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リモートワーク×パフォーマンスマネジメント。リモートワークを成功させるための5つのコツ

はじめに

昨今、導入企業が増えたリモートワーク。
働き方やコミュニケーションが大きく変化した企業も多いことでしょう。

そんな変化の中で、同じように大きく変化したのがチームメンバーの評価やマネジメント手法。悩みを抱えているマネージャーの方も多いのではないでしょうか?

実際にマネージャーとメンバーが同じオフィスで作業をしているときは、フィードバックをしたり質問を受けるのは簡単でした。
アイコンタクトを取る、肩を叩く、または相手のデスクに向かうだけでよく、その時の反応を直接見て、ボディランゲージを読み取ることもできます。

では、メンバーがリモートで仕事をしている場合はどうでしょう。

遠く離れたメンバーとのコミュニケーションは、メールやSlackのような技術を活用しても難しいものがあります。結果、得られる情報が少ない分、コミュニケーションがおろそかになる可能性があります。

あなたが仮にメンバーの様子を深刻に捉えていなかったとしても、その想いは伝わらなかったり、あるいは誤って届いていることも大いにあり得るでしょう。
メンバーは「自分の仕事がうまくいっていないのでは」とびくびくしながら、マネージャーであるあなたからの返事が届くのを待っているかもしれません

とは言え、リモートワークはこの10年間で115%も増加し、今後もこの傾向は続くと思われます。
つまり、リモートワーカーをマネジメントすることは、すべてのリーダーが学ばなければならないスキルなのです。

この記事では、リモートワーカーをマネジメントし、成果に繋げる=パフォーマンスマネジメントのコツを5つご紹介します。

▼リモートワーク・ハイブリッドワーク下での、マネジメントへの理解を深めたい方はこちら

1.期待値をすり合わせる

メンバーは自分が何を期待されているかを知ることで、それに応じたパフォーマンスを発揮することができます。

リモートワーカーが抱える最大の問題の1つは、自分の能力がどんなもので、何に適用できるのかを理解するのが難しいことです。

オフィスワーカーと違って、リモートワーカーは同僚や上司を見てまねるだけでは学べないからです。
明確な指示がないと、どんなパフォーマンスを期待されているかを知るのは非常に困難になってしまいます。

そこで、最初から仕事の要件を明確に定義することが大切です。
リモートワーカーのパフォーマンスを引き出す最善の方法は、彼らに十分すぎるほどの情報を与えることです。

この中にはたとえば、
・1日のスケジュールはどうなっているか?
・何をどこまでフレキシブルに対応できるか?
・昼食の時間は1時間取っているか?
・メンバーが好むコミュニケーション方法は?
などが含まれます。

そのうえで目標を自分自身に設定してもらい、「どこに向かうべきか」という道筋を可視化することは非常に重要です。

目標設定手法は様々ありますが、OKRによる目標管理はその代表的な手法と言えるでしょう。

例えば、コロナ禍のリモートワーク時にOKRならびにパフォーマンスマネジメントツールを導入された、株式会社コロプラ第1バックエンドエンジニア部部長の田中諒様はこう述べています。

OKR導入済みの組織とその規模感

職能別組織がいくつか並ぶ中で、現在OKRを導入しているのは、私が所属しているサーバーエンジニア部署である技術基盤本部のみとなっています。

2020年の4月頃から本格的に運用を開始したので、もうすぐ2年となります。

そうした環境の中で、コロプラサーバーエンジニア部署がOKRに取り組み続ける理由は、「組織一丸の仕組み化」ができている、そこに高い再現性があるからと私は整理しています。

「組織一丸の仕組み化」の大きなポイントとしては、OKRの導入により組織の全体像が可視化され、非常に高い透明性を持つようになりました。

以前は掲げた目標が浸透せずに他人事になってしまう懸念がありましたが、OKRでは組織全体の目標がどういう文脈で繋がっているのかが、全員に見えるようになります。

その結果、それぞれが自部署の立ち位置からその文脈にどう乗るか、どうやって組織目標にコミットするかを意識した目標を立てることができています。

(中略)

心理的安全性という点でいうと、コロナ禍でリモートワークに移行したタイミングでウィンセッションを実施できたことは非常に有用だったなと思っています。

リモートワークではちょっと隣の人と雑談を、ということができないですし、オンラインミーティングでも特に意図がなければカメラをOFFにしている人が多いのではないかと思います。

それがウィンセッションという場では皆がその意図を理解してカメラをONにしてくれますし、誉めたり誉められたりの照れもあって笑顔を見せ合うことができています。

ウィンセッションを始めるようになって、コロナ禍で失ってしまった大事な時間を取り戻すことができたと感じました。

※ウィンセッション:今週達成できたことを各社員がOKRに沿って発表しあう報告会

参考:【レポート】先進ベンチャーのOKR運用〜株式会社コロプラ様〜

リモートワークが中心になると、オフィスで集まっていた頃に比べてどうしてもチーム感が薄まる、と感じているマネージャーもいるでしょう。

そんな時には、期待値を伝える、そして目標をメンバーと一緒に構築していくということが重要なのです。

2.定期的に1on1を設定する

リモートワーカーと定期的に連絡を取り合うことで、お互いの進捗状況や期待値を確認することができます。
リモートワーカーのマネジメントにおいては、定期的に状況を確認することでフィードバックが容易になり、信頼関係の構築が可能になるでしょう。

1年分の仕事をたった1回の会議ですべて精査するのは不可能なので、年1回のレビューでは足りません。
したがって、定期的に1on1を行うことで、常に最新の情報へとアップデートすることが求められます。

結果的にメンバーが自身の功績や課題感について直接話す機会も増えることでしょう。
部下はフィードバックに飢えており、「マネージャーが自分に関心を持っている」という感覚が非常に重要なのです。

また、ミーティングの後は、対処すべき問題や適切な対応策についてメモを取ることも忘れないようにしましょう。

マネージャーはメンバーが発した何気ない発言を簡単に見落としたり忘れたりしがちですが、リモートワーカーにとってはこれらは最重要課題です。

会議の前にメモを取り、部下にも議事録を作るように勧めるといいでしょう。もしくはこれらの情報をデジタル化して共有できるのであれば、それが最も効果的な方法と言えます。

実際にパフォーマンスマネジメントツールを活用し、1on1を行っている株式会社Waris 代表取締役・河 京子様は、ツールを導入した成果を次のように実感しているそうです。

毎週のアップデートや1on1のデータ蓄積を通じて、マネージャー層がメンバーの状況をリアルに把握できる状況が進み、マネジメントがしやすくなったと感じています。

例えば、リモートワークの場合、どうしても本人の不満や業務負担など、負の感情の察知が遅れてしまう場合もありますが、メンバーにはアップデートで率直に自身の思いを書いてもらっており、リアルタイムに状況を理解できるようになりました。
必要であれば人事からスムーズにフォローアップするなど、セーフティネットが機能しやすくなっていると思います。

さらに、称賛を全社でオープンで共有し、称賛し合えるようになったことで、メンバーの投稿を読んで「いいね」を押すなどのリアクションを通して、バリューの浸透や称賛文化の醸成に繋がっていると思います。

参考:HiManagerを活用し、リモートワーク環境でのチーム連携強化・称賛文化の醸成を実現。【株式会社Waris様】

このようにリモートワーカーと定期的に接点を作ることは双方に取って非常にメリットがあると言えるでしょう。

3.フィードバックを明確に伝える

明確なフィードバックを行っていれば、リモートワーカーはあなたとのコミュニケーションに対して、過度な心配を抱くことはないでしょう。

とは言え、コミュニケーションにおいては、マネージャーとメンバーとの会話の流れがスムーズなことが重要です。
しかし、リモートワーカーはボディランゲージ、声のトーン、顔の表情などから、あなたの考えていることを汲み取ることができないことを忘れてはいけません。

まずは、指示やあなたの考えを明確に伝えることを優先させましょう。

そのうえで何がうまくいっていて、何がうまくいっていないのかを示し、具体的にフィードバックすることが大切です。

またネガティブな内容の場合には、必ず本人と直接話し合うようにしましょう。

実際にOKRを導入し、メンバーへのフィードバック体制を強化したという株式会社MUGENUP・執行役員 経営戦略部長の小澤 哲也様はこう語ります。

実際にOKRを立ててもらった時にはすべてのOKRに目を通して、1人ひとりに「よりよくするためにはどうしたらいいか?」「こういう視点で考えたらどうか?」といったコーチング型の指導・フィードバックを初回の1-2サイクルは丁寧にやっていきました。

(中略)

(導入した結果)
まずは会社と事業部長のレイヤーにおいては、会社全体のOKRを設定することによって、各事業部長に対して全体の方向性を具体的に示すことができ、またそれにより各事業部のやるべきことが明確になった、という効果がありました。

次に各事業部とメンバー間の関係ですと、OKRが会社の共通フレームとなって、会社・事業の方向性をメンバー1人ひとりが把握・意識するようになりました。実際にメンバー間の普段の会話のなかでも、自身が所属する部署に関してだけでなく、会社や他事業の方向性に関する会話も積極的になされている状態になったかなと思います。

そしてさらに、その会社や事業の動きの中で『自分は何をしなければいけないか』という思考が醸成されてきているという状況です。

参考:【レポート】先進ベンチャーのOKR運用〜株式会社MUGENUP様〜

これはリモートワーカーに限ったことではありませんが、「適切なフィードバックが人を育てる」という意識を忘れないようにしましょう。

4. 状況のアップデートを求める

状況のアップデートを促すことは、あなたとリモートワーカーがお互いの現状把握を精緻に行えることと同義です。

メンバーには、自分の仕事について毎週ログを取るように指示しましょう。
そうすることで、双方が何が行われたかを把握することができます。

あなたが毎日ログを見なかったとしても、少なくとも進捗状況を確認することはできます。

また、1on1を行う際にも、このログを参照することができます。

マネージャーとして成果を見落とさないようにすると同時に、メンバーに自身の業務に対する責任を持たせることが可能になります。

5. メンバーを信頼する

メンバーは、あなたがオープンで正直であれば信頼を寄せてくれます。

特に普段の言行を見ることができないリモートワーカーにとっては、マネージャーがオープンで正直であることはより心理的な安全性をもたらします

そのうえであなたもメンバーを信頼することから始めましょう。

メンバーのレスポンスが悪かったり、期限を守らなかったりした場合でも、すぐにサボっていると決めつけないことです。

その代わりに、一人ひとりが置かれている状況を想像し、受け入れましょう。

メンバーは忙しさに追われているかもしれませんし、個人的な問題に対処しているかもしれません。

同じ部屋にいない限り、本当の理由を知ることは難しいのです。
連絡を密に取り合いながらも、相手を信頼することを忘れないでください。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

本質的にはリモートワークであってもなくても、目標を可視化するといったことやメンバーを信頼することは重要な事柄です。

ただし、直接同じ場所でコミュニケーションを取ることができないからこそ、少し大げさなくらいのアクションが鍵となるのです。

リモートワーカーもオフィスワーカーも同じようにマネジメントできるようになった時、あなたのマネージャーとしての価値向上はもちろん、多様な人材採用への寄与やより成果を出せる組織へのステップアップなど、あなたの組織に大きな効果をもたらすでしょう。

ぜひ各社の事例や考え方を参考に、自社にとって最適な方法を考えてもらうきっかけになれば幸いです。

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