ゴッドファーザー (映画022)
「ゴッドファーザー」
「スカーフェイス」、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」もそうですが緊張や恐怖を味わいたい、故に暴力描写が好きな立場からすると、やはり、外せないのが「ゴッドファーザー」です。血塗れの馬の生首、蜂の巣にされるソニー、首を絞められ絶命するカルロ等が印象に残ります。それに至るまでのマフィアの手間暇や手際の良さ、準備の良さが一層、緊張や恐怖を誘導しました。特にカルロを殺害する前にチケットを用意、安心させてからのそれは残酷でした。尺の長い太作、その長さと人間関係の分かり難さから集中力も加わり鑑賞後には疲労感もありますが、でも、心地良いそれでもあります。初鑑賞は十代の頃、それから数えて複数回、鑑賞している作品です。年齢を重ねて家庭や職場での立場の変化もあって責任からくる疲労を感じるようになりました。なんだか、そのような後押しもあって、マイケルの苦悩やそれこそ疲労がシンクロしてきます。死と暴力が身近にあるマイケル、でも、冷静と判断力を失わない精神のタフさはある意味、勇気を貰ったり見習うべき姿なのかもしれません。ある統計では実業家や会社経営者は本作が好きな人が多いみたいですが納得の統計結果ではあります。