質問は既に決まっている
面接における質問をどのように決めているのか。マネジメント視点から書き留めたいと思います。
1. コンピテンシーマップの作成
現在タイミーではサービスデザイナーを募集しています。面接を進めていくなかで求める人物像の解像度が上がってきたため、改めてコンピテンシーマップを改訂しました。
コンピテンシーマップとは、職種におけるスキルを言語化したものです(呼称は会社によって異なる)。各等級のデザイナーは、どのようなスキルをどの程度身に付けている人物なのか。業界基準と自社適応の観点で策定します。
この指標を評価で活用する会社もあります。しかしあくまでも本質は、デザイナーのキャリアを俯瞰的に見つめ「個々の現在地と期待値」を適切に認識することだと思います。
2. 候補者に求めるスキルを決める
まずは、募集要項(Job Description)を作成しエントリーしていただく入口を用意します。この募集要項作成にコンピテンシーマップを活用します。
今回のポジションはどの等級か。どのようなスキルを求めるのか。図解の赤い部分が「求めたいスキル(フォーカスするスキル)」です。これはハードスキル・ソフトスキルは勿論のこと、会社のバリュー・所属部署が求める素養も含まれます。
スキルという言葉は、あらゆる能力に分解できます。それらをジュニア・ミドル・シニア間のラダーを設定しながら並記することで、抽象的なスキルを相対的に把握し具体まで認識可能な状態をつくります。
3. 採用面接における質問を決める
採用面接は、社内の様々なメンバーが関わり協力します。現在の面接フローでは、現場メンバー・上長・HR・私、という立場の異なる4者にて共通認識を持つことが必要です。
候補者が「赤い部分のスキルを有しているか」を、4者で共有している状態をつくります。そして「それを確かめるためにはどのような質問をすべきか」という思考から、適切な質問を用意します。
よって「我々はどのようなスキルを持った方を求めているのか」が相対的に把握され、具体的に言語化できていれば、面接ですべき質問は既に決まっている、ということです。
4. 質問によって再現性を確かめる
スキルを質問のみで確かめていくことは難しい。ですが「再現性」を意識した質問を心掛けてみましょう。過去プロジェクトでそのスキルを活用したエピソード(事実)を深掘りします。
プロジェクトリードした経験、合意形成した経験、デザインディレクションした経験…など。苦難を乗り越え自分軸によって意思決定を繰り返してきたエピソードを抽象化した際に、自社で再現性があるか。活躍する姿を想像できるかが大切です。
まとめ
今回は、普段マネジメントで向き合っていることを記事化しました。キャリア、評価観点、各等級のスキル、期待値、JD、面接の質問。全ては構造として繋がっているのです。
なぜこれ程までに言語化が必要とされるのか。それは「他者と協業するから」です。他者と協業するためには、あらゆる認識を揃え共有する必要があります。言語化は欠かせません。
的確な質問は、求めるスキルから生まれる。求めたいスキルは決まっている。つまり、質問は既に決まっているのです。