
まだWebプログラミングを初めて日数もわずかだし、ましてやキラが担当するサーバーやネットワークなんてところも、わたしにはわからない。
ましてやそれがいいかどうかなんてわからない。他人というか、世界中に自分たちの情報を載せるなんて! SNSのプロフィール欄や投稿で知りたくない部分を隠したりするのとは意味合いが違ってくるのだ。
むしろ、自分をさらけ出してお知らせするのが、とりあえずの目標だ。
わたしは早速取り掛かった。
やっていくうちに、Webの世界の奥の深さを、入り口付近で知らされることになる。
例えば、モーダルウインドウ。
人によって作り方や信念は違ってくるだろうけれど、JavaScriptやJQueryで書くのではなく、CSSで書くやり方の方がわたしはクールだと思う。テキストを中に包み込んだやり方で書くと、サイトの重さとかも変わってくるだろうし、何よりフロント言語に依存しない分スムーズだ。
問題は、お問い合わせフォームとかかな……こればっかりは、本当はサーバサイドの知識を持ってフォームを作りたいところだけれど、仕方ないからベンギジョウ、形だけ用意するしかない。
わたしは用意した。主にCSSを使って、必要なアニメーションや動きをつけるところだけJavaScriptを用いて、自己紹介サイトを。
本を見ながらやったから、おおよそ1週間くらいかかったと思う。学校へ行きながら、お友達ともゲームとも遊ぶ時間も無くして、空いた時間はサイト作りに専念した。
その甲斐あって、ローカルに自己紹介サイトを作り上げることはできた。
画像なんかは、これまでわたしたちがスマホで撮ってきた景色や自撮りを用いて、載せた。
さすがに自分やキラの画像を載せるのは正直勇気のいる行動だったけれど……でも大丈夫よね。立派なポートフォリオ第一弾のつもりなんだから。
さて、キラの方の進捗はどうなっているかしら?
続く