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J・ロック(プレイリスト4)

2時間35分
あの娘が結婚してしまう
Boys Jump The Midnight 
12号室
満月の夜
悲しみの果て
ガソリンの揺れかた
デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ
順番には逆らえない
春なのに

■J・ロックの好きな曲十曲
普段、聞いているのがJ・ロック、特に聴いているのがエレファントカシマシ付随して宮本浩次、続いて、RCサクセション付随して忌野清志郎、これら以外が仲井戸麗市、ストリート・スライダーズ、SION 、ブランキー・ジェット・シティ、ミッシェル・ガン・エレファント、ゆらゆら帝国、キリが良く十組のバンドやアーティストです。宮本浩次がソロ活動を初めたことで実に収まりの良いことになりました。折角なのでこれらを一まとめにして自身のJ・ロック史を振り返るという意図、結局は断片的にも満たないそれという範囲に収まりました。とは言え、一応、キヨシローや宮本のソロの曲を挟みつつデビューした順番に並べることができたのは良かったです。客観的に見るとしっかり繋がりが示されているバンド及びアーティスト、類は友を呼ぶと言いますがそれに相応しいラインナップです。残念なことに解散してしまったバンドもありますがソロになっても活躍、特にゆらゆら帝国の坂本慎太郎は目が離せない存在、ミッシェル・ガン・エレファントのウエノコウジは宮本と共演、しっかりウエノコウジらしいベースで嬉しかったです。

「2時間35分」
「2時間35分」はRCサクセションが1972年に発表したファースト・アルバム「初期のRCサクセション」の収録曲です。異性との長電話、その際の楽しい気分が示されていて無邪気な子供らしさも溢れた曲です。この曲を初めて聴いたのは中学三年生の時、「い・け・な・いルージュマジック」でキヨシローを知ったその二年後、自身の実体験がダイレクトに示されていて大変、狂喜させられた曲です。曲のタイトルは通話時間、新記録を喜ぶキヨシロー、それもまた、同じことを思っていたので嬉しかったです。やはり、実体験の一致というのは重要でキヨシローに寄せる信頼や親近感が縮まった曲でした。喜怒哀楽で示すと楽に位置する曲、一方、哀に位置する曲が高校三年生の時に聴いた浜田省吾の「片想い」です。測ったみたいに失恋をした時にラジオから流れてきて不思議な縁を感じた曲です。同じラブソングの「2時間35分」と「片想い」は感情としては正反対、考えてみると若かった頃の関心ごとの中心は異性や音楽だったことを確認させられます。「2時間35分」は曲の始まりがダイヤル式の黒電話のベルの音、カセット・テープと一緒に懐かしいです。そして、あいみょんの「君はロックを聴かない」を聴くと思い出す曲の一つ、レコードも加わり昭和の時代に十代を過ごしてきたことを再確認させられます。

「あの娘が結婚してしまう」
「あの娘が結婚してしまう」は1973年に古井戸が発表した曲です。三枚目のアルバム「ぽえじー」に収録されていて歌っているのは仲井戸麗市(チャボ)、作詞作曲は忌野清志郎(キヨシロー)で提供曲になります。後にキヨシロー本人も歌っていて二人の友情も確認、RCサクセションの曲にも同じ事柄が示されている曲もあるので発見も楽しめる曲です。とは言え、曲名も示すように哀しい曲、未練がありながら相手の結婚という現実を突きつけらる残酷な曲です。二人はお互いの家を行き来する間柄、家族も承知、一緒にご飯を食べていた様子が描かれています。親の立場になってみれば対応に困惑、慰める言葉も見つかりません。やはり、確実に結婚が決まってから親に紹介、そのような教訓にもなった曲でした。チャボもキヨシローも二十代前半くらいの曲でミュージシャンとしての宿命も確認させられます。この頃のチャボの歌声も若々しくて、それもまた、別れを納得させるには充分でありました。結婚の知らせは嬉しそうに告げられたとなっていて素直に祝福できないのが辛いです。個人的には狩人の「あずさ2号」を思い出します。この曲は未練の残る女性の立場で対称的、狩人も古井戸と同じで二人組でした。

「Boys Jump The Might 」
「Boys Jump The Might 」は1987年に発表されたストリート・スライダーズのシングル曲、アルバム「天使たち」の収録曲です。ローリング・ストーンズみたいなバンドだったので後回しにしていたストリート・スライダーズ、でも、「EASY ACTION 」や「風が強い日」等を聴いて無視ができなくなり、「Boys Jump The Might 」も聴くことになりました。代表曲の一つ、アップ・テンポなロック・ナンバーで興奮度が極めて高いです。当時、洋楽をメインに聴いていましたが最新のそれはロックというよりもポップスに寄せていて不満や飽きが生じていたのかもしれません。ローリング・ストーンズみたいだったことも幸いしてストリート・スライダーズを受け入れることは難しくなかったです。「EASY ACTION 」に至ってはイントロのギターは「イッツ・オンリー・ロックン・ロール」を手本にしているのが伺えます。一方、「風が強い日」はコードの運び方がジョン・レノンの「イマジン」と同じと知人に教えてもらい発見を楽しみました。イントロはインパクトがありますがジャニス・ジョプリンの「サマー・タイム」、エレファントカシマシの「「序曲」夢のちまた」に並ぶ不思議なギター・イントロ・ソングの一つに個人的には位置付けています。

「12号室」
「12号室」は1990年に発表されたSION のアルバム「夜しか泳げない」に収録されている曲です。彼女は全てを持っていた、そのように歌われていますが最後には持っていない事柄が明かされて言葉を失う曲です。衝撃的、それを示す行動としてコンサートで直接、聴きたいという欲求、当時、恵比寿FACTORY というライヴ・ハウスがあって当日券を求めて行きましたが結局、売り切れていました。音楽評論家の渋谷陽一は自身のラジオ番組で紹介、アルバム「夜しか泳げない」は「12号室」の為にあるアルバムと言っていたほどでこの曲の特異さを印象付けるエピソードです。個人的には村上春樹の「ノルウェイの森」と「12号室」の関係、直接の結びつきはありませんがそれを読み終えて思い出したのが「12号室」です。喪失感や欠落感から誘導され結びついたのかもしれませんが同時期に「ノルウェイの森」を読んだ知人も同意見、そのようなことも確認したい「12号室」です。SION の幼少期の体験になりますが、後の数々の名曲の原点になっているのかもしれません。また、演奏はピアノ、ベース、ドラム、あるはずのギターがないのはあるはずの事柄を示す役割になっているのかもしれません。

「満月の夜」
「満月の夜」は1994年に公開された「119」の主題歌、忌野清志郎の曲です。サウンド・トラックに収録、後にベスト・アルバム等に収録されています。映画も好評、日本アカデミー賞で音楽賞等も受賞したキヨシローですがファンとしても大変、嬉しくさせられた授与でもありました。「満月の夜」は謝罪の言葉で始まる歌詞ですが特に悪いことをした訳ではなくて好意を伝えられないことに対しての後悔、同じような体験をしているので好きな曲です。満月ではなかったですが、また、相手も告白を望んでいなかったのかもしれません。そして、告白をしても上手くいかなかった後の気まずさを想像して勇気もありませんでした。この曲と合わせて井上陽水の「帰れない二人」も浮かんできましたがこの曲は井上陽水とキヨシローの共作です。上手くいかなかった場合、この二曲を遠ざけることになってしまうのも避けたかったのかもしれませんが、結局、後日、告白をして交際、後に結婚という思い出の曲です。妻はやはりエレファントカシマシのファンでキヨシローのファン、付随してチャボのファン、自身と趣味が一致することもこの先それほどあるとは思えなかったので頑張ってみました。

「悲しみの果て」
「悲しみの果て」は1996年にエレファントカシマシが発表したシングル曲です。全く引っかかりもしない曲で発表当初は激しく困惑させられました。デビューからのエレファントカシマシのファンという立場からすると過剰にシンプル過ぎたからだと思います。年齢を重ね人並みの悲しみを経験した現在は当初よりも戸惑いは薄れてきましたが晴々としない気持ちは残ったままです。羨ましいのはこの曲が好きになれる感受性です。デビューからのファンでもこの曲が好きな人がいますがそれは真のエレファントカシマシのファンの証みたいで軽い嫉妬を呼び寄せられます。特に音楽評論家は手の平を返すように絶賛、これもまた、困惑を誘導する要因になりました。この曲がきっかけでファンになった人も多くて、それらとデビューからのファンがインターネット上でバトルになっていたことがありました。新しいファンからすると昔から知っているファンに対しての嫉妬、デビューからのファンにしてみれば「悲しみの果て」が好きになれない劣等感だったと解釈しています。「悲しみの果て」は好きな曲というよりも謎を解き明かしたい曲、何故、支持されているのか?そのような考えを引きずることも稀で特別な曲です。

「ガソリンの揺れかた」
「ガソリンの揺れかた」は1997年に発表されたブランキー・ジェット・シティのシングル曲、前期と後期に分けるなら後期の代表曲に位置付けられる曲です。なんとなくデビューした時の雰囲気が漂っている曲です。三人を知るきっかけは三宅裕司のいかすバンド天国、番組自体は人気も落ち着きあまり見なくなっていた頃にブランキー・ジェット・シティは登場しました。たまたま、観た回に「狂った朝日」を演奏、強烈なインパクトを与え強く興奮したことを覚えています。後にファースト・アルバムを発表、本作は喪失感と虚無感が混在していて独特な世界観が示されていました。ただ、一般的な指摘と同感で音の感触に違和感がありました。「ガソリンの揺れかた」は曲名が示すようにイントロのギターはガソリンが揺れているような感じ、発火するように三人の演奏が重なり興奮させられます。歌詞は鉄の塊、つまり、オートバイのことを指していますが曲自体はミディアム・テンポでハーレー・ダビットソンみたいな重量感、同じオートバイの曲「Punky Bad Hip」とセットで聴きたい曲でもありますが、それぞれ、前期と後期のオートバイ・ソングの代表曲と言えるでしょう。

「デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ」
「デッドマンズ・ギャラクシー・デイズ」はミッシェル・ガン・エレファントが2003年に発表した曲、アルバム「SABRINA NO HEAVEN 」に収録されている曲です。解散を印象付ける曲の一つでアップ・テンポなロック・ナンバー、極めて興奮度は高いですが背景に解散があるので緊張感もあります。付随してプロモーション・ビデオは演奏する四人もフロアーも血まみれで曲の世界観をダイナミックに演出、強烈なインパクトを与えています。壮絶な殺し合いがあったことを想像しますが、これもまた、解散と良好な結び付きを示しています。ストリート・スライダーズ、ブランキー・ジェット・シティ、後のゆらゆら帝国もそうですがそれらよりも解散の演出が見事だったミッシェル・ガン・エレファント、時間もかけて一つ一つが丁寧でした。一時は解散と結び付かない時期もありましたがよくよく考えると最初から解散が決まっているような曲があったことに気付かされたのも印象的です。終わることに対して強くこだわっていたようなミッシェル・ガン・エレファントでしたがギタリストのアベフトシの始まりが見られなかったのは残念ですが皮肉でもあった天国(HEAVEN )への旅立ちでもありました。

「順番には逆らえない」
「順番には逆らえない」はゆらゆら帝国が2006年に発表したシングル曲、「次の夜へ」のカップリングに位置付けられる曲です。ゆらゆら帝国の特徴は恐怖をダイレクトに示したことでした。でも、ファンタジーなので遊園地のジェット・コースターやお化け屋敷の恐怖のように安全は確保されているので安心して聴くことができます。とは言え、「順番には逆らえない」に限っては避けられない現実と直結していたのでこれまでと異なる恐怖で大変、動揺しました。つまり、子供の頃から気にかけていたこと、いずれは両親は死んでしまうということを強く意識させられました。また、自身の年齢が三十代後半にリリースされたことも後押しになっていたと思います。でも、歌詞自体は具体的なことが示されていないので現実と切り離して聴くことも可能です。ミディアム・テンポなので尺が10分くらい、飽きさせないのは流石のゆらゆら帝国です。終始、不気味、それを誘導しているのはエレキ・ギターのリフ、ドラムもベースも印象的です。ゆらゆら帝国はベースの音の大きさも特徴がありますがこの曲も該当、ロックを聴くようになって思っていたことはベースの音、音の小ささにベースの必要性に疑問に思っていました。ゆらゆら帝国はベースの音が大きいので大変、満足させられます。総じて恐怖とベースの大きさをダイナミックに示したゆらゆら帝国でした。

「春なのに」
「春なのに」はエレファントカシマシの宮本浩次が2021年に発表したアルバム「縦横無尽」の収録曲で中島みゆきのカバー曲、付随して柏原芳恵の提供曲です。特に望んでいたわけではないですが結果的に活気や可能性が加わった宮本のソロ活動、コンサートではエレファントカシマシの曲やソロの曲、カバー曲を織り交ぜていてエレファントカシマシとは異なる構成を楽しんでいます。カバー曲は女性が歌う曲ですがおそらく男性が歌う曲もいつか大々的に取り上げることを予想、それはソロでやるのかエレファントカシマシでカバーするのかは全く予想もできません。また、一切、それとは関わらないこともあるのかもしれませんがどれにしても今後が楽しみです。カバー曲との関わりは歌番組等の企画を除けばエレファントカシマシでの松任谷由実(ユーミン)の「翳りゆく部屋」が始めての試み、どうやら宮本は中島みゆきではなくてユーミンを好んでいると思いましたが、後に中島みゆきの「化粧」をカバー、ユーミンも継続してカバーしているので判断がつかないです。我々の世代は中島みゆきとユーミンではどちらが好きか?という二択が定番、自身は中島みゆきを好んでいるので宮本もそうあってほしいと望んでいますがそれほど重要なことでもないので今後も気軽に想像を楽しみたいと思っています。




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