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小説【ツイン・プログラミング】その3「ニコのはじめてのHTML」
登場人物紹介
・沢渡ニコ:夢はお洒落なWebエンジニア。目指すのはデザイナーではなくあくまでプログラミング"も"行える人らしい。
・沢渡キラ:インフラ面だけに興味を絞るのは味気ないことに気がつく、年齢通りおしゃまで好奇心旺盛な一面も。
ママに頼んで買ってもらった本。
HTML・CSSとJavaScriptの2冊。
これをクシして今からでも立派なWebエンジニアになるんだ!
話に聞くと、Webエンジニアには、見た目やデザインやユーザーのいじるポイントを作るのがフロントエンドエンジニア、逆にユーザーから見えない例えば会員登録やログインシステムとかを作る人をバックエンドエンジニアというらしい。
わたしがやりたい分野はもう決まってる。フロントエンドエンジニアだ。
綺麗なデザインにも興味があるし、お客さんに見てもらう部分を工夫して作り上げて素敵なサイトをオヒロメするのは、考えただけでもワクワクしちゃう!
そのためには、JavaScriptっていう言語を最初にやろうとしたけど、まずはマークアップつまりHTML・CSSが出来るようにならないと理解できないらしい。と言うわけで、ママにJavaScriptの本以外にもう一冊買ってもらったってわけ。
早速、お部屋の中でHTMLでテキストエディタに書くために本を開こうと思ったら、キラが話しかけてきた。キラとは共同のお部屋なの。
「なに? どうしたの、キラ」
「いえ……わたし今、ママに買ってもらった本を読んでPythonっていうプログラミングをしているのですけど、拡張子が.htmlのページが出てきたのですよ。それで、悪いんですけど、HTMLのことを知りたいと思って、そのニコの持っている本を貸してほしいのですけれど」
ぱいそん? よくわからないけど、キラはそんなわたしにもわからないことを勉強していて、それでいてわたしの本の分まで横取りしようとするの? それにせっかく勉強しようと思ってたところだったので
「おことわり。わたしこれを使ってステキなデザインのサイトを作ろうとしてるところだったのに」
「……なんですか、その言い方は」
「なによ、文句あるの?」
「あります」
今度はわたしの方が先にキラのことを叩いてやった。
結局、この前と同じく取っ組み合いのケンカになっちゃって、その日はまたプログラミングどころじゃなくなっちゃった。
なんだか、パソコン買ってもらってから、ケンカばっかりしてるなわたしたち……
続く