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唯一無二じゃなくていい――『自分のため』が最強の発信モチベになる理由
はじめに:「発信が怖い」という、不思議なモヤモヤ
みなさんは何か情報発信をしようとするときに、「あれも考えなきゃ、これも考えなきゃ……」と気づけば頭の中がぐるぐるして、どこか気が重くなってしまうことはありませんか?
私自身、東京大学で分子生物学の博士号を取得後、ITベンチャーから独立してコンサルタントとして活動してきました。そんな私でも「何かを書こう、情報を出そう」と思うたびに、胸のあたりにもやっとした抵抗感を覚えることがありました。
発信するからには、唯一無二のコンテンツを作らないといけない?
読者が本当に求めているニーズに合わなかったら、意味がないのでは?
自分の能力をフルに発揮できるものを出せないと、発信する価値はない?
こうして考えれば考えるほど、なぜか動けなくなってしまう――。実はこれ、「発信前の漠然とした不安」 が引き起こす典型的な“足止め”状態だと分かりました。
ところが、「怖いなあ」「ちゃんと準備しなきゃ」と思い続けた末、いざ始めてみたら意外とサクサク進んで、「あれ、思ったほど大した問題でもなかったじゃないか」と拍子抜けすることが多かったんです。
この記事では、そんな“発信に対する抵抗感”をいかにして乗り越え、むしろ「発信活動そのものを楽しむ」状態に持っていくかを、私自身のリサーチと体験を交えてお伝えします。読むだけで「なるほど、これなら気軽にできそうかも」と思えて、さらに「ちょっと試してみようかな」と行動につながる具体的なヒントを提供できれば幸いです。
抵抗感の正体:なぜ「考えるほど」怖くなるのか
■ 発信前の“モヤモヤ”は、頭の中の防衛反応
私たちの脳は、新しいことや未知のことに挑戦するとき「損をしたくない」「失敗したくない」という危機感を抱きやすいとされています。脳科学や心理学の分野では、こうした反応を「リスク回避バイアス」 と呼びます。
発信を始める前に、
本当に価値あるものになるのかな?
誰かに批判されたらどうしよう?
そもそも需要がないんじゃないか?
と、不安がむくむくと湧き上がってくるのは、人間として自然な仕組みなんですよね。私も研究室で論文を書くとき、「このデータ、本当に正しいのかな?」 と何度も躊躇しましたし、ITベンチャー時代にブログを立ち上げようとしたときも、延々とタイトルだけ考えて止まっていた経験があります。
■ “考える”ほど不安が増幅する理由
実は、「しっかり考えよう」と頭を働かせれば働かせるほど、対策すべきリスクがどんどん増えていくという現象があります。論理的・構造的な思考 が強い人ほど、自分で「唯一無二じゃないとダメ」「読者ニーズに合うか検証しなきゃ」と課題を増やしがちで、それがいつしか自分を縛ってしまうわけです。
頭の回転が速い人ほど、“心配リスト”が膨れあがる
高い理想や完璧主義が手伝って、一歩が踏み出せなくなる
これは「研究者気質」「戦略家気質」の人にありがちな落とし穴。私自身がそうでした。博士課程で論文を書くときに得た「徹底的な掘り下げ癖」が発信でも働いてしまい、「まだ足りない」「もっと詰めなきゃ」という重圧に押されてしまったのです。
“唯一無二”や“読者ニーズ”に縛られてしまうワナ
■ 唯一無二じゃないと意味がない?
コンテンツを作るうえで、「誰もやっていないこと」に挑戦したい気持ちはよくわかります。私も、自分の研究やコンサルのナレッジは独自性が高いのだから、「完全にオリジナルな情報」を提供しないと価値がない と思い込みがちでした。
しかし、インターネットには膨大な情報があふれていて、どんなテーマを検索しても先行事例や似たような発信があるのが現実です。ですから、本当にまったく被らないテーマを探す方が難しい のです。
結論:「唯一無二」でなくてもOK。
むしろ、「あなたの視点」や「あなたの言葉」で解釈した情報が誰かの役に立つケースがとても多い。
■ 読者ニーズを優先しすぎると、モチベーションが枯れる
また、「読者が本当に求めていることを出さねば」という義務感が強すぎると、自分の好きなことや関心事を犠牲にしてしまい、「書いていて全然楽しくない」 という事態が起こりやすいです。これは危険信号。楽しさを失った発信は長続きしないですし、「やらねばならない仕事」になってしまって、息が詰まります。
読者が欲しい情報と、自分が書きたいテーマの交差点 を探すことが大切。
交差する部分が見つからなければ、いったん「自分の趣味発信」でもいいから始めるのも手。
「発信は自分を表現してなんぼ」 という面もあります。自分のワクワクがないまま“義務感”で発信していると、たとえニーズに合ってもその先が続きません。
実はやってみると大したことがない?──行動前の不安の正体
■ “成功恐怖”や“批判への恐れ”の不思議
人によっては「発信が当たってしまう」ことすら怖いと感じる場合もあります。「ウケてしまったら、そのジャンルをもっと深掘りしなくちゃいけなくなるし、それって束縛されるみたいで嫌だな……」と、勝手にプレッシャーを大きくしてしまうんですね。
こうした心の動きは、心理学で言う「成功恐怖(Fear of Success)」に近い状態です。成功することで新たに生まれる責任や周囲の期待が負担に感じられ、「自由を奪われる」と思い込むわけです。
ところが、いざ成功してみたら、
別にずっと同じジャンルで発信し続けなくても大丈夫
読者はそこまで厳密に「この人はこのテーマにコミットしないといけない」なんて考えていない
という現実に気づいて、「あれ、そこまで縛られないかも?」と気が楽になるケースがほとんどです。要するに、「やる前の不安」が最大化されている だけなんですね。
■ 「大したことない」と思えると、行動力が一気に上がる
私も実際に「発信」に踏み出した後、「こんな適当な下書きでも意外と読んでくれる人がいるんだ」と知り、拍子抜けするほど気分が軽くなりました。
「初回の反応が微妙でも、そもそも誰にも怒られない」
「むしろ、継続して発信を増やすうちに整合性がとれてくる」
こうした経験を積むと、最初に抱いていた抵抗感が嘘のように薄れます。“失敗してもいいし、成功してもそこまで縛られない” と分かると、行動のハードルはぐっと下がるものです。
抵抗感を下げるための具体的アプローチ
それでは、こうした「発信コワイ病」を和らげ、むしろ発信活動を楽しむためにはどうすればいいのか。私が実践してみて効果があった方法を、4つの視点から紹介します。
まずは「自分の復習のため」と割り切る
「発信の質や成果を誰かに届ける」という意識をちょっと横に置いて、「最終的には自分の脳内整理のため」 として書き始めるのがいちばん楽なアプローチでした。
自分への振り返り・記録としての発信
たとえば、読んだ本の内容を自分の言葉でまとめたり、習った技術の理解を深めるためのメモとして記事を書く。“思考を外部に書き出す”習慣
論文を書くときも、実は書きながら論理を再構築して理解が深まることが多いんですよね。研究者のときも「書く」という行為で記憶が定着したのを実感しました。
こう考えると、誰にウケようがウケまいが、自分のためにやっている のであって、他人の評価はそこまで重要ではなくなります。気楽に始められるし、続けるモチベーションも保ちやすいという利点があるんです。
方向性はあえて“ざっくり”のままスタートする
戦略家タイプの人ほど、「最初にコンセプトを固めて、ブランディングを明確にして、ターゲット層を絞り込んで……」と緻密な計画を立てがちです。もちろんそれ自体は悪くありませんが、“戦略を練れば練るほど抵抗感が増す” なら、いったん方向性をざっくりのまま進めてみるほうが得策です。
仮決めでOK:
「健康全般について書こうかな、でもたまにAIネタも入れたいし、気ままに続けるブログにしよう」くらいの感じでも十分です。走りながら修正できる:
IT開発の現場でも、MVP(Minimum Viable Product)の考え方が主流です。まずは最小限の形で動かし、途中でどんどん調整していくほうがスピード感が出るんですね。
いざ発信を始めると、読者からの反応があったり、自分自身の中で「こっちのテーマが面白い」「意外とこっちの方が書きやすい」といった気づきが出てきます。最初にガチガチに決めすぎるより、むしろ“ゆるくスタート”したほうが、試行錯誤の余白があって続けやすいんです。
続けられない原因は「楽しみ方」を決めていないから
発信を継続する上で、「楽しくやる仕組み」 は本当に重要です。私自身、コンサルや研究で身につけた“仕組みづくり”を活かして、「毎朝のルーティン」「ネタ探しのフロー」「アウトプット後の振り返り」などをシステム化しています。
小さく目標を設定する
1日1ツイートでも、1週間に1回のブログでもいいので、目標を低めに設定して達成感を味わう。自分の“成長実感”を追う
「初めて書いたときはこれだけ文章に時間がかかったけど、今は30分短縮できた!」という具合に、結果よりもプロセスの改善を楽しむ。読者に向けての“ギフト精神” はあってもいいが、主体はあくまで自分
「今日は1つ、自分にも読者にも得になる情報をシェアしてみよう」という軽い心づもりがベストです。
継続を邪魔する最大の敵は「完璧主義」と「義務感」。ここを外せば外すほど、自然に書きたくなるし、疲れにくくなります。
AIを「盛り上げ役」として活用する
AIとの対話でコンテンツの方向性やタイトル案を相談していると、つい「もっと良いものを」「もっと具体的に」と深追いしてしまいがち。しかし、AIを使い込んでみてわかったのは、「AIは何かを決めるため」よりも「アイデアや気づきを広げるため」に使うほうが、気持ちが軽くなる」 ということです。
ブレインストーミング・パートナーとしてAIを活用
「こんなテーマで書こうと思うんだけど、関連キーワードをいくつか挙げて」という感じで、ラフな相談にとどめる。「もし批判があるとしたら、どういうもの?」と尋ねる
AIから想定リスクを出してもらうと、むしろ「こんなにしっかり考えなくてもいいかも」と思えることもあります。
要するに、AIを「最強のサポート役」にして、「責任をAIに預けすぎない」 ことが肝心。最終的にどう動くかは自分が決めるのだという意識を持つだけで、不思議と肩の荷が下りるはずです。
まとめ:発信の“コア”は、自分のワクワクと学びを育むこと
私も過去には、発信に関してものすごく構えすぎていました。「唯一無二のものを作らねば」「読者のニーズをガッチリ満たさねば」――そんな想いが強すぎて、完璧主義の罠に陥り、結局なかなか手が動かない。でも、思い切って一歩を踏み出してみると、
やる前に悩んでいた不安は大半が起こらない
大抵の場合、誰もそこまで厳しく見ていません。続けていくほど、自分の思考がどんどんクリアになっていく
記事やコンテンツを通じて自己理解が深まり、新しいアイデアが湧くように。発信したことで「面白かった」と言ってくれる人に出会う
それが新たな学びやコラボにつながったりする。
最終的には、「自分のために発信する」 というスタンスが、一番自然で強力です。もし読者が増えたり、ニーズに合ったりすればラッキーくらいの気持ちでいると、気負いなく続けられます。
■ 行動したくなる3つのポイント
とりあえず小さく始めてみる
ブログなら1記事、SNSなら1投稿、動画なら1分でもいいので「試作品」を出してしまう。「自分が学んだことを、未来の自分に教える」気持ちで書く
読者は“ついで”と考えるくらいの気楽さが続けるコツ。AIなどのツールはアイデア生成や気分転換に使う
戦略を詰めすぎると苦しくなるので、「一緒に遊ぶパートナー」的に使うと発想が広がる。
発信は、「将来の自分が読み返して面白いかどうか」を基準にしてもよいのです。過去の記事を振り返るたびに「この頃はこんな視点だったんだ」「ここからさらに成長できたな」と、自分の歩みを可視化できます。研究成果も、コンサルで学んだ知識も、自分の言葉で整理するうちに新しい理解が生まれる――これが一番のメリット。
もし今、抵抗感やモヤモヤを抱えながらも「発信してみたい」という気持ちが少しでもあるのなら、ぜひ「自分のための復習」として始めてみませんか? やってみると本当に「怖がっていたほどではなかった」と気づけるはず。 そして、その先にはきっと、あなた自身が思っている以上に面白い世界が広がっていることでしょう。
あとがき
私自身、博士課程で苦手だった論文執筆を重ねるうちに「アウトプットこそ最大の学習法」だと体感しました。ITベンチャーでブログ運営について考えたり、独立してクライアントへの習慣形成コンサルをする中でも、書く・発信する行為は自己理解を深め、次の行動を生む原動力 になると再確認しています。
もし「抵抗感をどうしても拭えない…」というときは、AIに「どんな抵抗があるのか5つ挙げて」と頼んでみてください。意外と面白い回答が返ってきて、「ああ、こんな心配しなくてもいいかも」と思えるかもしれません。発信を深刻に捉えすぎず、ときには自分の気持ちを解きほぐすツールとしても活用してみてください。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。もし、この内容が「なるほど!」と思えたら、ぜひ“いいね”やコメントを残していただけると励みになります。「もっと詳しく知りたい」「具体的な活用例を聞いてみたい」という方は、ぜひ私のnoteやSNSなどフォローしていただけると嬉しいです。次回も役立つ心理学・脳科学の驚きをお届けします。あなたの発信が、あなた自身の未来を少しでも明るく、そしてワクワクさせるきっかけになりますように。