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日の出山へ挑戦

東京でも晴れると様々な山が見える
「山ってこんなにあったんだ」
そんな当たり前の事に気付く

元々ずっと存在してたはずの山なのに
自分には全く見えていなかった山々
興味や意識という概念は
人間を盲目にも達観にもするものだ

あれは何ていう山なんだろう
山にも個性があるものだ
山の天気はこんなに変わるのか
そうやって少しずつ山の知識が広がっている

✳︎

朝5時、目覚ましのアラームが鳴る
「眠い。今日は登山はやめようかな…」
しばらく、天井を見つめダラダラする

前日に用意していた登山バッグが視界に入り
昨日の自分が「行かないのか?」と問いかける
スマホで山の天気を確認してみる
曇のマークと太陽のマークが表記されていて
そのマークを見て、行かない理由が無くなった
眠さと闘いながら身支度を始め家を出た

✳︎

登山へ向かう車中で風を浴びながら
お気に入りの音楽を再生する
休日の早朝のこの時間の空気感が好きだ
徐々に山登りモードへとスイッチが入る

そして到着。
東京都青梅市と日の出町との境にある山

朝7:20分、日の出山の登山口に到着
人の気配が無く奇妙な雰囲気だった
これから始まる山頂までの苦しみを
覚悟して足を踏み出した
先週登った高尾山とは違って
あまり舗装されていない山道で
高尾山は登りやすい山なんだと認識できた

孤独に山の中を歩いていると
恐怖心が芽生えてきて心細くなった
仮にここでクマに襲われても
誰にも気付かれないだろう
今回の登山では、ゆっくり景色や空気を
楽しみながら登ろうと心に決めていた
しかし、いざ登るとそんな余裕はなかった

暑い。辛い。苦しい。
前回よりも荷物の量が増えリュック重みが
汗をかいた背中にのしかかって
俺は一体なにをやってるんだ?の連続だった
一心不乱に足を前に進めると
休憩できるベンチを目撃
山道にあるベンチは嬉しく感じた

自然の中にある人工的なベンチの存在は
人間の存在を意識させてくれ
少し人恋しさが薄れ、心が落ち着いた
そして前回の登山で学んだ
エネルギー補給の重要さと大切さ
人間はエネルギーが無いと動けない
そんな当たり前のことに生きてる実感を得た

ベンチに座りぼーっとしながら
耳を澄ませると色々な鳥の声が聞こえてきた
森の中での鳥のさえずりは心地が良い
そして時折吹く風の気持ち良さも味わえ
登山って悪くないかもと思えた
今回の登山では、すれ違う人に挨拶をした
それだけ孤独で心細かったんだと思う
皆さん元気に挨拶を返してくれ
苦しい登山が少し軽減されたようだった

普段コミュニケーション能力が皆無で
コミュニケーションを面倒に感じてしまう
そんな自分自身が嘘のようだった
これも登山のパワーなのだろうかと思った
山頂まで0.5キロという表記を発見
あと少しだと希望を感じて歩く
しかし、このラスト0.5キロが果てしなく遠い
歩いても歩いても辿り着かない
足を止め永遠のように長い登り階段を眺めた
次第に希望の光はどこかへ消えてしまった

しかし着実に一歩ずつ踏み出していけば
満身創痍の心に光が灯るもので
気合いのラストスパートで
残りの体力を振り絞って登った
そして登頂。
約2時間かけて902Mを登った
あまりの疲労感で山頂の景色を
眺める事を忘れベンチに倒れ込んでしまった

少しずつ呼吸が落ち着いてきて
達成感や高揚感がジワジワやってきた
景色は曇天の空だったけど
山頂は素晴らしい眺めだと思えた
もちろん今回もプロテインを摂取
やはり今回も死ぬほど美味しかった
山登りの必需品の相棒に確定した

そして下山。
前日、雨が降ったからなのか
道が濡れていて2回も滑って転んでしまった
下山には技術がいるんだと学んだ

そしてスタート地点に到着
「山を登って下山する」
よく考えると矛盾に満ちた行為だと思え
必死でそんな行為をした自分が笑えた

人間は意味のない行為にこそ
魅了されるものなのだろうか
それとも自分の意識が狂ってるのだろうか
どっちにしろ登山は不思議な魅力がある
そして今回のメインイベント「温泉」
実は今回の登山は温泉が目的でした
厳しい登山の後の大浴場の温泉が
どれだけの自分の心を豊かにしてくれるのか
そんな知的好奇心を満たす為の登山だった

全身の力を抜いて大浴場の湯船に浮かんだ
信じられないほど気持ち良かった
多分ずっとニヤニヤしてたと思う
あまりにも気持ち良すぎて
もう一回、日の出山の山頂へと
登ろうかなと思った程だった(ウソです)
そして温泉後の「冷やしとろろ蕎麦」
多幸感。多幸感。多幸感。
いま死んでも後悔はないと思える
究極の冷やしとろろ蕎麦だった

あんなに最悪に苦しかったはずの記憶が
最高に素晴らしい登山だったと
脳内で変換されてしまった
山登りする人は皆こんな感覚なのだろうか


✳︎

予定では日の出山を登ってから
そのまま御岳山へ向かおうと思ってましたが
吐き気と頭痛がしていたので
無理せず下山することにしました
たぶん熱中症だったのかもしれません
山登りでは体調管理は大切ですね

まだまだ山登りは好きにはなれてませんが
登山後の温泉や食事の多幸感を目的に
今後も突き進もうと思ってます

次はどこの山へ登ってから
何を食べて多幸感を得てやろうか
今はそんな事で頭がいっぱいです

8月に挑戦する富士登山まで
できる限り山を登るつもりです

それではまたCiao!

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