ノーサイド・ゲーム【読書感想文】
ラグビー×池井戸潤さんというところでどんな展開になっているかが楽しみで購入。7月からはドラマも始まるということでその前には読み終えたいと思いながら池井戸さんの世界へ。。
ラグビーの世界を知っている人ならば読んでどんな感想を抱くんだろう。
出てくる色々な話題や用語から頭の中に関連するニュースが浮かんでくる。もちろん、ストーリーに合わせて脚色されている部分などもある。でも、ザワザワする。
おかしい、不思議だと思っていてもいつの間にかそれを「そういうもんだ」と受け入れてしまっている部分もあることを改めて突き付けられた感じ。
そして、描かれているような未来を望んでいるところもどこかにある。
単に「ノックオン」だけでなく、簡易的な説明が文章の中に盛り込まれて専門用語も色々出てくる。中にはTMO(Television Match Official;映像によってトライの成立や反則の有無を検証する)やHIA(Head Injury Assessment;脳振盪などを受傷したかもしれない選手をチェックする制度)、さらには移籍証明書の問題といった近年の用語も。とにかく、現代ラグビーの話である。ちょうど日本ラグビー協会の理事が改選されるというタイミングと見事に合っているようにも思う。
ラグビーにあまり接点のない人が読んだらどのようなことを感じるのだろうか。全く馴染みのない銀行の話などを自分が読んでその世界を垣間見れたように感じるだろうか。そして。親しみを持ってくれるといいな。それはテレビドラマも含めて。池井戸潤さんの作品、ということの波及力はやはりあると思う。どうもラグビーはとっつきにくいという人には自分たちの説明よりも遥に入っていくかもしれない。
ハンドオフ、オフロードパス、、、、フェーズ
そんなラグビーだけの話ではなく、企業内の人間模様もしっかり描かれていて、これまでの池井戸作品のような読み応えもある。
ちょっとした時間にもつい開いてしまい、電車の待ちも気にならない。なんなら座れなくても気にならない。そんな感じで一気に読み終えた感じです。結局1日持たず。
分量の割にあっさりしていたなぁ、、と感じてしまうのはラグビーというものに対する知識量や熱量から来るもので、多くの方には適切な量の描写なのかもしれない。
池井戸潤さんの想い
そんな感想文を書いている最中、こちらの記事を見つけました。
偉そうに色々書いたのがなんか気恥ずかしいというかなんというか。
こちらの記事からも入念な取材を重ねたこと、作品に対する拘りなどを伺うことができました(これまた偉そう)。
そんな熱量をもう一度感じながら読んでみようと思います。
ノーサイド・ゲーム、ぜひ一読してほしいです。