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Nº101 2023年版 イタリア語検定 1級の、筆記試験 Parte I 間違えたらやばい6問
10月に開催されるイタリア語検定の1級・2級の倒し方(2023年版)について考えてみましょう
そのシリーズ第2回であるこの記事のテーマは、1級の筆記試験 Parte I です
筆記試験については受検者からよく「難しい」「細かい知識が問われる」「どうやって勉強したら良いかわからない」とか、いろいろな感想があちこちで聞かれます
しかし私に言わせれば、単にみなさんは経験値の積み重ねが少なすぎるだけです
確かにイタリア語検定は、私にとってのみならず、イタリア人にとっても縁遠い表現や用法に関する知識が出題されるような、偏りのある試験です
ですが、変わった試験であろうがなんだろうが
「要は、何点取れば良いわけ?」
と考えてみると、筆記試験の Parte I, II, III をまとめて37問あるうちの27問取ればそれでいいんです(開催回によっては22問正解でOkだったこともある)
そう考えると、気楽になりませんか?
だって、10問ミスってもいいんです
およそ4問に1つ間違えても平気なわけです
今回私が話したいのは、この「4問につき1つ間違えてもいい」を考えたときに、どの設問を間違えるとダメ(A)で、どの設問なら間違えても合格は揺るがないのか(B)、という視点でのアドバイスです
あなたは、上のAとBを区別できる、または最低でもなんとなく分類ができるくらいに、過去問をあれこれ分析したり考察したりしたことありますか?
ない方は、私が力になりましょう
今回の記事では、2022年のイタリア語検定1級の出題をもとにして、Aについてお話しします
以下、私目線であれこれコメントしたり解説したりしますが、著作権に配慮しながら書いていくため、みなさんは2022年の1級の過去問を自身で用意していただき、問題の全文や協会による正解はそちらで確認してください
では始めましょう
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この6問に間違えていたら、あなたはやばい
問題番号の 26, 27, 31, 37, 41, 43 の6問は、もしあなたが間違えていたら2023年も合格の可能性は薄いかも、と私は思います
別に大袈裟ではなくて、この6問ができないようでは準備不足と言われても仕方ない、と私なりに思う理由があるからです
じゃぁ順番に見ていきましょう
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問題26は、ci の用法に関する問題です
今回は a + verbo all'infinito を ci で言い換えるというよくあるパターンについての出題です
ci は、たとえば con lui を ci で言い換えたりすることもできるので、もっと”気づかれにくい”出題にすることも可能です
だけど、イタリア語検定1級の問題を作った人はそうはしなかった
典型的なパターンを用いて出題した、と言えます
だから、正解できて当たり前
典型的なパターンすら知らない人は、ほかにどんな問題で正解できるんでしょうか
みなさん、典型的なパターンからしっかり押さえていきましょう
順番に整理していけば、まだ正しい合格へのルートに戻ることも可能だと思いますよ
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問題27は、イタリア語検定が好きな構文についての出題です
Vedessi + 接続法 + ! という構文なのですが、私はイタリア語検定の問題以外でこの構文を見たことがありません
じーっと考えると、一度くらいはひょっとしたらあったかなぁ・・・くらいは思いますけど、まぁそれくらいないわけです
一方、イタリア語検定の過去問という枠内で考えると、これまで何度か見たことがあります
だから、私目線では、この構文はイタリア語検定の受検者で、過去問を何回分か解いて見直しをしたことがある人なら、きっと知っている構文なんです
これはたとえば、イタリア語検定では fradicio という単語が一時期やたらと選択肢に使われていたりしたのと同じ話です
ある意味、イタリア語受検者”界隈”では有名な話だよね、くらいのレベルです
そういうのを正解できないようでは、合格は危ういというわけです
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問題31、37は、知識的には足りていても、迂闊に選択肢を選ぶタイプの人は不正解になりやすいでしょう
たとえば問題31に関連して、in fondo ならば in fondo a と前置詞 a を用いるのに対して、sul fondo ならば sul fondo di と前置詞 di を用います
通常、fondo という言葉を知るきっかけとして上のどちらかの表現で最初に知ることになるでしょう
大事なのはそのあとで、
「なるほど、fondo は in fondo a という使い方をするんだな!」
と、それさえ知っておけばOk!みたいに思い込んでしまう人って、一定数いると思います
そういう人たちが間違えるわけです
言語は、いろんな組み合わせを通して伝えたい内容を表現するものなので、fondo は in fondo a という使い方だ!と短絡的に進めてきた人は、問題31、あるいは問題37を正解できない可能性が高いわけです
ちな、今回のようなことは別に fondo に限った知識ではなく、たとえば次のような類似例は他にもあります
in base なら in base a
sulla base なら sulla base di
in centro なら in centro a Milano
nel centro なら nel centro di Milano
きっと見たことある人もたくさんいるでしょう
そうなんですよ、こういうのを頭の中で分解して類似ケースとして知識の紐付けができれば、fondo について個別具体的に見たことがなかったとしても、類推することはできるはずです
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問題41は、正解できてなければ本当にやばいです
いわゆる知覚動詞の知識を問う問題なのですが、みなさんは構文が頭に思い浮かびますか?
たとえば Ho sentito dire che という言い出し(書き出し)の表現がありますよね
あのときの sentito (sentire) + dire (原形)が、知覚動詞の肝です
この知識は、実はイタリア語検定の準2級(か、または少なくとも2級)の読解問題の本文の中にもふつーに使われている文法知識です
ということは、1級を受検する人なら当然知っている内容ですよね
残り1ヶ月で、2級や準2級の読解本文を隅々まで説明ができるかどうか
そういう直前期向けの学習メニューも考えられるでしょう
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問題43は、gerundio の役割を考えれば正解できる問題です
構文は、いわゆる進行形です
ということは、イタリア語検定で言えば(少なくとも)準2級水準の知識です(あるいは、3級あたりの人たちでも知っているのでは、とも思いますが)
でも、この問題も正解率が実は60%すらないんですよね
なにが起きているのかわかりませんが、一つ言えそうなのは、みなさん実戦の経験値が足りなさすぎる、です
実戦の経験値については、次の段落でもう少し補足します
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まとめにかえて、アドバイス
なにかを理解したり、知ったりして、その時点がゴールだと思っているんじゃないでしょうか、そういう人たちは
私が言いたいのは、そこから実は後半のスタートで、知っていることをつかって「記事などを読む」「作文する」「誰かとやりとりする」など”実戦”で使い慣れていく時期を作らないといけません
これは、難関大学・学部受験生に英語を指導してきた経験的にも、自信をもって言えることです
多くの人は、安心するのが早すぎる
心当たりがある人はあと1ヶ月で、参考書を読み返すよりも、実戦経験を積むためのメニューを増やすべき、かもしれませんね
以上、今回も最後まで読んでいただきありがとうございました
わたしは、イタリア語学習の作文スキル向上のための学習会を、note のメンバーシップで開催中です
興味ある方は、紹介ページで説明を読んでみてくださいね!
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