蒲田行進曲 (映画023)
「蒲田行進曲」
元々は戯曲、また、深作欣二監督の演出も加わって登場人物や伝わってくる雰囲気はけっこう高いテンションの「蒲田行進曲」です。コメディですが、やはり、深作欣二監督なだけにアクション映画を観ているような躍動も感じられます。映画制作の舞台裏、大部屋俳優の奮闘、スター俳優の苦悩、付随して女性関係の乱れ等も再確認ができる作品でした。風間杜夫が演じる銀四郎、松坂慶子が演じる小夏も魅力的なキャラクターでしたが、平田満が演じるヤスに至っては後にパロディになるくらいのそれでした。所謂、ハマり役と言っても過言ではありません。後に「男はつらいよ 寅次郎恋愛塾」に平田満は出演、ヤスほどの怪演ではありませんが、これもまた、爆笑を誘う貧乏で不器用な青年を好演していました。平田満は「蒲田行進曲」で数々の賞に選ばれましたが、忘れられないのが日本アカデミー賞、前年度の受賞者として翌年の受賞者を紹介するプレゼンターとして登場した平田満でしたが、緊張でガチガチというのが一目瞭然、年度を間違え、それに自ら気がついて言い直し動揺する姿が会場の爆笑を誘いました。そんなエピソードも加わって「蒲田行進曲」は楽しい気分にさせられる映画です。