ちょっと背伸びしたワインデートの最中に寝てしまった話
大学生の時、当時ちょっと仲の良かった女の子と初めて二人で飲みに行くことになった。
店を選ぶのは僕。少し悩んで、大学生としてはちょっと背伸びしたお店を選んだ。赤ワインとお肉が美味しいお店だった。
店員さんはタキシードを着ていた。少し緊張してしまう。
しかし、最初こそ緊張したものの、とても美味しい料理と赤ワインが次々に出てきて、僕も女の子も表情が緩み、楽しい時間になった。
……と、終わってくれればいいのだが、悲しい事件が起こる。
僕はワインを飲むととても眠くなる性質がある(これは今も変わっていない。だから寝てはいけない飲み会のとき、ワインは2杯くらいしか飲まないようにしている)
さてさて、20歳を少し越えたばかりの当時は、あまりお酒との付き合い方も理解していない。
最初は緊張をほぐすためにワインを飲んだ。
緊張が解けた頃、良いワインの美味しさに驚いてワインを飲んだ。
メインディッシュが出てくる頃、肉の旨みをたっぷり引き立ててくれるワインを飲んだ。
さて、ワインを飲むと眠くなるタイプの僕が、これだけガブガブとワインを飲んでいると、眠くなる。当然の帰結である。
かくして、つい1分前まで彼女の話を機嫌よく聞いていた僕は、突如として眠りに落ちた。
多分、寝てたのは1〜2分だと思うが、目が覚めた時の彼女の「こいつマジか!」という顔は今でも忘れられない。
その後も何度か彼女を誘ってみたが、「あ、その日は忙しい!」と、びっくりするくらいそっけない対応が返ってきたことは言うまでもない。
初デートで良いワインバルに行った時は、寝てはいけない。
そんな、未就学児でも分かりそうな知見を、身をもって理解した一日であった。読者諸賢も、ワインバルで寝ないように気をつけて欲しい。
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