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ブランド指標:「現役○○(企業名・職業名)が教える◇◇」に人が集まるか否か
多くの企業が、人にかける投資を大っぴらに始めている。
それは企業内での研修を充実させることであったり、利便性を向上させることであったり。
それにより学習したり、多くの知識を得ることによって、その企業そのものが価値ある人の支えられるということを通して企業価値を高めている。
その企業の製品が好きというものに加えて、その企業で働いている人たちが魅力に溢れているという方向へのシフト。
過去は「人材」としてコストされていたものが「人財」に変わり、その企業にあってはならない魅力に変化する。
その結果として、その企業に勤める一人一人がとても大切な存在になっていく。
企業にとっても欠かせない人財、そのような人であふれていることこそが、企業に価値に直結する時代になってきているように感じる。
例えばANAについて。
かつてコロナ騒動真っ只中という場において、多くの人が空を飛べなくなった。
その結果、空を仕事の場としていた多くの人は、何もできない時期が続く。
そのようなときに、普段の仕事とは全く異なるものが花開いた。
その内容というものが、「職業名・職種名」を活かした新たなブランド構築。
それが「現役CAが教える○○」という形で、「ANA Study Fly」として展開をしている。
ジャンルも多種多様で、ワインソムリエやヨガ講座、子育てや資産運用など様々。
内容はもちろんのこと、ここに価値があるのは「職業名・職種名」があるからこそ。
現役CAに教えてもらえるということがどれほど価値を発揮するのか。
おもてなしの心や作法、世界中を経験しているからこその文化の違いについては専門家であることは間違いない。
現役パイロットに教えてもらえるということが、どれほど価値を発揮するのか。
世界中の空を飛びまわっているからこそ知ることが出来るノウハウや技術・知見、それらはどれほど価値を持つのだろうか。
その魅力は、とんでもない価値をもたらすに違いない。
ブランドの指標として、「人の価値」というものがより目立つようになってきた。
もしかしたら、ブランド指標の一つ、それは「企業名・職種名を表に出した時に、その人に教わってみたい・話を聞いてみたい」となるかどうかかもしれない。
それは知見の広さかもしれないし、専門的なことかもしれない。
その部分こそが価値として、発信できる企業はとても強い。
社内の情報だから言えないとかではなく、その知見を活かした智恵を公開してより企業も個人の価値も高めていく。
これからは企業と個人が対等であると言われるが、それは個人が肩書の効果を持たせて発信をしたりするようになってこそ。
制限を持たせる、内側にこもるでは、全く伸びていかない。
より社員に発信してもらって、その企業の価値をますます高めていく。
社内でインフルエンサーを養成するのもいいかもしれない。
そしてそこから魅力的な肩書を与えて、さらに価値を持たせていく。
ANAのように個人の価値と企業の価値を高めていく動き、先行して出来るかどうかによって、その企業の未来は大きく変わってくるかもしれない。
「現役○○(企業名・職業名)が教える◇◇」にどれほど人が集まるか否か。
その企業のブランド価値指標の一つとして、考えてみてもいいかもしれない。
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ありがとうございました。