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スポーツ用具としてのけん玉を考える

けん玉日和が続いてますね。外で練習するけん玉が気持ちいい季節になりました。

スポーツをはじめる時、例えば野球の場合は、どんな道具を選びますか?飽きるかもしれないから安いものにしておこう。が、多いかなと思います。「初心者向け」と書かれているものを選ぶ人も多いでしょう。今回はけん玉での「初心者向け」を考察してみます。

そもそも初心者向けとは

扱いやすく比較的安価なものが、いわゆる初心者向けなのだと思います。けん玉にも当然、それは存在します。しかし、世間には浸透していません。玩具店の絶対数が少なくなり、店頭にあるけん玉は昔ながらのけん玉しかないからです。いわゆる「協会けん玉」も1970年代からサイズ感は変わらないのでそれに該当します。実はそれらはワザが簡単にできるけん玉とは言えないのです。初心者の方には皿に玉が乗りやすく、けんに玉が刺さりやすく、玉のグリップが効く「各部が大きい」けん玉をオススメしたいのですが、旧来のものは皿も小さく、穴も狭く、玉はツルツルです。

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スポーツ用具の進化とは

スポーツは身体を動かす爽快さを体感できると同時に、結果の優劣を競うものでもありますから、道具を使うとなるとその優劣は結果を左右し、自ずと新技術を盛り込んだものを選ぶ傾向にあります。水泳のウロコスーツ然り、マラソンの厚底シューズ然り。けん玉も例に漏れずヒモ止めにベアリングを使用したり、中皿に空洞を作り「月面着陸」という技の成功率を上げるバランス精度を狙ったものもあります。

例に出したウロコスーツも厚底シューズも競技には使えなくなりました。けん玉は大会毎にルールが分かれているものの、大きく分けると

・旧来の認定けん玉のみ使用可能

である大会と

・サイズ上限のみ規定し、他は不問

というルールの大会が有名です。

前者は日本けん玉協会の大会全般であり、後者はGLOKEN(グローバルけん玉ネットワーク)の「けん玉ワールドカップ」やフリースタイルけん玉世界大会「Catch & Flow」がそれにあたります。

初心者用ではなくて

やりやすいけん玉は「各部が大きい」と前述しましたが、量販店の店頭に並んでいるけん玉は旧来のもの。つまり

より厳しい大会用のけん玉

とも言えます。これはけん玉特有の事情でしょう。それが日本国内では「初心者用」として売られている現実があります。

更なる高みにも対応する

各部が大きいけん玉は初心者用と書きましたが、実は国外で流通しているけん玉の大半はこれにあたります。理由は簡単で、より難しい技を成功させやすいからです。

かたや、日本の玩具流通には古くからの問屋制度が残っています。その問屋のけん玉のイメージは今でも旧来の「赤玉」です。そちらの方が卸値が安いことも影響して、なかなか「初心者も楽しめるけん玉」の流通が進まない現状は変わりません。

もし、初心者にもやりやすいけん玉にご興味がある方は、「けん玉」ではなく「KENDAMA」で検索してみてください。国外で支持されているけん玉メーカー(代表的なメーカーは、Sweets KendamasやKROM)や、それに対応した国内メーカー(山形工房「リシェイプ」シリーズ等)のけん玉が見つかるはずです。

写真のけん玉は、国産(山形工房)の技術と、国外で支持されているサイズや形状を具現化したけん玉のひとつ。KENHOL "ALL"(イタヤカエデ)

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