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2021年5月の記事一覧
鮭とばとバラ肉の日々
なにもないけど憂鬱な日には
きつい日本酒をのみながら
鮭とばをもそもそと味わう
なにもないけどいい日には
安いチューハイをのみながら
焼いた豚バラ肉をもりもりとめしあがる
なにもないけどなにもない日には
ビールをのみながら
ビーフジャーキーをじわじわかみしめる
なにもないけどなにもしたくない日には
白ワインをのみながら
かっぱえびせんを口の中でおどらせる
なにもないけど
酒かっくらいなが
ヒーローじゃないから
男の子はだいたい
だれかを みんなを守る
ヒーローになりたいと思ってる
ぼくだってそう
でも それがただの自己満足なのは
みんなどこかで気づいてる
悪の組織も 侵略する帝国も
脅かされる市民も 助けられる女の子も
ヒーローのためにあるわけじゃない
それに女の子だってみんな
ヒーローに守られたいわけじゃない
なんのためにヒーローになるのか
かっこいいから モテたいから
役に立ちたいから 男ならなる
サビオの下と むらさきの残像と
好きな子の名前を
手の甲にマジックで書いて
サビオを貼って隠したら
いつか恋はかなうはずだった
「むらさき色のかがみ」を
二十歳になるまで覚えてると
絶対に死んでしまう
そんな恐怖を大事に抱えてた
サビオのことを内地ふうに
「絆創膏」と呼ぶようになっても
むらさき色のかがみの話を
二十歳をすぎてふと思い出したり
そんなことを懐かしんで
笑ってるぼくらは
あのころのぼくらを
しらずしらずに突き
上り坂をみると切なくなるのは
上り坂を見ると
上り坂を上ると
すごく切なくなるのです
どこか懐かしいような
まだ見たこともないような
そういったあいまいなものを
目隠ししてなでているようで
不思議であたたかくて
不安なてざわりを
感じてしまうのです
飛び立つような傾斜の地面
自分の影を引きずるように
後ろ髪を引っぱるように
地面とわたしのあいだを結ぶ
いびつな万有引力
筋肉はささやくように
わたしの中で衣擦れをたてながら
自
びびりをせんとや生まれけむ
やる理由はスルーするくせに
やらない理由は二秒で見つけるいくつでも
確たる意志もないのに動きたくなさが
かたい石のように足腰をかためてしまうのです
石の上にも三年とはいうけれど
わたし自身がもう石です
やる気がないんじゃないんです
失敗したらどうしようどうしようもない
そんな不安と出不精が
うっかりはちあわせた結果です
予期せぬものぐさ太郎の印籠ひかえおろう
自家薬籠中の化学反応なら
自家中毒の