Nº99 イタリア語の定冠詞 要否の判断はどうする? : 具体例から基準を学ぶ
イタリア語を学んでいる皆さんに、今回は定冠詞をつけるかどうか迷ったときにどう対処するのが良いか、というお話をしたいと思います
私はこれまでも、そして現在でも変わらず持論として思うのが
「まず本などでルールとしてまとめられているケースを学び、たいていの”問題”に正解できるようになったら、あとは日々のニュース、動画、会話などで経験値を積んでいけばよい。そうするうちに自分の中に基準が結晶化してくる」
ということです
また、必要に応じて、その”結晶化”したものに随時修正を加えていけばいいです
今回はその一部として、定冠詞をつけないケースにはどんなものがあるのか、というのを具体例を一緒に確認してみたいと思います
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この記事において、いくつか典型例を見つけました
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..un milione di tonnellate di acqua radioattiva
このユニットの acqua radioattiva が無冠詞ですが、そこについて話します
みなさんはこれがどうして無冠詞なのか(そうでなければならないか)、自分の言葉でいいので説明できますか?
ここを簡素化すると
A di B
と記号化できますが、このとき di B というのは A の性質(たとえば材質など)を説明する働きです
だから、特定の何かを指すわけではない、というふうに理解をします
よって、無冠詞なのです
ちなみに別のケースでは、acqua radioattiva に定冠詞をつける場合は普通にあります
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Lo scarico ha causato rabbia nei Paesi vicini..
ここでは rabbia が無冠詞ですが、rabbia 自体になにか修飾がかかっているわけではなく、シンプルに概念として rabbia と言っているだけです
だから、無冠詞です
ちなみに、時間がある人は Paesi vicini とすると paesi vicini となにが違うのか、推測してみてください
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..ha causato..preoccupazione tra i pescatori..
この causato はさきほどのと同じです
preoccupazione は修飾してくる句や節がないため、ここも単なる概念をのっぺりと置いているだけです
だから無冠詞です
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イタリア語検定を受検する方に言いたいのは、たとえ1級でも試験問題で問われるのは、判断が難しく微妙なものではなく、ルールに従って判別しやすいケースだけだということです
だから少なくとも、(スコアがいくつでも)合格することが一番だ、という気持ちの方であれば、定冠詞(を含む冠詞)の要否を細かく気にかける必要はないでしょう(本に載っているような普通のことを、一通り押さえておけば十分です)
試験に向けてバランスよく備えを進めていくことを心がけてください
どっちみちあと1ヶ月しかないので、何の習得にどれくらい時間とエネルギーを費やすか、そこを考えながら進めるほうが悔いが残らないと思います