正解のない悩み〜かっこいい家VS南向きの家編〜
我が家が二世帯住宅を計画した時は、土地が決まっていて、その土地とは私の実家を売って新しく二世帯住宅用に買った土地だった。
この土地を選んだ理由は色々あったが、そのうちの1つが日当たり重視派の母の土地を選ぶ上での絶対条件、『南側に開けた土地であるべし』を満たしている必要があった。
その為、今回の計画地は南側が車道+歩道の大通りに面しており、日当たりのとても良い土地に決定した。
南向きの土地って人気ですよね。『こんな完璧な土地はないぞ!』と両親は大喜びしていた。
南側にベランダやバルコニーに繋がるリビングがあって、1階はリビングからお庭が見えて…🎵
土地を見ただけで少し間取りが想像できて、想像しただけで私もわくわくしていた。
さて、では建物を計画しよう!となった時に、私達は日当たりが良くてカッコいい家を建てよう、という事で意見が一致した。(そりゃそうか。)
色々な本を読んだりネットで検索したり、散歩をして親世帯、子世帯共に好きな建物のテイストはどういう家か、を話し合った。
結果的にモダンでシンプルな建物がいいね、と皆の意見が一致した。そこまでは順調だった。
ネットで モダン シンプル 家 と調べていただけると何となく家の特徴が分かっていただけると思う。
そこである事に気付いた。
オシャレ(私達好み)な家には窓がない。あってもワンポイントにチョコンとオシャ窓があるのみ。
確かに外観に窓が沢山あるとごちゃごちゃしてしまい、シンプルさに欠ける。
(もしくは全面窓だが、プライバシー的にそれはちょっとNGでした。)
「要は窓だね!」
私達はそう確信した。
我が家もシンプルな外観を作りたい!
そこで大問題が発生した。
母の“日当たり重視”問題である。
日当たりを確保するには南側(リビング)に窓が沢山必要である。
困った。ハウスメーカーに相談したら、
「中庭を作れば日当たりを確保できますよ!カタログに載っているこの建物も南向きの土地ですが、中庭を作って家ロの字型にする事で日当たりと外観のカッコよさを両立しています!」
と言われた。
なるほど、ロの字型の家を作って、道路側は窓(明かり)がいらない居室を、中庭に面した所にリビングを配置すれば、建物の外観は窓の少ないシンプルな家になる。
確かにカタログに乗るだけあってめちゃくちゃカッコいい。いやでもどう頑張っても無理でしょ…流石の私もそう思ったけれど、ダメ元で、
「…こういう事、我が家でも出来ると思いますか?」
「やってみましょう!出来ると…お…もいます。まず…ここを…玄関にして…」
よく考えたら出来ないって今思ったでしょ…
どんどん言葉が途切れ途切れになっていく営業さん…軽くスケッチをしてみたものの、手が動かない。可哀想になってきて、
「…中庭は諦めます!」
「はいっ!中庭は無理でもカッコいい建物提案しますね!」
「…はい」
営業さん、明らかにほっとしていた。
一瞬で中庭案はなかった事になった。
中庭を作るには充分な土地の広さと💰が必要になってくる。二世帯住宅で84坪の土地では足りない。
我が家、どうなっちゃうんだろう。間取りが出てくるまで不安だった。トボトボと新居が建つ予定の敷地の前に立ったら。
え!?お向かいの家全部カッコいいじゃない!!
よく見たら、我が家の大通りのお向かい(北向き)の家達は皆外観がシンプルでカッコいい…
覗き込んだら南側(裏側)にベランダがあって、きっとリビングもそちら側なのだろう。表に見えてくるのは横に細長いシュッとした窓だけだし、私達好みな家ばっかりじゃない…!!
結果的に我が家は出来る限りカッコよくシンプルな外観の家を作り、1.8mを超えた高いコンクリートの塀でごちゃついた窓部分を隠す事でシンプルモダン(風)な家を建てる事が出来た。
南向きの土地で日当りとカッコよさを共存させる答えはコレなのかなぁ。
土地の値段って『南側が正義!』みたいな価格設定になっているけれど、他の方位の方がカッコいい家を建てられたり、その方向の長所を使えば素敵な家を建てられるなと気付いたお話しでした。