サッカー選手の意外過ぎる試合中の会話

　今回のテーマは「試合中の会話がチームを強くする」です。皆さんは、プロの選手が試合中にどんな会話をしているか知っていますか。僕は、スペインに行った時、レベルの高いチームほど試合中の会話が活発に行われていることを知りました。これは日本でも同じですよね。それこそ、バルセロナの選手たちの試合中の会話が、スペインのテレビ番組で放送されていた時に、衝撃を受けたのを覚えています。

　「今日は調子が悪いから、良いプレーができなさそうだ」「マークする相手選手の足が速いから、逃れるのでフォローを頼む」「今日は右足のロングキックの調子が良いから、どんどんパスをくれ」

　このような会話を90分間ずっと続けている映像と音声を観ました。コーチングというよりも、本当に会話を試合中にしています。僕は以前、このpodcastで「情報を伝える技術もサッカーに必要なテクニック」というお話をしました。その時に、試合中に大切なコミニケーションを3つあるという話をしています。1つ目が「関係を築くためのコミュニケーション」2つ目が「力を引き出すためのコミニュケーション」3つ目が「情報を伝えるためのコミュニケーション」です。

　バルセロナの選手たちは「関係を築くためのコミニケーション」を活発に行っています。試合中、大切になるのは「チームメートとの信頼関係」です。どれだけうまい選手が集まっていても、連携が悪いと、チームとして機能しなくなります。連携を良くするためには、信頼関係が大切です。信頼関係を築くためには、常に腹を割って話す必要があります。自分の苦手なこと、自分が今どのような状態なのか、このようなことをしっかり知ってもらうことが大切です。

　僕がスペインでサッカーをしている時、選手たちはトレーニングでも試合でも、たくさんの会話をしていました。一方通行の情報発信を、相槌しか求められない「指令」「指示」だけを口にしているわけではありませんでした。

　「今日の対戦相手はこんな攻撃を狙っているんじゃない」「対戦相手の8番をよくボールが集まるから注意しよう」「今日のレフリーはあまり笛を吹かないから、止まらないほうがいいぞ」など、自分の思いをたくさん話していました。それに対してジョークを飛ばしたり、さらに自分が思ったことを話したりしています。本当にずっと会話をしているのです。日本に帰ってきたときに思ったのは、試合中やトレーニング中に会話をすることが「ふざけている」と捉えられるからか、選手たちは必要な情報だけを伝えているということです。

　みんなサッカーを楽しんでいないのだろうか、何か悲しいことがあったのだろうかと思うくらい、静かです。チームで声を出しているのはキャプテンくらいではないでしょうか。アマチュアのレベル、地域サッカーリーグのレベルでも、会話をしているチームは結束力があります。

　少し話が変わりますが「試合中の会話がチームを強くする」という理由は他にもあります。例えば、チームメイトと些細な会話、言葉のキャッチボールをすることで「リラックスできる」「安心できる」というメンタル的な効果もあります。ガチガチに緊張してしまうと、自分の力の半分も出せないということがあります。チームメートと会話をしておくだけで、リラックスできれば、自分の力を100%に近いかたちで出せる可能性があります。

　選手の会話力、伝える力、話を聞いて理解する力も大切です。このような力がある選手は、本当にチームにとって心強いと思います。上手い選手ほど、上手に伝えて、上手に情報伝達をしていると思います。

　まずはトレーニングや試合中、どんどん会話することが大切です。そうすればチームは必然的に強くなりますよ、というお話でした。

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VORAZ FUTBOL CLUB(ボラスフットボールクラブ)は、スペイン産ポゼッションフットボールを体現する、滋賀県大津市のサッカークラブです。現在は、日本サッカー協会にチーム登録し、滋賀県・社会人サッカー連盟に加盟しています。活動の場は、主に日本サッカー協会主催の関西社会人サッカー・滋賀県社会人サッカーリーグ戦です。

※ボラスフットボールクラブは、共に戦いたいという情熱をもった選手を募集しています。サッカーが下手でも構いません。謙虚で礼儀正しく、コミュニケーションを積極的に取れる選手を募集しています。チームへの加入を希望される方は、「LaBOLAサイトのメッセージ」もしくは「Instagram」から参加申請を記入の上、ご連絡ください。