世界遺産・知床半島での携帯電話基地局と太陽光パネル設置
Youtube(2024-06-18 18時30分公開予定)
https://youtu.be/O9ZGP67zK60?si=iGtl-ECQ-DNqlxYa
Youtubeメモ
1)知床の価値
a) 1964年に国立公園として指定。開発を厳に抑制すべき特別保護区に指定。
b) 2005年世界遺産登録。厳正な保護管理を行う区域。「顕著な普遍的価値」(Outstanding Universal Value)をもつ。
※ 知床岬周辺部は、貴重な生態系と独自の景観が保全されている。絶滅危惧種オジロワシの生息地。そのため、アクセスは、徒歩またはカヤックに限られている。
※ ドイツのドレスデン・エルベ渓谷で、橋をかけたことにより世界遺産から抹消された事例がある。
2) 世界遺産である知床半島で、携帯電話基地局設置と太陽光パネルの設置の動きが進行中。
携帯電話基地局
太陽光パネル等(7000m2、サッカーコートに相当)
関連工事面積 2万6000m2
3) 携帯基地局整備の動き
2022年4月 観光船事故がきっかけ。
関係省庁 環境省、総務省、国土交通省、林野庁
事業者(携帯電話事業者:NTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、楽天モバイル)
2024年3月29日 自然公園保護法にもとづく許可
4)計画の中止・見直しを求める意見等
日本自然保護協会などの自然保護団体
知床世界自然遺産地域科学委員会、絶滅危惧種II類のオジロワシへの影響が強く懸念されると表明。工事中断と再調査を環境省に求める。
午来昌・元斜里町長(世界自然保護遺産登録に尽力)、計画見直しを求める署名活動開始。
日本環境会議、中止を求める見解(予定)
5)問題
a) 公益性、必然性がない
※ 海難事故防止のための通信手段確保は業務無線、衛星携帯電話搭載で行うべき。漁船の長距離操業の場合は、衛星携帯電話を装備することが多い。
※ 特別保護地区では開発行為は原則禁止。学術研究目的などの公益性と、その事業をその場所で行わなければ目的が達成できないこと(必然性)の2つの要件を満たす場合にのみ例外的に許可されうる。
※ 原生自然体験に際し、利用者の利便性のために、その原生自然を破壊するのは矛盾する行為で、本末転倒。
b) 世界自然遺産の「顕著な普遍的価値」(Outstanding Universal Value)を損なう。
※ 独自で豊かな生態系。国際的な希少種のシマフクロウ、オオワシ、オジロワシなどの種の存続に不可欠な場所。