【2023年1月】カルチャージャンキー月報
今年から月1回、月末くらいに、その月に読んだ本、観た映画、ドラマ、アートやデザインの展示会などなど、エンタメコンテンツをまとめる月報的なnoteを書いていきたいと思う。
何を観たか振り返る備忘録として書くので、他者へ伝える感じではないかもしれないが。
映画
『THE FIRST SLAM DUNK』
1月1日に劇場で観た作品。
1990年〜96年まで「週刊少年ジャンプ」で連載され、絶大な人気を誇る名作バスケットボール漫画「SLAM DUNK」を新たにアニメーション映画化。
原作者の井上雄彦が監督・脚本を手がけている。
スラダン世代ではないし、スポーツが嫌いだし、なんとなく読んで、なんとなくストーリーを理解しているくらいの自分だったが、ストーリー展開、まるでその場にいるような臨場感溢れるアニメーションと音響で胸が熱くなった。
音楽もよく、The Birthdayのオープニングからやられ、主題歌の10-FEETの「第ゼロ感」の劇中挿入部分も本当に効果的に使われていて、心拍数を上げるものだ。
『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』
Netflixに一挙アップされた「ハリーポッター」と「ファンタスティック・ビースト」シリーズ。
ダンブルドア兄弟の若かりし頃の出来事を描いている。
ジョニーデップの騒動後の作品であったためグリンデルバルド役がマッツ・ミケルセンに交代になったのだが、マッツ・ミケルセンの悪役の色気がやばい。ストーリー自体は別に特段魅力的なと思わないが、ファンタビの世界観はファンタジーとして本当に好きだ。
『ハケンアニメ』
直木賞作家・辻村深月がアニメ業界で奮闘する人々の姿を描いた小説「ハケンアニメ!」の映画化作品。
劇場公開中は、なんかつまらなそうな映画だなと思い気にも留めていなかった作品なのだが、各所で面白いと聞いていて、Netflixで配信が開始したので早速観た。
モノを作ることをしている人なら共通する熱くなる描写、登場人物たちが必死に全力で仕事に向き合う姿はとても清々しかった。
ドラマ
『City Lives』
フジテレビの深夜枠で全3回放送されたモキュメンタリードラマ。
夜、寝れなくてたまたま観た『CITY LIVES』。VFXを駆使した“新感覚モキュメンタリーSFドラマ。
"街"という巨大生物を保護観察する「都市型生物保護機構」に密着するドキュメンタリー風。SFとしてよくできてるし、街の生態、設定が面白い。
こういう展開になるのか〜!って2話目の最後で勝手にテンション上がった。ただのモキュメンタリー、SFとして終わらないストーリー展開のワクワクと、SFとして街という生き物がどうなるのかのワクワクの両方を同時進行で味わえる。3話目は1月31日放送なので、まだ見れていない…
『ブラッシュアップライフ』
主演は安藤サクラ。脚本をバカリズムが手がけている。
タイムリープと人生やり直しという、比較的よくある設定のドラマなのだが、会話劇としての面白さ、各回の会話に次回以降の伏線になるであろうヒントが散りばめられていて、それを回収していく気持ちよさもある。
埼玉が物語の舞台なのだが、地元や中学からの繋がりなど、半径5メートルの世界の描き方が上手いし、人生の展開が分かりきって進んでいくはずなのに、人生2周でも大して変わらない人間関係と地元から脱しない人生というリアリティもまた面白い。
主演の安藤サクラもだが、周りを固めるキャストが本当に豪華で、友人役に夏帆と木南晴夏、黒木華。クラスメイトに染谷将太、元カレが松坂桃李、1話目のゲストキャストが三浦透子などなど、演技の質が気になるなどの心配事が皆無で安心しきって没入できる。
バカリ脚本がこのまま終わるわけないので今後の展開が楽しみ。
NHK ドラマ10『大奥』
よしながふみの漫画原作を実写ドラマ化。
漫画は日本SF大賞や、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞などを受賞する人気作。
吉宗役の冨永愛がとにかくかっこいい。あまり演技の印象はなかったのだが、乗馬や太刀など上手いし、強く美しい将軍の吉宗になっている。また、2話以降は家光の時代にさかのぼり物語が進み、男性版の大奥ができた理由、将軍が女性になった経緯などを描いている。
春日局役の斉藤由貴の怪演、福士蒼汰の家光の側室で元公家の僧侶役の美しさと純粋かつ実直さも良い。
将軍が女性になるという権力の面でジェンダー逆転の話なのだが、女性や男性の本質的に持つ卑しさ、集権の構造は変わらないなと改めて思った。そして、男性はやはり愚かな生物なのだ。
原作を読めていないので、原作を読みたい。
『ナショナル・トレジャー 一族の謎』
映画のナショナルトレジャーのドラマシリーズ。ニコラスケイジなどの映画のメインキャストはほとんど出てこない。女性かつアメリカ国籍を持たない主人公、フェミストの黒人女性、アジア系アメリカ人など多種多様な人が出てくる今のアメリカっぽいドラマ。
謎解きは楽しいのだが、アメリカ史を知らないとちょっときついなと思いながら見ている。
1話で離脱のドラマたち
『星降る夜に』
吉高由里子と北村匠海がメインキャストのドラマ。
大石静が脚本ということで期待していたのだが、出会ってすぐにキスや嘔吐、AV、尿みたいな安っぽい下ネタの表現と光石研が演じる吉高由里子の上司の産婦人科医がオネエ口調という安易なキャラ設定。1話目から無理だったので離脱。
『夕暮れに、手をつなぐ』
広瀬すずと永瀬廉がメインキャストのドラマ。
北川悦吏子の脚本。このSNSやネットが発達した時代に、方言の無知の若い可愛いらしい女性を広瀬すずに演じさせるのキツかった。痛々しさを感じてしまう。
『100万回 言えばよかった』
井上真央✕佐藤健✕松山ケンイチの実力派の3名の役者が揃ったドラマ。
脚本がつまらないとかではないのだが、自分にはハマらなかった。井上真央を久しぶりにドラマで見たのだが、いい役者さんだな〜と再認識した。
展示
『六本木クロッシング2022展:往来オーライ!』
2022年12月1日〜2023年3月26日 / 森美術館
AC部『MoBA -現代美術館展- Museum of BOB ART EXHIBITION』
2022年12月21日 〜2023年1月9日 / Mitsukoshi Contemporary Gallery
玉山拓郎『Static Lights : Tilt and Rotation』
2022年12月20日 〜2023年1月9日 / Sony Park Mini
永井 博『THE JOURNEY BEGINS』
2022年12月30日 〜 2023年01月17日 / 銀座 蔦屋書店
永井博の画集『THE JOURNEY BEGINS』の刊行を記念した展覧会。
永井さんの絵は好きなのだが、やはり大きな空間だと小さく見えてしまう。
『pop&street -AN ANNUAL 2023-』
2023年1月13日 〜1月22日 / WAG GALLERY
『HIDDEN CHAMPION』と『西武渋谷店』が、毎年恒例となっているグループアートショー。 WAG GALLERYの展示は、HIROTTON やKeeenue、Kan Kobayashiなど、若手から中堅のアーティストまで様々な世代が集結した展示になっていた。
宮下サトシ『Motion and stillness』
2023年1月13日~ 1月29日 / 六本木ヒルズA/Dギャラリー
陶芸家、彫刻家として活動する宮下サトシ。
動と静の間にある揺らぎのようなものをテーマとした、陶彫刻を中心に展示されている。Toy. cartoon. potteryという新たなジャンルを作っている若手アーティスト。
カートゥーンが大好きなので、宮下さんの陶芸作品は刺さる。理屈抜きに魅力的だ。
江口寿史『NO MANNER』
2023年1月17日〜2月7日 / Kaikai Kiki Gallery
マンガ家・イラストレーターの江口寿史の個展。
江口さんは銀杏のジャケットや吉祥寺のサンロードのビジュアルなど、カルチャーとして通ってきて、いいなと思っているのだが、今回の展示はうーんって感じ。
オールシルクスクーンの大型作品を展示していたのだが、これに数十万から数百万払って購入する人の気持はわからないなってなった。めちゃくちゃファンならまだしも、江口寿史カルチャーを通ってない、知識や知見などのバッググラウンドがない人がコレクションをすると思うと、なんか悲しくなるなと思いながら見ていた。
もちろん、シルクのクオリティはカイカイキキメイドなのでめちゃくちゃ高いです。
本 |BOOKS
今月はあまり本を読めず、そして買えていなかった。
安堂ホセ「ジャクソンひとり」(河出書房新社)
大前粟生『ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい』(河出書房新社)
絶対に終電を逃さない女『シティガール未満』(柏書房)
まだ読んでいる途中なので来月感想は書きます!!