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戦争

直近の記事では、リガの街の美しさを紹介しました。
でも、一番印象に残ったのは「戦争」がごく身近にある姿でした。

Latvia Museum of Architectureのファザード

正面のかわいい建物はLatvia Museum of Architecture。その左横の建物には2種類の旗が見えます。向かって右がラトビアの旗。

ラトビア国旗

左の旗ですが、のんきな私は、しばらくの間、直前まで滞在していたスウェーデンの旗かなあ、と思ってました。でもこれは、ウクライナの旗。

ウクライナ国旗

1990年に独立宣言を採択するまで長年に渡りソビエト連邦の一部であったラトビア。独立は無条件に達成されたわけではなく、リトアニアやエストニアと共に、「血の日曜日事件」「バルトの道」などを経て市民の手で勝ち取ったものであるという意識が強いようです。それだけに、現在のロシアのウクライナへの侵攻ははっきりと「戦争」として認識しており、ウクライナを支援する姿勢を明確に示しています。

上記の本は勉強になりました。ロシア社会(の一部であろうが)の戦争に対する考え方は、私たちとは異なる。彼らの理屈では、今回の戦争は起こるべくして起こった、ということになるらしい。

今回の滞在中、ラトビアの人たちと話をする機会が何度かありました。その時、しばしば「war」について語られたのだけれど、それがいつの戦争のことを言っているのか最初はピンとこなかったです。そのうち、今、ウクライナで起こっている戦争であることに気づきました。
日本の社会では、「戦争」というと今でも第二次世界大戦だけど、ラトビアでは、今、隣国で起こっているのが「戦争」。
「日本だってロシアは隣国でしょ」とも問われたりしたけど、日本社会がこの戦争に対して抱いている印象は、ラトビア社会のそれとはかなり異なっています。

Latvian War Museumの展示。ウクライナ兵のプロフィールと戦争で使われているドローンが紹介されていた。
ちょっと分かりにくいですが、中心部にそびえる「ラトビアラジオ」の建物にも両国の国旗が

私個人として、この「戦争」に対する思いは非常に複雑。
以前、書いたものを最後に再掲しておきます。

何がつらいといえば、Euroforesterのプログラムに参加して仲良くなった友人たちが紛争の両側に分かれてしまったこと。バルト三国の友人たちは当時からロシアに対して複雑な思いを持っていることは薄々感じてましたが、まさか、ウクライナにロシアが侵攻するとは。その後、ゲッティンゲンに博士課程で戻ってから知り合ったロシア人の友人はとても優秀な女性だったけど、その段階(2013年)ですでに母国であるロシアに見切りをつけてドイツで暮らすとはっきり言ってたけど、その予兆はだいぶ前からあったということでしょう。気候変動問題と世界中で同時多発的に発生している紛争の事実からは(この2つは連動しているともいえますが)、完全に別の世の中になってしまった感じです。

森林学の国際修士プログラムEuroforester

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